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・ダニエル書12章5節~13節
・ダニエル書まとめ
エレミヤ書
・エレミヤ書1章1節~3節 前半
・エレミヤ書1章1節~3節 後半
・エレミヤ書1章4節~19節
・エレミヤ書2章1節~19節
・エレミヤ書2章20節~3章5節
・エレミヤ書3章6節~25節
・エレミヤ書4章1節~31節
・エレミヤ書5章1節~31節
・エレミヤ書6章1節~30節
・エレミヤ書7章1節~15節+バビロン捕囚の表
・エレミヤ書7章16節~8章3節
・エレミヤ書8章4節~9章1節
・エレミヤ書9章2節~16節
・エレミヤ書9章17節~26節
・エレミヤ書10章1節~16節
・エレミヤ書10章17節~25節
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・エレミヤ書12章14節~17節
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・エレミヤ書18章13節~23節
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・エレミヤ書22章1節~19節
・エレミヤ書22章20節~30節
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・エレミヤ書25章1節~14節
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・エレミヤ書29章21節~32節
・エレミヤ書30章1節~11節
・エレミヤ書30章12節~31章1節
・エレミヤ書31章2節~14節
・エレミヤ書31章15節~30節
・エレミヤ書31章31節~34節
・エレミヤ書31章31節~34節(新しい契約について)
・エレミヤ書31章35節~40節
・エレミヤ書32章1節~15節
・エレミヤ書32章16節~44節
・エレミヤ書33章1節~26節
・エレミヤ書34章1節~22節
・エレミヤ書35章1節~19節
・エレミヤ書36章1節~19節
・エレミヤ書36章20節~32節
・エレミヤ書37章1節~21節
・エレミヤ書38章1節~13節

メッセージ

エレミヤ書38章1節~13節

書記ヨナタンの地下牢から、幸いにも脱出できたエレミヤは、食事も与えられる環境に移されましたが、更なるいのちの危機が、容赦なくエレミヤに襲い掛かってきます。

1節:さて、マタンの子シェファテヤと、パシュフルの子ゲダルヤと、シェレムヤの子ユカルと、マルキヤの子パシュフルは、エレミヤが民全体に次のように語ることばを聞いた。

・4人の首長たち
①マタンの子シェファテヤ・・特に情報なし
②パシュフルの子ゲダルヤ・・20:1か21:1のどちらかのパシュフルの子
③シェレムヤの子ユカル・・37:3で登場→警備隊長イルイヤの兄弟の可能性
④マルキヤの子パシュフル・・21:1で登場
※これらの首長(政府関係者)たちは、王が気遣うほどの権威、権力を掌握。
・この首長たちは、彼らにとって耳障りなエレミヤの預言を聞いていた。

2節:「主はこう言われる。『この都にとどまる者は、剣と飢饉と疫病で死ぬが、カルデア人のところに出て行く者は生きる。そのいのちは戦勝品として彼のものになり、彼は生きる。』

・エレミヤの2者択一の預言。
①都市にとどまり、剣、疫病、飢饉の3大わざわいで死ぬ。
②バビロンに降伏して生き延びる。参考21:9。

3節:主はこう言われる。『この都は、必ず、バビロンの王の軍勢の手に渡される。彼はこれを攻め取る。』」

・もう一つのエレミヤの預言。
・エルサレムは陥落して焼き払われるということ。
※エレミヤはこの預言を何十年も前から続けてきた。
※神がそのようになさる決定事項の伝達役。

4節:そこで、首長たちは王に言った。「どうか、あの男を死刑にしてください。彼はこのように、こんなことばを皆に語り、この都に残っている戦士や民全体の士気をくじいているからです。実にあの男は、この民のために、平安ではなくわざわいを求めているのです。」

・首長たちはエレミヤを王に告発します。
・彼らはエレミヤの死刑を求めた。正式裁判のない、政治的処刑→37章に同じ。
・理由①預言者がエルサレム市民の士気を低下させた。②平安ではなく、わざわいを求める反逆罪である!

5節:するとゼデキヤ王は言った。「見よ、彼はあなたがたの手の中にある。王は、あなたがたに逆らっては何もできない。」

・ゼデキヤ王の応答
・「ゼデキヤ王があなたがたに逆らうことはない」・・F博士は、臆病者と評価。
※王は彼らに権限を委譲し、面倒を避けている。中川先生は優柔不断と評価。
※エレミヤの反逆罪は確定する。

6節:そこで彼らはエレミヤを捕らえ、監視の庭にある王子マルキヤの穴に投げ込んだ。彼らはエレミヤを綱で降ろしたが、穴の中には水がなく、あるのは泥だったので、エレミヤは泥の中に沈んだ。

・エレミヤの刑の執行・・処刑のない抹殺による死刑。
・エレミヤを監視の庭の別の場所にある「王子マルキヤの穴」に 移した。
※書記ヨナタンの地下牢→監視の庭→王子マルキヤの穴へ。
※王子マルキヤが所有する(ヘ)bor 「貯水槽」に投獄された。
・「水がなく」・・包囲戦の影響で水が無く、底が泥状態。
※放置すれば、エレミヤが疲労でへたり込んで頭を泥に埋め死ぬことは必至。

7節:王宮にいたクシュ人の宦官エベデ・メレクは、エレミヤが穴に入れられたことを聞いた。また、そのとき王はベニヤミンの門のところに座っていたので、

・救出者 宦官エベデ・メレク
※クシュ人→エチオピア人の宦官。宦官はイスラエルの集会に不参加(申23:1)
※(ヘ)eved・・「しもべ」の意味。(ヘ)melech・・「王」の意味。
※固有名詞であるが、王宮に仕える奴隷という立場。
・注目すべきは、異邦人であるこの人物がエレミヤを心配しているということ。
・この時、王はベニヤミン門に座っていた。→エレミヤが最初に逮捕された場所。

8節:エベデ・メレクは王宮から出て行き、王に告げた。
9節:「わが主君、王よ。あの人たちが預言者エレミヤにしたことは、みな悪いことばかりです。彼らはあの人を穴に投げ込みました。もう都にパンはありませんので、あの人はそこで飢え死にするでしょう。」

・エベデ・メレクは、王にエレミヤの不当な扱いを告発する。
※地下牢は貯水槽で、食事もなく、体力は衰えて行き、やがて死ぬことになる。
※これは首長たちの意図したこと。

10節:すると王は、クシュ人エベデ・メレクに命じた。「あなたはここから三十人を連れて行き、預言者エレミヤを、まだ死なないうちに、その穴から引き上げなさい。」

・ゼデキヤ王は肯定的な命令を発する。(今度は神を恐れたのか?優柔不断?)
・エベデ・メレクに30人を従わせて、エレミヤの救出を命じた。
※これほどの人数を付けたのは、首長たちの余計な干渉を避けるためと思われる。
※ゼデキヤ王の慌てる様子が伺える。(悪事の片棒は担ぎたくないと思ったか?)

11節:エベデ・メレクは人々を率いて、王宮の宝物倉の下に行き、そこから着古した衣服やぼろ切れを取り、それらを綱で穴の中のエレミヤのところに降ろした。

・実際の救出
※宝物倉の衣裳部屋の衣服をいくつか取り、それらをロープで地下牢に降ろした。

12節:クシュ人エベデ・メレクはエレミヤに、「さあ、古着やぼろ切れをあなたの脇の下の綱に当てなさい」と言ったので、エレミヤがそのとおりにすると、

・エベデ・メレクはエレミヤに指示する。
・「ぼろ切れを脇の下に当てて、その上にロープを巻きなさい」と。
※エレミヤの衰弱は進み、ロープが体に食い込むほどであった。
※首長たちの手荒で残虐な扱いに対して、エベデ・メレクは 配慮が行き届いている

13節:彼らはエレミヤを綱で穴から引き上げた。こうして、エレミヤは監視の庭にとどまった。

・エレミヤは救出され、前の監視の庭の拘束部屋に移された。
※食事も与えられ、二度目の命の危機は、異邦人によって 乗り越えられた。

 

『用いられる器』
・エレミヤを2度目の命の危機から救出した異邦人エベデ・メレク。周囲のほとんどが悪の首長たちの意見に同調する中で、正しさを見失わず、王に進言するその姿勢は、称賛に値します。
・更に彼は、エレミヤの救出にあたってもエレミヤの体を労わっていることが分かります。ロープを巻き付ける際に、ぼろ切れをあてがう様に指示し、無事引き上げに成功しました。
・我々の求める正しさとは、神が期待し、神が喜ぶことを忠実に実践するということではないでしょうか。エベデの心の底には、不正を憎む心とともに、人を労わる愛がしっかりと根付いています。
・私たちは霊的な成長を目指して歩んでいます。それは、益々神に喜ばれる人格の形成です。そうしていつの間にか私たちは、エベデのように、神に用いられる器となって行くのです。ハレルヤ!
「ですから、誰でもこれらのことから離れて自分自身をきよめるなら、その人は尊いことに用いられる器となります。すなわち、聖なるものとされ、主人にとって役に立つもの、あらゆる良い働きに備えられたものとなるのです。」テモテ 第二 2章21節 

エレミヤ書37章1節~21節

神殿破壊される日が間近に迫ったこの時期に、エレミヤは投獄されてしまいます。そんなエレミヤに、未来を知らないゼデキヤ王は神のことばを問うのですが・・

1節:ヨシヤの子ゼデキヤは、エホヤキムの子エコンヤに代わって王となった。バビロンの王ネブカドネツァルが彼をユダの地の王にしたのである。
2節:彼も、その家来たちも、民衆も、預言者エレミヤによって語られた主のことばに聞き従わなかった。

・ゼデキヤ王・・ヨシヤ王の三男。バビロンの傀儡王
※エホヤキム王→エホヤキン王(3か月)→ゼデキヤ王(エホヤキム王の兄弟)
※この時の情勢:エジプト軍がユダ支援のため挙兵し、バビロンは応戦に向かう。このため、エルサレムは一時、包囲が解除されていた。
・王をはじめ、家来、民衆は神に従わず、無視していた。Ⅱ列24:17~19

3節:ゼデキヤ王は、シェレムヤの子ユカルと、マアセヤの子、祭司ゼパニヤを預言者エレミヤのもとに遣わして言った。「どうか、私たちのために、私たちの神、主に祈ってください。」

・ゼデキヤ王は、シェレムヤの子ユカル、マアセヤの子祭司ゼパニヤに命じて、エレミヤに祈りの要請のために派遣した。※ゼパニヤは29:24~32で、偽預言者シェマヤから、エレミヤ投獄の要請を受けたが投獄はしていない。
・突然ゼデキヤ王は悔い改めたような態度を表明。(王の年齢はおよそ32歳)※当時の情勢は、バビロンと緊張状態にあり、苦しい状況からの回避のための行動であった。心からの悔い改めではない。

4節:エレミヤは民のうちに出入りしていて、まだ獄屋に入れられてはいなかった。

・この時点でエレミヤは、まだ投獄されておらず、行動は自由であった。 

5節:また、ちょうど、ファラオの軍勢がエジプトから出て来たので、エルサレムを包囲中のカルデア人は、そのうわさを聞いて、エルサレムから引き揚げたときであった。
6節:そのとき、預言者エレミヤに次のような主のことばがあった。

・エジプトに応戦の為、バビロンはエルサレムの包囲を解いてエジプトに向かった。
※BC588年の夏、エジプトはゼデキヤの要請に応じて北上。
※エジプトのファラオはホフラ→44:30
・そのような状況下で、神はエレミヤに語られた。

7節:「イスラエルの神、主はこう言われる。わたしに尋ねるために、あなたがたをわたしのもとに遣わしたユダの王にこう言え。『見よ。あなたがたを助けに出て来たファラオの軍勢は、彼らの地エジプトへ帰り、
8節:カルデア人が引き返して来て、この都を攻め取り、これを火で焼く。

・神がゼデキヤに語ることば。
・エジプト軍はエルサレムに一時の救済を与えるだけで、エジプトに撤退する。
・バビロンは引き返すと、エルサレムを破壊し、火で焼き払う。

9節:主はこう言われる。あなたがたは、カルデア人は必ず私たちのところから去る、と言って、自らを欺くな。彼らが去ることはないからだ。

・「自らを欺くな」とは、ゼデキヤ王に「偽預言者に騙されるな!」という神の警告。
・偽預言者はバビロンは撤退すると言うが、神はバビロンが戻ってくると示される。

10節:たとえ、あなたがたが、あなたがたを攻めるカルデアの全軍勢を討ち、そのうちに重傷を負った兵士たちだけが残ったとしても、彼らはそれぞれ、その天幕で立ち上がり、この都を火で焼くようになる。』」

・「もしもあなたがたがバビロン軍を打ち砕いたと思っても、再起してこの街を焼く」。
※どんなに優勢だと思えても、バビロンは必ずせめて滅ぼすということの強調表現。
些細なことで、バビロンは攻めて来ないと思ってしまう愚か者たちよ!たとえお前たちがバビロンを叩きのめしたと思っても、彼らはまたやって来て、お前たちを必ず滅ぼす。
なぜなら、お前たちは神の裁きに遭っているからだ!

11節:カルデアの軍勢がファラオの軍勢のゆえにエルサレムから引き揚げたとき、
12節:エレミヤは、エルサレムから出て行き、ベニヤミンの地に行った。民の間で割り当ての地を受け取るためであった。

・バビロン軍はエジプト軍への対応の為、エルサレムの包囲を解除した。
・城外への出入りが可能となり、エレミヤはベニヤミンへ旅することになった。
・目的は、ある土地の自分の持ち分(割り当て地)の取得の為であった。
※32:33の従兄弟の土地買取とは別件。→32章はエレミヤが監視下の身であった。

13節:彼がベニヤミンの門に来たとき、そこにハナンヤの子シェレムヤの子の、イルイヤという名の当直の者がいて、「あなたはカルデア人のところへ落ちのびるのか」と言い、預言者エレミヤを捕らえた。

・エレミヤがエルサレムを出るベニヤミンの門で逮捕される。

・イルイヤ(ハナンヤの子シェレムヤの子)は、警備隊長。
・彼はエレミヤが敵(バビロン)に寝返ったと誤った判断をした。→エレミヤが日頃から、バビロンに降伏するように預言していたから。

14節:エレミヤは、「違う。私はカルデア人のところに落ちのびるのではない」と言ったが、イルイヤは聞かず、エレミヤを捕らえて、首長たちのところに連れて行った。
15節:首長たちはエレミヤに向かって激しく怒り、彼を打ちたたき、こうして書記ヨナタンの家の牢屋に入れた。そこが獄屋になっていたからである。

・エレミヤは無実を主張するも、イルイヤは聞かず、彼を首長たちの所へ連行した。首長たちは激怒し、彼を殴打した。裁判も無く投獄。
※26:16~24、36:11~25の首長たちと、この首長たちは性質が異なる。
・26章、36章の時の首長たちはエレミヤに好意的。
・彼らは、BC597年の第二次捕囚によってバビロンへ行き、ここにはいない。
※入れ替わった首長たちは、預言者を抹殺しようとして行動している。
・「書記ヨナタンの家の牢屋」・・仮の牢獄にエレミヤは収監された。

16節:エレミヤは丸天井の地下牢に入れられ、長い間そこにいた。

・「丸天井の地下牢」・・(へ)beit habor 「貯水槽の家」を意味する。
※家とはいっても、人の住むところではない。この時エレミヤは65~70歳。
・投獄期間・・「長い間」との記載から、何日も・・。

17節:ゼデキヤ王は人を遣わして、彼を召し寄せた。王は自分の家で彼にひそかに尋ねて言った。「主から、おことばはあったか。」エレミヤは「ありました」と言った。そして「あなたはバビロンの王の手に渡されます」と言った。

・この状況下のエレミヤに、ゼデキヤ王は人を遣わして彼を連れ出した。
・「自分の家でひそかに(エレミヤに)尋ねて言った」・・2度目の質問
※「ひそかに」は、首長たちに気遣っている様子を表し、王の弱さを示す行為:エホヤキム王とは対照的。
※エレミヤは投獄されていたのだが、王の質問に預言者として毅然として答える。
・ゼデキヤ王のバビロンによる捕囚は不可避。※彼の運命は決定している。→32:4~5、34:3参照。

18節:エレミヤはゼデキヤ王に言った。「あなたや、あなたの家来たちや、この民に対して、私にどんな罪があったというので、私を獄屋に入れたのですか。

・エレミヤは質問を二つ、王に投げかける。
①獄屋に入れられたのは、王の家来や民に対してどんな罪があったからか?

19節:あなたがたに対して『バビロンの王は、あなたがたとこの地を攻めに来ない』と言って預言していた、あなたがたの預言者たちは、どこにいますか。

②「バビロンは攻めて来ない!」と預言した者たちは今、どこにいるのか?
※すでにバビロンは包囲戦を繰り広げ、彼らの預言は偽であることが明確だった。

偽預言者は律法により処刑のはずが市中を自由に活動し、正しい預言をしたエレミヤが厳しい状況に追いやられているのはどういうわけか?
正当性を主張し、王に助けを求める要請へと繋げるエレミヤ

20節:今、わが主君、王よ、どうか聞いてください。どうか、私の願いを御前に受け入れ、私を書記ヨナタンの家へ帰らせないでください。私がそこで死ぬことがないようにしてください。」

・エレミヤは、この牢獄が自分を殺すためのものと察していた。
・エレミヤは王に、再度書記ヨナタンの家の牢に送らないよう嘆願した。
※明らかに首長たちは、老年のエレミヤが牢で死ぬことを期待していた。

21節:ゼデキヤ王は命じて、エレミヤを監視の庭に入れさせ、都からすべてのパンが絶えるまで、パン屋街から毎日パン一つを彼に与えさせた。こうして、エレミヤは監視の庭にとどまっていた。

・エレミヤの嘆願は王に届き、エレミヤは「監視の庭」に移された。詳細は不明。
・パンが与えられることで、命の心配はなくなった。
※この庭は、厳格な拘束を必要としない囚人用であった。
・ここからエレミヤの「監視の庭」での出来事へと連動して行く。37章でエレミヤは監視の庭に移って、32章、33章、38章という繋がりになる。

『恐れるな!の意味』
・37章でエレミヤは、まさに死の淵に追いやられます。年齢は60代後半。そんな年齢で地下牢に閉じ込められ、すべてが止まり、まさに死の宣告です。彼はどれほど神に祈ったことでしょう。
・しかし、変化が訪れます。神の導きは突然で、ゼデキヤ王が彼を連れ出します。彼は預言者としての使命を全うしつつ、王に正義を示し、結果、彼は命の危機から救われました。
・神は「恐れるな!」と言われます。この意味は、神が共にいることを忘れるな!という教えです。神に信頼せよ!あなたは一人ではない!神に見守られている「神の子」であることを覚えよ、との意味です。
・世は苦しみや困難を投げつけてくる存在ですが、それをしっかり認識しつつ、神と対話し信頼して恐れることなく霊的成長の道を、一歩一歩、皆と歩んで行きましょう。
「これらのことをあなたがたに話したのは、あなたがたがわたしにあって平安を得るためです。世にあっては苦難があります。しかし、勇気を出しなさい。わたしはすでに世に勝ちました。」ヨハネ 16章33節 

 

エレミヤ書36章20節~32節

エレミヤの預言の巻物を確認し、その内容に恐れた首長たちは、王への報告を決めます。その前に、首長たちはエレミヤとバルクに身を隠すよう指示しました。26章の預言者ウリヤの二の舞にならぬ配慮でした。

20節:彼らは巻物を書記エリシャマの部屋に置き、王宮の庭にいる王のところに行って、このすべてのことを報告した。

・首長たち(政府関係者)は、王の所に出向き、預言の巻物について口頭の報告をする。
・巻物は、途中の書記エリシャマの部屋に置いていた。
※巻物、つまり神のことばを大事に扱いたいという配慮。
※エホヤキム王の暴挙を恐れていたかもしれない。

21節:王はユディに、その巻物を取りに行かせたので、彼はそれを書記エリシャマの部屋から取って来た。ユディはそれを、王と王の傍らに立つすべての首長たちに読んで聞かせた。

・王は報告を聞いて、ユディ(14節)に巻物を取りに行かせた。
・ユディはそれを、王をはじめその場の首長たちに読み聞かせた。
※これで、巻物が読まれるのは3度目。
※この場の首長たちの中には、エレミヤに非友好的な者たちがいた。

22節:第九の月であったので、王は冬の家の座に着いていた。彼の前には暖炉の火が燃えていた。

・「第9の月」・・太陽暦では11月~12月。
・「冬の家の座」・・特別な別棟ということではなく、宮殿内の一区画であろう。冬用の一室か。
※エホヤキム王は、暖炉の前に座していた。

23節:ユディが三、四段を読むごとに、王は書記の小刀でそれを裂いては暖炉の火に投げ入れ、ついに、巻物をすべて暖炉の火で焼き尽くした。

・エホヤキム王は、ユディが読む傍で3~4段読むたびに、書記官の持つ小刀で巻物を裂いては、火にくべて、完全に燃やし尽くした。⁂小刀は書記官の必需品。
※この時のエホヤキム王の年齢はおよそ30歳。

24節:これらすべてのことばを聞いた王も、彼のすべての家来たちも、だれ一人恐れおののくことはなく、衣を引き裂くこともしなかった。

・エホヤキム王とその取り巻きの家来たちに、悔い改めはなかった。
※神の気付きの促しに、まったく応答する気配がない。無視、軽視状態。
・「衣を引き裂くこともしなかった」・・彼の父ヨシヤ王は、正反対の態度
※Ⅱ列22:11~20→ヨシヤ王は神の気付きの促しに敏感に応答し、衣を引き裂いた。

25節:エルナタンとデラヤとゲマルヤが、巻物を焼かないようにと王に懇願しても、王は聞き入れなかった。

・エホヤキム王の狂気の沙汰を止めようと、エルナタン、デラヤ、ゲマルヤは懇願した。
※神のことばが書き記された巻物の破棄は、神を完全に侮辱すること。
・エホヤキム王は構わず巻物を焼き捨てた。

26節:王は、王子エラフメエルと、アズリエルの子セラヤと、アブデエルの子シェレムヤに、書記バルクと預言者エレミヤを捕らえるように命じた。しかし、主は二人を隠された。

・エホヤキム王は、エレミヤとバルクの逮捕を命じる。予想通りの悪い展開。
・王子エラフメエル、アズリエルの子セラヤ、アブデエルの子シェレムヤが下命された。
※この3人について詳細は不明。神にもエレミヤにも反抗的存在であることは明確。
※神はエレミヤを守ると宣言(1:19)。エレミヤは神の介入で守られる。当然、バルクも。

27節:王が、あの巻物、バルクがエレミヤの口述で書き記したことばを焼いた後、エレミヤに次のような主のことばがあった。

・この時、エレミヤに神からのことばがあった。
※エホヤキム王は神の預言を無きものとし勝ち誇ったような思いであったと想像する。

28節:「あなたは再びもう一つの巻物を取り、ユダの王エホヤキムが焼いた最初の巻物にあった最初のことばを、残らずそれに書き記せ。

・「再度、巻物を書き記せ」との命令。・・最初の巻物の再現が命じられている。
※ (吉田案)神が預言を再度示したのだろう。
※エホヤキム王が消し去ったと思っていた預言が復活し、彼に成就する。

勝ち誇ったエホヤキム王のおごりは、覆されることになる。
※そのためにも、エレミヤ、バルクは守られなければならない。

29節:ユダの王エホヤキムについてはこう言え。主はこう言われる。あなたはこの巻物を焼いて言った。『あなたはなぜ、バビロンの王は必ず来てこの地を滅ぼし、ここから人も家畜も絶えさせる、と書いたのか』と。

・エホヤキム王に対する神のみことば。
・エホヤキム王は、バビロンが攻めてくることを否定して、この巻物を焼き捨てた。
※神に対する不従順な姿勢の表明。「バビロンは攻めて来ない!」。

30節:それゆえ、主はユダの王エホヤキムについてこう言われる。エホヤキムには、ダビデの王座に就く者がいなくなり、彼の屍は捨てられて、昼は暑さに、夜は寒さにさらされる。

・神に逆らうエホヤキム王に対する2つの宣告。 
①エホヤキム王の子孫が、ダビデの王座に就くことはない。彼の血統から王は出ない。
※部分的な成就→彼の子エホヤキン王は3か月で終わり、その後のエホヤキン王の子孫が王位に就くことはない。→エホヤキンの呪いに繋がって行く。
②エホヤキム王の死後の恥ずかしい扱い。→遺体は埋葬されず、野ざらし。(22:19)

31節:わたしは、彼とその子孫、その家来たちを、彼らの咎のゆえに罰し、彼らとエルサレムの住民とユダの人々に対して、わたしが告げたが彼らが聞かなかった、あのすべてのわざわいをもたらす。」

・神の裁きは王の子孫、家来にまで及ぶ。
・更に、エルサレムとユダの住民に及ぶ。→全員が神のことばに従わなかったことが原因→すべてのわざわい・・バビロン捕囚。

32節:エレミヤは、もう一つの巻物を取り、それをネリヤの子、書記バルクに与えた。彼はエレミヤの口述により、ユダの王エホヤキムが火で焼いたあの書物のことばを残らず書き記した。さらに同じような多くのことばもそれに書き加えた。

・神の命令に従ってエレミヤはバルクと巻物の再製作を行った。
・最初の巻物の内容のほかに、それ以降の預言が書き足される。
※この作業は、エレミヤの働きの終わりまで続き、現在のエレミヤ書の元となる

 

『耳を研ぎ澄ませ!』

・神は、巻物にして多くの人々やエホヤキム王に気付きの促しを与えたが、なんとエホヤキムはそれを焼き捨てた。しかし、神はエレミヤに巻物を再作成させ、神の思いを世に知らし続けられた。
・世の中は、神を無視する人間の方が豊かで幸いに見える。しかし、神は常にこの地上人生の間に、地上の幸いではなく、真の幸いを見分けよと常に言われる。この地上にはない本当の幸いを。
・私たちにとって内住の聖霊は、イスラエルの民のエレミヤではなかろうか。偽の預言者に振り回され、神を見失い、自らが裁き主となるエホヤキム王たちのような、聞く耳のない人間になってはいけない。
・我々も、世の中の様々な偽預言者の如き嘘の中に存在している。この嘘は私たちに高慢、傲慢を勧めてくる。そんな雑音には耳を貸さず、信じるべき声にいつも耳を澄ませて歩みましょう。
「キリスト・イエスにつく者は、自分の肉を、情欲や欲望とともに十字架に付けたのです。私たちは、御霊によって生きているのなら、御霊によって進もうではありませんか。うぬぼれて、互いに挑みあったり、ねたみ合ったりしないようにしましょう。」ガラテヤ 5章24~26節 

 

エレミヤ書36章1節~19節

1節:ユダの王、ヨシヤの子エホヤキムの第四年に、主からエレミヤに次のようなことばがあった。

・エホヤキム王の第4年のこと。
※この記録はBC605年からBC604年にかけての出来事です

2節:「あなたは巻物を取り、わたしがあなたに語った日、すなわちヨシヤの時代から今日まで、わたしがイスラエルとユダとすべての国々について、あなたに語ったことばをみな、それに書き記せ。

神は、これまでの預言を巻物に記録するよう命じた。→巻物(ヘ)megillat sepher。

※一般の巻物(megillah)とは異なる巻物らしい。
・「ヨシヤ王~これまでの預言の記録」→期間は22~23年。エレミヤは47~52歳頃。
・内容→北イスラエルとユダと諸国の預言・・
※北イスラエルが含まれているのは、将来の預言が示されているからであろう。

3節:ユダの家は、わたしが彼らに下そうと思っているすべてのわざわいを聞いて、それぞれ悪の道から立ち返るかもしれない。そうすれば、わたしも、彼らの咎と罪を赦すことができる。」

・巻物の目的・・ユダヤの民に、神の預言を思い出させるため。
※約22年間の預言を、記憶に頼らず思い出すとともに、言い訳の余地をなくすため。
・彼らを邪悪の道から神に回帰させ、罪を赦し、刑の執行を遅らせるため

4節:それでエレミヤは、ネリヤの子バルクを呼んだ。バルクはエレミヤの口述にしたがって、彼に語られた主のことばを、ことごとく巻物に書き記した。

・ネリヤの子バルク・・32章で登場。筆記者、書記官。セラヤの兄弟(エレ51:59)。
・バルクは、エレミヤのことばを忠実に記録した。神のことばを記録したということ。
※預言者によって、書記官がいたり、いなかったり。パウロには筆記者がいた。

5節:エレミヤはバルクに命じた。「私は閉じ込められていて、主の宮に行けない。
6節:だから、あなたが行って、あなたが私の口述によって巻物に書き記した主のことばを、断食の日に主の宮で民の耳に読み聞かせよ。また、町々から来るユダ全体の耳にもそれを読み聞かせよ。

・エレミヤは自らこの巻物を皆の前で読み上げたいのだが・・
・「閉じ込められている」とあるが、神殿入場が禁止されていた。
※入場禁止の原因は、エレミヤが行う神殿での厳しい説教(7章、19:15~20:6)。
・そこで、エレミヤはバルクに読み上げの代行を命じる。
・「断食の日」と指定。エホヤキム王の第5の年。書き上げてから、約1年ほど後。
・エルサレムの民のみならず、ユダの民全体に知らせよ。断食の日には大勢が集結する

7節:そうすれば、主の前で彼らの嘆願が受け入れられ、それぞれ悪の道から立ち返るかもしれない。主がこの民に語られた怒りと憤りは大きいからだ。」
8節:そこでネリヤの子バルクは、すべて預言者エレミヤが命じたとおりに、主の宮で主のことばの書物を読んだ。

・エレミヤの期待→民の悔い改めと嘆願が、神に受け入れられること。
※民に対する悔い改めの機会であり、神の気付きの促しである。
・エレミヤがバルクに巻物の読み上げを託してから約1年後、バルクは実行。

9節:ユダの王、ヨシヤの子エホヤキムの第五年、第九の月、エルサレムのすべての民と、ユダの町々からエルサレムに来ているすべての民に、主の前での断食が布告された。

・エホヤキム王の第5年(BC604年)の断食の日。エルサレムとユダの人々に布告された。
※断食の目的:①BC605年の小規模捕囚を思い嘆くため。②BC604年にバビロンがペリシテと戦う状況にあって、次の戦いはユダへとの懸念があった。
※しかし、ここで重要なのは、全ユダが集結する日にこの預言集が読み上げられたことである。

10節:そのときバルクは、主の宮で民全体に聞こえるように、その書物からエレミヤのことばを読んだ。そこは、主の宮の、新しい門の入り口付近の上庭にあった、書記シャファンの子ゲマルヤの部屋であった。

・シャファンは、ヨシヤ王の忠実な祭司(Ⅱ列22:3) ・・

シャファンの子どもたちは、
①アヒカム→(孫)ゲダルヤ(39:14)
②エルアサ(29:3)
③ゲマルヤ→(孫)ミカヤ
シャファンと子と孫は、すべてエレミヤの友であり保護者だった。
・場所はゲマルヤの部屋→部屋の位置(上庭)が全体(中庭)を見下ろす位置。新しい門(エレ26:10)の入り口にあり。新しい門の詳細は不明。  

11節:シャファンの子ゲマルヤの子ミカヤは、その書物にあるすべての主のことばを聞き、
12節:王宮にある書記の部屋に下ったが、見よ、そこには、すべての首長たちが座っていた。すなわち書記エリシャマ、シェマヤの子デラヤ、アクボルの子エルナタン、シャファンの子ゲマルヤ、ハナンヤの子ゼデキヤ、およびすべての首長たちである。
13節:ミカヤは、バルクがあの書物を民に読んで聞かせたときに聞いた、すべてのことばを彼らに告げた。

・「ミカヤ」・・ゲマルヤの子。
・彼が、王宮の書記官室で会議中の政府関係者に、巻物の内容を伝えに行く。
※その中に、エレミヤに友好的な人物がいた。 
◎エリシャマ(書記官)・・イシュマエルの祖父。Ⅱ列25:25
◎アクボル(Ⅱ列22:12)の子エルナタン→エルナタンは預言者ウリヤの死を目撃。それを教訓としてエレミヤ保護へ。
・神とエレミヤに忠実な首長たちが集まっていた。
※「ハナンヤ」はエレ28章の預言者ハナンヤとは別人。ゼデキヤは当時の首長の一人。
・ミカヤは巻物の内容を全て彼らに告げた。

14節:すべての首長たちは、クシの子シェレムヤの子ネタンヤの子ユディをバルクのもとに遣わして言った。「あなたが民に読んで聞かせたあの巻物、あれを手に持って来なさい。」そこで、ネリヤの子バルクは、巻物を手に持って彼らのところに入って来た。
15節:彼らはバルクに言った。「さあ、座って、私たちにそれを読んで聞かせてくれ。」そこで、バルクは彼らに読んで聞かせた。

・彼らは、ミカヤの内容を確認すべく、ユディを遣わしてバルクを呼び寄せた。
・バルクはその巻物を所持して、首長たちの前に現れ、そして読んで聞かせた。

16節:そのすべてのことばを聞いたとき、彼らはみな互いに恐れおののき、バルクに言った。「私たちは、これらのことばをすべて、必ず王に告げなければならない。」

・明確な言葉が巻物から現れる。首長たちはその内容に恐れを覚えた。
・彼らはこの預言の重要性を認識し、王に伝えるべきと判断した。

17節:彼らはバルクに尋ねて言った。「さあ、あなたがこれらのことばをすべて、どのようにして書き留めたのか、私たちに教えてくれ。エレミヤが口述したことばを。」
18節:バルクは彼らに言った。「エレミヤがこれらのことばをすべて私に口述し、私は墨でこの書物に記しました。」

・彼らは、この巻物の預言がどのように作成されたかをバルクに再確認した。
・彼らは間違いなくエレミヤの預言、つまり神のことばと確信した。(バルクは忠実にエレミヤのことばを筆記した)

※書かれたことばの霊感が認められたということ。→Ⅱテモテ3:16

19節:すると首長たちはバルクに言った。「行って、あなたもエレミヤも身を隠しなさい。あなたがたがどこにいるか、だれにも知られないようにしなさい。」

・首長たちは、エレミヤとバルクに身を隠すよう警告する。 
※エレ26:20~23で、預言者ウリヤが死んでいる。

首長たちはこの件から学習した。

①首長たちは、ウリヤをエジプトから連れ戻しはしたが、処刑することは承認していなかった。
②エホヤキム王の性質から、エレミヤとバルクの命を心配したことは当然である。

 

『真理を歩む知恵者』
・今我々は、聖書を自由に手に取れる状況にある。そこには神の預言が全て記されている。しかし、人は、36章の首長たちのような恐れ(畏敬)を持つどころか、聖書に接することすらないのではないか?
・世の中は、真理を知ろうとせず、富や地位の獲得に邁進している。「真理」とは本当の正しさであり、真理は創造主なる「神」であり、真理に則った生き方とは、神に従う生き方である。
・時代が変わってどんなに便利になっても、本当の正しさを知るには、神の導きに応答する心が必要である。真理は決して自分の力で生み出したりするようなものではない。
・我々信仰者は、真理を知る者ではなく真理を歩む実践者である。自らを被造物と理解し、創造の神が備えてくださる永遠のいのちを素直に受け取り、聖霊に従って力強く歩むのである。
「兄弟たちがやって来ては、あなたが真理に歩んでいることを証してくれるので、私は大いに喜んでいます。実際、あなたは真理のうちに歩んでいます。私にとって、自分の子どもたちが真理のうちに歩んでいることを聞くこと以上の大きな喜びはありません。」ヨハネ 第3 3~4節 

 

エレミヤ書35章1節~19節

エホヤキム王時代という以外、時系列が明確ではありませんが、異邦人であるレカブ人に関する逸話を通して、ユダとエルサレムへの教訓が示されます。

1節:ユダの王、ヨシヤの子エホヤキムの時代に、主からエレミヤに次のようなことばがあった。

・エホヤキム王時代に、神がエレミヤに象徴的行動を命じます。

2節:「レカブ人の家に行って彼らに語り、主の宮の一室に連れて来て、彼らに酒を飲ませよ。」

・神はエレミヤに、「レカブ人に語り、神殿の一室に招き、ワインを飲ませよ」、と命じた。

 

レカブ人について(アブラハムの血統だが、アブラハム契約外の異邦人)


3節:そこで私は、ハバツィンヤの子エレミヤの子であるヤアザンヤと、その兄弟とすべての息子たち、レカブ人の全家を率いて、

・同行者・・ハバツィンヤの子エレミヤの子ヤアザンヤと兄弟息子たち。
・レカブ人は一族全体が招かれている。

4節:主の宮にある、イグダルヤの子、神の人ハナンの子らの部屋に連れて来た。それは首長たちの部屋の隣にあり、入り口を守る者、シャルムの子マアセヤの部屋の上であった。

・2人の祭司 

①イグダルヤの子ハナン(‟神の人“)の子らの部屋。※”神の人”→預言者への名誉の称号→(本物かどうかは別に、預言者は存在した)
②シャルムの子マアセヤ(祭司ゼパニヤの父:エレ21:1など)の部屋。神殿の門番→神殿の維持管理、費用等

5節:私は、レカブ人の家の子らの前に、ぶどう酒を満たした壺と杯を出して、「酒を飲みなさい」と言った。

・エレミヤは神の命令に応じてレカブ人たちにワインを飲めと促した。

6節:すると彼らは言った。「私たちはぶどう酒を飲みません。というのは、私たちの先祖レカブの子ヨナダブが私たちに命じて、『あなたがたも、あなたがたの子らも、永久にぶどう酒を飲んではならない。
7節:あなたがたは家を建てたり、種を蒔いたり、ぶどう畑を作ったり、また所有したりしてはならない。あなたがたが寄留している地の面に末長く生きるために、一生、天幕に住め』と言ったからです。

・ヨナダブの禁令により、ぶどう酒の飲酒を断るレカブ人たち。
※エレミヤは、「神の命令により・・」とは言っていない。ただ、「酒を飲め」だけ。
※先祖ヨナダブ・・Ⅱ列10:15~24
◎彼は偶像礼拝を嫌い、そこに至る誘因となる5つを、子孫に禁止した。
①禁酒(ぶどう酒)。
◎都市生活が人を堕落させ、偶像礼拝に繋がる。→「ヨナダブの誓約」
②定住住居の所持禁止。→天幕生活、③農業の禁止、④ブドウ畑の所有禁止、⑤遊牧生活をする。これらはすべて、遊牧民としてのライフスタイルの形成目的
・レカブ人はイスラエルの民とならず自らの生活文化を維持。少なくとも、エフ―王(北の10代目の王)の時代から、ユダヤの民と共存していたとみられる。

8節:私たちは、私たちの先祖レカブの子ヨナダブが私たちに命じたすべての命令に聞き従ってきました。私たちも、妻も、息子、娘たちも、一生ぶどう酒を飲まず、
9節:住む家も建てず、ぶどう畑も、畑も、種も持たず、
10節:天幕に住んできました。私たちは、すべて先祖ヨナダブが私たちに命じたとおりに、従い行ってきました。
11節:しかし、バビロンの王ネブカドネツァルがこの地に攻め上ったとき、私たちは『さあ、カルデアの軍勢とアラムの軍勢を避けてエルサレムに行こう』と言って、エルサレムに住んだのです。」

・ヨナダブの禁令に、レカブ人全員がエフ―王時代(BC841~BC814)から、およそ250年間忠実に従ってきた、と告白する。
・バビロンの攻勢が始まり、その侵略を避けて、今は一時的にエルサレムに居住の状態となっている。
※エレミヤに言わせれば、このような状態になったのは、イスラエルの神への不忠実、不信仰が原因である。

12節:すると、エレミヤに次のような主のことばがあった。
13節:「イスラエルの神、万軍の主はこう言う。行って、ユダの人とエルサレムの住民に言え。『あなたがたは訓戒を受け入れて、わたしのことばに聞き従おうとしないのか──主のことば──。

・これまでの象徴的行動の意味が、神から示される。
・なぜ、レカブ人のように、ユダとエルサレムは神に従わないのか、という教訓。
※ここで神が、レカブ人の生活様式をほめてはいない。→モーセの律法とは対照的。
※神がほめたのは、この異邦人が父祖の誓約に忠実に従っている点。
※禁酒を勧めているのではなく、言いつけに従う姿勢を勧めているということ!

14節:レカブの子ヨナダブが、酒を飲むなと子らに命じた命令は守られた。彼らは先祖の命令に聞き従ったので、今日まで飲んでいない。ところが、わたしがあなたがたにたびたび語っても、あなたがたはわたしに聞き従わなかった。
15節:わたしはあなたがたに、わたしのしもべであるすべての預言者たちを早くからたびたび遣わして、さあ、それぞれ悪の道から立ち返り、行いを改めよ、ほかの神々を慕ってそれに仕えてはならない、わたしがあなたがたと先祖たちに与えた土地に住め、と言った。それなのに、あなたがたは耳を傾けず、わたしに聞かなかった。

・神は何度も預言者を遣わしたが、レカブ人のようには聞き従わなかった。
・ユダの神への3つの拒否  
①邪悪な道からの回避の拒否。
②行動様式の改善の拒否。
③偶像礼拝からの脱却の拒否。

16節:実に、レカブの子ヨナダブの子らは、先祖が命じた命令を守ってきたが、この民はわたしに聞かなかった。

・レカブ人とイスラエルの民との対比。イスラエルの民の罪深さが露呈。
※やる気になればできると言いうことではないか!

17節:それゆえ──イスラエルの神、万軍の神、主はこう言われる──見よ。わたしはユダと、エルサレムの全住民に、わたしが彼らについて語ったすべてのわざわいを下す。わたしが彼らに語ったのに、彼らは聞かず、わたしが彼らに呼びかけたのに、彼らは答えなかったからだ。』」

・言うまでもなく、ユダとエルサレムの住民への裁きはこれまでの預言通り。
※剣と飢饉と疫病・・バビロン捕囚。

神は禁欲を勧めているのではなく、神の声を見失った民への警告であることに注目!

18節:エレミヤはレカブ人の家の者に言った。「イスラエルの神、万軍の主はこう言われる。『あなたがたは、先祖ヨナダブの命令に聞き従い、そのすべての命令を守り、すべて彼があなたがたに命じたとおりに行った。

・父祖ヨナダブの命令に忠実であるレカブ人を、神はほめられた。
※服従心に対する神の称賛。
※期待に応えるとはこういうこと。

19節:それゆえ──イスラエルの神、万軍の主はこう言われる──レカブの子ヨナダブには、わたしの前に立つ人がいつまでも絶えることはない。』」

・レカブの子孫の祝福。「わたしの前に立つ人が絶えることはない」の二つの意味。
①レカブ人の子孫の中に神に選ばれた者(信者)が、いつの時代も存在する。
②イザヤ66:21・・メシア的王国では、異邦人からも祭司が出るとされ、その中にレカブ人がいるのではないかと考えられている。ラビの伝承によれば、これは無条件契約。
※ミシュナによれば、レカブ人はバビロン捕囚後、神殿に木材を提供したとの記録あり。

 

『霊の耳』

・レカブ人は自ら偶像に至らぬための禁令を設定し、それを守っていた。こうした動機は、神を信じる信仰心がもたらしたものと想像する。それは、彼らの父祖がアブラハムという信仰の父だから。

・旧約でも新約でも、救いの条件は同じ。ただし新約では、聖霊が与えられ、その証印が押されているのだから、そのステッカー(証印)にふさわしい歩みを目指す者であることを忘れてはならない。
・今までは、自分の心のままに生きていた。しかし、救われた者は聖霊の声に応答して歩まねばならない。これは、今までの歩み方とは全く違うということをよく理解しておく必要がある。
・聖霊に聞き従う耳を持っていなかった私たちは、その声をしっかりと聴きとる耳を開くことが大事。これまで意識していなかった霊の耳をどんどん開いて、聖霊に耳を傾ける者を目指そうではないか。
また、別の種は良い地に落ち、生長して百倍の実を結んだ。」イエスはこれらのことを話しながら、大声で言われた。「聞く耳のある者は聞きなさい。」ルカの福音書 8:8  


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