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・エズラ記8章1節~23節
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・エズラ記9章1節~15節
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・エステル記1章13節~22節
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・エステル記4章5節~17節
・エステル記5章1節~14節
・エステル記6章1節~14節
・エステル記7章1節~8章2節
・エステル記8章3節~17節
・エステル記9章1節~19節

メッセージ

エステル記9章20節~10章3節

20節:モルデカイはこれらのことを書いて、クセルクセス王のすべての州の、近い所や遠い所にいる、すべてのユダヤ人に書簡を送った。
21節:それは、ユダヤ人が毎年アダルの月の十四日と十五日を、
22節:自分たちの敵からの安息を得た日、悲しみが喜びに、喪が祝いの日に変わった月として、祝宴と喜びの日、互いにごちそうを贈り交わし、貧しい人々に贈り物をする日と定めるためであった。
23節:ユダヤ人は、すでに守り始めていたことであるが、モルデカイが彼らに書き送ったことを受け入れた。

・モルデカイは、全州のユダヤ人たち全員に書簡を通して通達した。 
毎年アダルの月の14日と15日を⇒・安息を得た日に・悲しみが喜びに・喪が祝いに、変わった月として⇒祝宴と喜びの日とし⇒ごちそうを交わし、貧しい人々に贈り物をする日と定めた。
・すでにユダヤ人たちはそのようにし始めていた。
・ユダヤ人たちはその指示を受け入れた。

24節:実に、アガグ人ハメダタの子で、ユダヤ人すべてを迫害する者ハマンは、ユダヤ人を滅ぼそうと企んで、プル、すなわちくじによって決め、彼らをかき乱して滅ぼそうとしたが、
25節:そのことが王の耳に入ったときに、王は書簡で命じ、ハマンがユダヤ人に対して企んだ悪い計略をハマンの頭上に返し、彼とその子らを柱にかけたのであった。

・22~23節に至った経緯
・ハマンはプル(くじ)によって、ユダヤ人殲滅計画の実行日を決め、殲滅を図った。
・これは、悪い計略であり、王はそれを知り、ハマンの悪い計略をハマンに返した。
・結果、ハマンと子達は柱にかけられることとなった。
王の行動を評価している。書簡を出すためか。

26節:こういうわけで、ユダヤ人はプルの名にちなんで、これらの日をプリムと呼んだ。

・プルにちなんで、これらの日(14~15日)をプリムと呼んだ。プリムの祭りの由来。

現在のプリムの祭りは、仮装して祝う祭り(エステルになったり・・)。

プリムの祭りの日は、酔いつぶれるまで酒を飲んでもOK(当時がどうだったかは?)

ハマンタッシェンクッキー(けしの実とジャムのクッキー)を食べる。ハマンの耳の形が三角形だったと言われている。 オズネイ・ハマン(ハマンの耳の意)

 

こうして、この書簡のすべてのことばにより、また、このことについて彼らが見たこと、また彼らに起こったことにより、
27節:ユダヤ人は、自分たちとその子孫、および自分たちにつく者たちが、その文書のとおりに毎年定まった時期にこの両日を守り行い、これを廃止してはならないと定めた。
28節:また、この両日は代々にわたり、すべての家族、諸州、町々において記念され、祝われなければならないとし、これらのプリムの日がユダヤ人の間で廃止されることがなく、この記憶が自分たちの子孫の中で途絶えてしまわないようにした。

・通達された内容


29節:アビハイルの娘である王妃エステルと、ユダヤ人モルデカイは、プリムについてのこの第二の書簡を全権をもって書き記し、確かなものとした。
30節:この書簡は、平和と誠実のことばをもって、クセルクセスの王国の百二十七州にいるすべてのユダヤ人に送られ、
31節:ユダヤ人モルデカイと王妃エステルがユダヤ人に命じたとおり、また、ユダヤ人が自分たちとその子孫のために、断食と哀悼に関して定めたとおり、このプリムの両日を定まった時期に守るようにした。
32節:エステルの命令はこのプリムに関する事柄を義務づけ、書物に記された。

・エステル妃とモルデカイの2回目の書簡(プリムの日と制定した書簡)。

・王の功績(24~25節)が示されているところが、現実味を帯びて聞こえる。
・この書簡は127州の全ユダヤ人に送られた。
エステル、モルデカイの書簡による命令の通り、ユダヤ人が自分と子孫のために、断食と哀悼に関して定めた通り⇒プリムの日を守るようにした。今日も続いている。
神の民としてのアイデンティティを呼び起こし、後世に伝えるために!
・エステルの命令は義務として書物に記された。

捕囚下にある民にとって、殲滅から解放されたこの事件は、出エジプトの奇蹟を思わせる神の働きであり、故にこの日を記憶することを決めたと考える。

10章
1節:クセルクセス王は本土と海の島々に苦役を課した。
2節:彼の権威と勇気によるすべての功績、王に重んじられたモルデカイの偉大さについての詳細、それは『メディアとペルシアの王の歴代誌』に確かに記されている。
3節:実に、ユダヤ人モルデカイはクセルクセス王の次の位にあって、ユダヤ人にとっては大いなる者であり、多くの同胞たちに敬愛された。彼は自分の民の幸福を求め、自分の全民族に平和を語る者であった。

・クセルクセス王の業績が示される。新共同:税を課した。
・そうした政治活動に大きく貢献したのがモルデカイではなかったかと想像する。
・クセルクセス王とNo.2のモルデカイの功績の詳細の記載⇒『メディアとペルシアの王の歴代誌』
・モルデカイのNo.2としての活躍は同胞に敬愛された。次に続く人への影響大!
・モルデカイは自分の民の幸福と全ユダヤ民族に平和を語った。
新共同:・・彼はその民の幸福を追い求め、そのすべての子孫に平和を約束した。
最後はモルデカイで終わっているエステル記。真の主役は彼であろう。
彼は民族の生存を最優先に活動し、民族の子孫の平和を求めた人物。
神に喜ばれる行動を最優先とし、神に信頼する真の信仰者であった。

 

信仰の在り方

捕囚地に暮らすユダヤ人にとって、神殿に生贄が捧げられない状況であり、神との繋がりが図れない環境下にあります。

ユダヤ人によっては、益々異邦人化する者もいれば、なお、心に神を置き、神に信頼する、真の信仰者もいた。その一人がモルデカイです。
世に迎合することなく、神に信頼し、神の御心を良く学び、神に喜ばれる歩みをしたからこそ、神に用いられたと想像します。

 

私たちは、恵みの時代にあって、イエス様を信じる信仰を認められて救われました。
かつて私たちは、永遠の死へと向かう人生を一所懸命歩んでいました。それが、救われたということは、このエステル記の逆転の大勝利を得たのと同じ恵みです。
世に迎合することなく、すでに約束された勝利を確信して感謝して、モルデカイのように神が喜ばれる歩みを続け、神に用いられる器として歩みましょう。

 

「善を行うことと、分かち合うことを忘れてはいけません。そのようないけにえを、神は喜ばれるのです。」 へブル13:16


エステル記9章1節~19節

1節:第十二の月、すなわちアダルの月の十三日、この日に王の命令と法令が実施された。ユダヤ人の敵がユダヤ人を征服しようと望んでいたまさにその日に、逆に、ユダヤ人のほうが自分たちを憎む者たちを征服することとなった。
2節:ユダヤ人たちは、自分たちに害を加えようとする者たちを手にかけようと、クセルクセス王のすべての州にある自分たちの町々で集まったが、だれもユダヤ人に抵抗する者はいなかった。彼らへの恐れが、すべての民族に下ったからである。

・アダルの月の13日は、両法令の実施日。(ユダヤ人殲滅&殲滅者への応戦)
・蓋を開ければ、ユダヤ人が征服する結果となった。
・旗振り(ハマン)のいない戦いは、後ろ盾のない戦い。むしろリスキー。
・アダルの月になるまでには、モルデカイの存在感は相当なものとなっていただろう。
この日のために、モルデカイは様々な手段で、ユダヤ人の勝利を画策していたと思われる。
・ユダヤ人に対する恐れは、全国に轟いていた。

3節:諸州の首長、太守、総督、王の役人もみなユダヤ人たちを支援した。モルデカイへの恐れが彼らに下ったからである。
4節:実際、モルデカイは王宮で勢力があり、その名声はすべての州に広がっていた。実に、この人物モルデカイは、ますます勢力を伸ばしたのであった。
5節:ユダヤ人たちは彼らの敵をみな剣で打ち殺し、虐殺して滅ぼし、自分たちを憎む者を思いのままに処分した。

・モルデカイはNo.2の地位にあり、諸州の首長、太守、総督、役人などを味方にした。
・彼の人格や王、王妃の存在が影響したと思われ、その勢力は拡大!
・結果、ユダヤ人は、彼らの敵を自分たちの思いのままに処分した。(殺害、虐殺)

6節:ユダヤ人はスサの城でも五百人を殺して滅ぼし、
7節:また、パルシャンダタ、ダルフォン、アスパタ、
8節:ポラタ、アダルヤ、アリダタ、
9節:パルマシュタ、アリサイ、アリダイ、ワイザタを、
10節:すなわち、ハメダタの子でユダヤ人を迫害する者ハマンの子、十人を虐殺した。しかし、略奪品には手を出さなかった。

・スサ城では、500人を殺し、ハマンの子10人は虐殺。

しかし、略奪品には手を出さなかった。家財を奪って良いとの法令だが、ユダヤ人には富を得るという目的はなかった。

11節:その日、スサの城で殺された者の数が王に報告されると、
12節:王は王妃エステルに言った。「ユダヤ人はスサの城で、五百人とハマンの息子十人を殺して滅ぼした。王のほかの諸州では、彼らはどうしたであろう。ところで、あなたは何を願っているのか。それを授けてやろう。あなたのさらなる望みは何か。それをかなえてやろう。」
13節:エステルは答えた。「もしも王様がよろしければ、明日も、スサにいるユダヤ人に、今日の法令どおりにすることをお許しください。そして、ハマンの息子十人を柱にかけてください。」
14節:そこで王は、そのように実施するように命じた。法令がスサで布告され、ハマンの息子十人は柱にかけられた。
15節:スサにいるユダヤ人はアダルの月の十四日にも集まって、スサで三百人を殺した。しかし、略奪品には手を出さなかった。

・13日のスサ城での死者の報告に対して、王はエステルに望みを尋ねる。
・スサの城での死者は500人とハマンの子10人という結果だが、まだ何か望みはあるか?
・エステルは、スサの都だけに、更に1日の延期とハマンの息子たちを柱にかけることを望む。
死体を柱にかけることで、ユダヤ人に対する迫害の結果はこうなるという見せしめとした。
・エステルの望みは叶い、ユダヤ人は14日に、スサで300人を殺害。家財等は略奪しなかった。
ハマンの息のかかった残党か、反ユダヤ主義民族の存在があったと想像する。
略奪はしなかったユダヤの民。事前の申し合わせがあったと思うが、こうした姿勢が益々ユダヤの民の評価をあげることになる。当然、エステル、モルデカイも!

16節:王の諸州にいる残りのユダヤ人たちも団結して、自分たちのいのちを守り、敵からの安息を得た。すなわち、自分たちを憎む者七万五千人を殺した。しかし、略奪品には手を出さなかった。
17節:これはアダルの月の十三日のことであり、その十四日に彼らは休んで、その日を祝宴と喜びの日とした。

・諸州のユダヤ人たちは、13日の1日で、敵7万5千人を殺害した。
・最終的に自らの命を守り、安息を得た。
・ここでも、家財の略奪はしなかった。
・ユダヤ人たちは、翌日の14日に休息し、その日を祝宴と喜びの日とした。

18節:しかし、スサにいるユダヤ人たちは、その月の十三日にも十四日にも集まり、十五日には休んで、その日を祝宴と喜びの日とした。

・スサでは、13、14日と争い、15日に休息し、祝い喜びの日としていた。

19節:それで、城壁のない村に住む田舎のユダヤ人は、アダルの月の十四日を喜びと祝宴の祝日とし、互いにごちそうを贈り交わす日としている。

・城壁のない地方(田舎)に離散するユダヤ人
・アダルの14日に祝宴の祝日とした。
・ごちそうや贈り物を送り交わす日とした。
絶望から勝利へと大転換したこの喜びは、ユダヤ人にとってこの上ない喜びとなった。
神という言葉も祈りも書かれていないが、明らかに神の働きが隅々に現れてユダヤの民は勝利した。
アブラハム契約は常に有効である。神は約束を確実に守られるお方である。
私たちにも、最後の大勝利が約束されていることを覚えよう!

真の勝利とは

ハマンの計略によるユダヤ人殲滅に加え、家財まで奪って良いという法令は、ひと財産稼ごう!と考えて、ユダヤ人殲滅を受け入れる者も想定していたと思われる。
ハマンの計略は、人の物欲に刺激を与え、人々を誘導しているようにも見える。
神の働きか、自分たちで決めたのかは不明だが、ユダヤ人は、争いにおいて敵の家財を奪って良いという法令だったのに、実際には、手を付けなかった。

 

ハマンの計略のように、世は人が持つ様々な欲望や恐れに誘いをかけて罪に導き、神の領域から私たちを引きはなそうと働く。
たとえ財を得ても、ましてや人の不幸で財を得ても、そうして地位を得ても、一時的な満足であって、神が示す永遠の真の勝利には結びつかない。
私たちが与えられている勝利は、財や富、地位によって得られるものではない。
絶大なる神に信頼する『真の信仰』によって得られる安らぎの大勝利である。

 

イエスは、周囲を見回して、弟子たちに言われた。「富を持つ者が神の国に入るのは、なんと難しいことでしょう。」 マルコ10:23


 

エステル記8章3節~17節

3節:エステルは再び王に告げて、その足もとにひれ伏し、アガグ人ハマンがユダヤ人に対して企んだ、わざわいとその計略を取り除いていただきたいと、泣きながら嘆願した。
4節:王がエステルに金の笏を差し伸ばしたので、エステルは身を起こし、王の前に立って、

・ハマンのユダヤ人殲滅法令を取り消してほしいと泣きながら嘆願するエステル。
王は、エステルの涙の嘆願を無碍に扱うことはできない
・王は金の笏を伸ばし、エステルの望みを聞く姿勢を示した。エステルは語り始める。

5節:言った。「もしも王様がよろしければ、また私が王様のご好意を受けることができ、このことを王様がもっともだとお思いになり、私のことがお気に召すなら、アガグ人ハメダタの子ハマンが、王のすべての州にいるユダヤ人を滅ぼしてしまえと書いた、あのたくらみの書簡を取り消すように、詔書を出してください。

・ハマンのユダヤ人殲滅計略を取り消すように詔書を出してほしい!
・新共同訳:ハマンの考えだした文書の取り消しを書かせていただきとうございます。

ハマン単独の仕業と認め、今度は私たちのために取り消しの法令を出してほしいという要請。

6節:どうして私は、自分の民族に降りかかるわざわいを見て我慢していられるでしょう。また、どうして、私の同族が滅びるのを見て我慢していられるでしょう。」

・エステルは言う。自分の民族の苦しみ、滅びを私は我慢できません、と。
エステルの心のやさしさは、すでに王も感じている。


7節:クセルクセス王は、王妃エステルとユダヤ人モルデカイに言った。「見よ。ハマンの家を私はエステルに与え、彼は柱にかけられた。ハマンがユダヤ人たちに手を下そうとしたからである。
8節:あなたがたは、ユダヤ人についてあなたがたのよいと思うように王の名で書き、王の指輪でそれに印を押しなさい。王の名で書かれ、王の指輪で印が押された文書は、だれも取り消すことができない。」

・ハマンは既に処刑し、その財産はエステルに与えた。
・法令の取り消しはできない。自分たちの良いと思う法令を考えて出すがよい。

一旦出した法令を取り消すことは、王にも許されていない。

その法令を打ち消す法令を考えて発布せよ!

法令の不可侵性(当時の慣習)⇒簡単に変更できないがゆえに、慎重に決定されなければならないし、一度決まれば、その訂正、取り消しには新たな検討が必要になる。

9節:そのとき、王の書記官たちが召集された。それは第三の月、すなわちシワンの月の二十三日であった。そして、すべてモルデカイが命じたとおりに、ユダヤ人と、太守、総督たち、およびインドからクシュまで百二十七州の首長たちに、詔書が書き送られた。各州にその文字で、各民族にはその言語で、ユダヤ人にはその文字と言語で書き送られた。
10節:モルデカイはクセルクセス王の名で書き、王の指輪でそれに印を押し、その書簡を、御用馬の早馬に乗る急使に託して送った。

・すぐに書記官らが招集された。時は第12年の第3のシワンの月の23日。
ハマンがくじを投げたのが第1のニサンの月(太陽暦:3~4月)で、殲滅の実行日は第12のアダルの月(太陽暦:2~3月)13日。
そして、そのためのユダヤ人殲滅法令立案が同年第1のニサンの月の13日。
もし、くじが第2、第3の月を示したら、展開は変わった。⇒神の摂理!
・モルデカイが法令を立案。その内容がユダヤ人をはじめ他のすべてに配られた。
・モルデカイは王の名でその法令を書き、王の指輪で押印した。
・太守、総督から127州全部の首長へ、翻訳されて送られた。
・その書簡は急使で各地に配られた。

11節:その中で王は、どの町にいるユダヤ人たちにも、自分のいのちを守るために集まって、自分たちを襲う民や州の軍隊を、子どもも女たちも含めて残らず根絶やしにし、虐殺し、滅ぼし、彼らの家財をかすめ奪うことを許した。
12節:このことは、クセルクセス王のすべての州において、第十二の月、すなわちアダルの月の十三日に、一日のうちに行うようにということであった。
13節:各州に法令として発布される、この文書の写しが、すべての民族に公示された。それは、ユダヤ人が自分たちの敵に復讐するこの日に備えるためであった。

書簡の内容
・どの町のユダヤ人も自分の命を守るために集合し、
 自分たちを襲う民、軍隊を襲い、女、子供も含め殲滅する。
 家財も奪ってよい。⇒同害報復法
・実施可能時期は、第12のアダルの月の13日の1日間で行うこと。
・ハマンの法令が出たときは、他の民族がその準備をした。
・今回の法令では、ユダヤの民が命を守るために、その準備を始めた。

法的に互いが戦うという策。他の民族はユダヤ人を攻め、ユダヤ人は攻めてくる敵を迎え撃つということ。他民族の側には、真の敵でない限り、後ろめたさがあると想像する。⇒その回避策は?

14節:御用馬の早馬に乗った急使は、王の命令によってせき立てられて、急いで出て行った。この法令はスサの城で発布された。

・急使(御用馬の早馬)は更に王に急き立てられて各地へ!
・この法令はスサの城で発布された。


15節:モルデカイは青色と白色の王服を着て、大きな金の冠をかぶり、白亜麻布と紫色のマントをまとって、王の前から出て来た。すると、スサの都は喜びの声にあふれた。

・さて、スサではモルデカイの昇進の披露目があった。
・王服、金の冠、紫色のマント。希少色ゆえに特権階級を示す。
・モルデカイとハマンの逆転が明確化。
・スサの都が喜びの声にあふれた。
ゆえなく、民族を殲滅するという法令には、嫌悪を持つ人が多いということ→ハマンの権威に対する反感。モルデカイへの好感度アップ。

16節:ユダヤ人にとって、それは光と喜び、歓喜と栄誉であった。
17節:王の命令と法令が届いたところは、どの州、どの町でも、ユダヤ人は喜び楽しみ、祝宴を張って、祝日とした。この地の諸民族の中で大勢の者が、自分はユダヤ人であると宣言した。それはユダヤ人への恐れが彼らに下ったからである。

・モルデカイが人々に受け入れられた。
・ユダヤ人殲滅の危機からの解放。

これまで差別的な目で見られていたであろう時に、すべてから解放された!
モルデカイの大逆転は、ユダヤの人々に及んだ
神の働きがあったと思うのは、ユダヤ人なら当然!⇒祈りと断食の効果!
・法令が各地に届いたその日、ユダヤ人は喜び、祝日とした。光、喜び、歓喜、栄誉
・諸民族の中の、争いを嫌う大勢の者たちが、ユダヤ人であると宣言した。

ユダヤ人迫害を企むハマンの死。
ユダヤ人のモルデカイがNo.2就任。
王妃エステルはユダヤ人。
⇒ユダヤ人を敵に回すと大変なことになる!人々は神の働きと認識した。
*結局、ユダヤ人の真の敵、神に反抗する民が残り、ユダヤの民と戦うことになる

絶望に打ち勝つ神の民

ハマンの法令により殲滅されることを覚悟し、様々な方法で逃げようと考えたことでしょう。当然ながら、神の民として孤立しながらも祈ったことは間違いありません。
彼らは捕囚地の民であり、いけにえが捧げられておらず、異邦人とも交わり、祈りが聞き届けられるかという不安はぬぐえたでしょうか?

しかし、神はイスラエルの民を愛し、様々な手を打ち、民を導かれていた。
捕囚の地にいても、民の祈りは神に届いた。


捕囚地にあって、ハマンの法令で、ユダヤ民族が区別されてしまった。
この時期に神は民に、民族の自覚を思い起こさせたのではないか。
私たちも信仰をもって異邦人の中に生きる民であり、この世の価値観に目や耳を奪われてしまうこともあるが、決して神の子であることを忘れてはいけない。
私たちにとって神の民を自覚するということは、神の約束の未来を明確に持ち、神の命令を守り続けること。世の中が私たちをどう攻めようと私たちに絶望はない!

 

『約束してくださった方は真実な方ですから、私たちは動揺しないで、しっかりと希望を告白し続けようではありませんか。』へブル10:23

エステル記7章1節~8章2節

1節:王とハマンは王妃エステルの宴会にやって来た。
2節:この酒宴の二日目にも、王はエステルに尋ねた。「あなたは何を願っているのか。王妃エステル。それを授けてやろう。何を望んでいるのか。王国の半分でも、それをかなえてやろう。」

・王とハマンが招かれ、エステルの2度目の宴会が始まる。
・酒宴も酣(たけなわ)、王はもう一度エステルに望みを尋ねる。
・王国の半分でも与えようというほど、彼女を愛していたことが分かる。

3節:王妃エステルは答えた。「王様。もしも私があなた様のご好意を受けることができ、また王様がよろしければ、私の願いを聞き入れて、私にいのちを与え、私の望みを聞き入れて、私の民族にもいのちを与えてください。
4節:私も私の民族も、売られて、根絶やしにされ、虐殺され、滅ぼされようとしています。私たちが男女の奴隷として売られるだけなら、私は黙っていたことでしょうが、そうはいきません。その迫害する者は、王のお受けになる損失を償うことはできないのですから。」

エステルは答える。

・私の願いとは、私の命と私の民族の命を救ってほしいということです。
・私の民族は、奴隷売買なら我慢もしますが、殲滅されようとしているのです。
「売られて」→大量の銀が王に支払われるということではないか。そうなると、王もユダヤ人殲滅に加担することとなる。
王の損失→奴隷で残すのと殲滅するのでは、生産性が違う。妃の死は、王の損失となり、世継ぎの問題にもかかわる。

5節:クセルクセス王は王妃エステルに言った。「そんなことをしようと心に企んでいる者は、いったいだれか。どこにいるのか。」
6節:エステルは言った。「迫害する者、敵とは、この悪人ハマンです。」ハマンは王と王妃の前で震え上がった。

・エステルは、その首謀者がハマンであることを王に告げた。
・心に企むだけでも許せぬほどの怒りの王。
エーッ!エステルがユダヤ人だったー!?震えあがるハマン!

7節:王は憤って酒宴の席を立ち、宮殿の園に出て行った。ハマンは王妃エステルにいのち乞いをしようとしてとどまった。王が彼にわざわいを下す決心をしたことが分かったからである。

・王は怒って席を立ち宮殿の園へ。心を落ち着けるためか、ハマンに対する処罰の検討のためか。(王の習慣・・法令や裁判に詳しい者たち7名の意見を聞く習慣。1:13~15)
王は自分の確認の甘さによる問題も感じていたかも知れない、・・この時点では、少しはお目こぼしもあったかも・・
・一方のハマンは、王の怒りが決定的と察知し、エステルに命乞いしようとした。

8節:王が宮殿の園から酒宴の広間に戻って来ると、エステルのいた長椅子の上にハマンがひれ伏していたので、王は言った。「私の前で、この家の中で王妃までも辱めようとするのか。」このことばが王の口から出るやいなや、ハマンの顔は青ざめた。

・当時の食事は、横になる姿勢でとるものであった。
・その長椅子の上に、ハマンは、エステルに命乞いのためにひれ伏していた。
・その姿が、王にはエステルを乱暴し辱めるように映った。王は大激怒する。
もう、何の恩寵も受ける余地はない。すべて裏目に出るハマン。さすがに万事休した。

「ハマンの顔は青ざめた。」が、新共同で「顔に覆いをかぶせた」となっており、英語訳でも「顔がおおわれた」となっている。第3版は「顔はおおわれた」である。⇒ギリシア、ローマでは処刑の際、殺される人物のしるしとして顔に覆いをかぶせた。ペルシアでも同じ慣習と考えられる。極刑が確定という意味!

9節:そのとき、王の前にいた宦官の一人ハルボナが言った。「ちょうど、王に良い知らせを告げたモルデカイのためにハマンが用意した、高さ五十キュビトの柱がハマンの家に立っています。」すると王は命じた。「彼をそれにかけよ。」
10節:こうしてハマンは、モルデカイのために準備しておいた柱にかけられた。それで王の憤りは収まった。

・宦官ハルボナの提案⇒あの暗殺防止したモルデカイ処刑のために、ハマンが用意した23mの柱が、ハマンの家にあります。
・王はすかさず命じた。「ハマンをその柱にかけよ!」。
・彼の処刑が終わって、王の憤りは収まった。エステルに対する愛情が明確。
ハマンは、モルデカイを掛けるために立てた柱に、自分がかけられる羽目になってしまった。妻や友人たちの言葉は、見事に成就した!妻や友人たちは、ユダヤ人を敵に回すことは危険という噂を広めることになるのでは。


8章
1節:その日、クセルクセス王は王妃エステルに、ユダヤ人を迫害する者ハマンの家を与えた。モルデカイは王の前に来た。エステルが自分と彼との関係を明かしたからである。

・ハマンが処刑されたその日、王はハマンの家をエステルに与えた。
・ハマン一家の滅亡を意味する。
・エステルは、モルデカイを王の前に連れてきた。自分との関係を説明。
モルデカイの暗殺の報告を仲介したのはエステル。エステルの親代わりであることも王に告げた。

2節:王はハマンから取り返した自分の指輪を外して、それをモルデカイに与え、エステルはモルデカイにハマンの家の管理を任せた。

・モルデカイは王から指輪を受ける。この指輪はハマンに与えたものだった。
・エステルからは、ハマンの家がモルデカイに与えられたも同然。育ての親への恩義、感謝。
ハマンの特権がモルデカイに与えられた。
ハマンの権威、地位がモルデカイに移ったことを意味する。

 

神に信頼し続ける信仰

モルデカイは、信仰により、神の教えに従って神以外には膝をかがめなかった。たとえ周囲の人がどうあろうと。

そうしたモルデカイを見て苛立ち、ユダヤ人と聞いて、先祖の恨みも含め、その民すべてを殲滅しようとする思いに縛られてしまったハマン。
ハマンはあっという間に人生を失い、モルデカイは、あっという間に王から登用されることとなる。

 

真に正しいものが神であることを知り、信頼して、従って歩むなら、決して無益な争いは発生しようがない。しかし、世の中は違う。
真の信仰者とは、そういう世の中の悲劇に向かう仕組みをよく知って、常に神の領域にいることを心掛け、むしろ世の光とならねばならない。
モルデカイは神に信頼し切った人物。その結果、彼は重用された。世界はこれからどんどん変わって行くが、どんな時も神を見失わず、共に歩んで行きましょう!

『穴を掘る者は、自分がその穴に陥り、石を転がす者は、自分の上にそれを転がす。』箴言26:27

エステル記6章1節~14節

1節:その夜、王は眠れなかったので、記録の書、年代記を持って来るように命じた。そしてそれは王の前で読まれた。
2節:その中に、入り口を守っていた王の二人の宦官ビグタナとテレシュが、クセルクセス王を殺そうとしていることをモルデカイが報告した、と書かれているのを見つけた。

・寝付けない王→神の働きであろう。
・記録の書、年代記(新共同:宮廷日誌)の確認をすべく侍従に読ませた。
・宦官ビグタナとテレシュの王暗殺計画を未然に防いだモルデカイの記事(2章21~23節)
を見つけた。


3節:そこで王は尋ねた。「このことで、栄誉とか昇進とか、何かモルデカイに与えたか。」王に仕える侍従たちは答えた。「彼には何もしていません。」

・その時、モルデカイに褒美は出したか?→ 本来なら相当のご褒美となる内容
・モルデカイは、褒美に執着のある人物ではない。

さすがに王は、褒美を出さねばと気にしつつ、就寝した。

4節:王は言った。「庭にだれがいるのか。」ちょうどハマンが、モルデカイのために準備した柱に彼をかけることを王に上奏しようと、王宮の外庭に入って来たところであった。
5節:王に仕える侍従たちは王に言った。「庭のあそこにハマンがいます。」王は言った。「ここに通せ。」

・翌朝、ハマンがモルデカイ処刑の上奏のため、王宮の外庭に入ってきていた。
ハマンの特権:新共同訳によれば、王宮へは自由に出入りが許されていたようである。
・誰がいるのか?→あそこにハマンがいます。→ここへ通せ!
丁度、王がモルデカイの褒美について思案していたところであった。

6節:ハマンが入って来ると、王は彼に言った。「王が栄誉を与えたいと思う者には、どうしたらよかろう。」ハマンは心のうちで思った。「王が栄誉を与えたいと思う者とは、私以外にだれがいるだろう。」

・王のいきなりの質問:「王が栄誉を与えたいと思う者がいる。どんな方法が良いか?」
ハマンはそれが自分のことと、勘違いした!王が栄誉を与えたい人物は私ハマンだけ!
モルデカイ処刑の上奏が一転、王からのご褒美と勘違いし、確認を忘れたハマン。

⇒高慢の罠にはまるハマン!

7節:そこでハマンは王に言った。「王が栄誉を与えたいと思われる人のためには、
8節:王が着ておられた王服を持って来て、また、王の乗られた馬を、その頭に王冠をつけて引いて来るようにしてください。
9節:その王服と馬を、貴族である王の首長の一人の手に渡し、王が栄誉を与えたいと思われる人に王服を着せ、その人を馬に乗せて都の広場に導き、その前で『王が栄誉を与えたいと思われる人はこのとおりである』と、ふれまわらせてください。」

・ハマンは、自分が賞賛されることを思い描いて、褒美のとらせ方を進言する。
・王の服、王の馬、その馬は王冠を載せていること。
・明らかなる王の褒美。まるで王と一体となったことを示す内容。
・その王服と馬を渡す者は、貴族であり首長の一人とする。(自分がNo.1!)
・その者が、褒められるべきその人に衣服を着せ、馬に乗せて都を練り歩き、『王から栄誉を受ける者は、このようなことがなされる!』と触れ回らせてはどうですか!
王の心中を察することができないのは、首長のトップとして、とても残念なことである。⇒自己中の結果
「その光栄な人物とは誰ですか?」の一言があれば、話の展開は大きく変化した。
この機会に、自分の権威を益々確固たるものとしようと考えたのは、必然と思われる。

10節:すると、王はハマンに言った。「あなたが言ったとおりに、すぐ王服と馬を取って来て、王の門のところに座っているユダヤ人モルデカイにそのようにしなさい。あなたの言ったことを一つも怠ってはならない。」

・それは良い考えだ!ならばそれさっそく実施だ。
・ハマン、お前が王服と馬をすべて揃えよ。
・そして、王の門のところにいるユダヤ人モルデカイにそのようにせよ!万事怠りなく!
王は、ユダヤ人!と明確に伝えている。
王は、ハマンに全権を移譲していた為、彼のユダヤ人殲滅計画の詳細を把握していなかった。それは、ハマンの策略でもあった。(ユダヤ人は神以外に膝をかがめない民族として有名。)
ハマンのユダヤ人殲滅計画は、秘密裏に歴史から、ユダヤ人の存在を消そうとするものだった。ヒトラーのユダヤ人大量大虐殺を想起させる

11節:ハマンは王服と馬を取って来て、モルデカイに着せ、彼を馬に乗せて都の広場に導き、その前で「王が栄誉を与えたいと思われる人はこのとおりである」と叫んだ。
12節:それからモルデカイは王の門に戻ったが、ハマンは嘆き悲しんで頭をおおい、急いで家に帰った。

・ハマンは王の指示通りに、褒美の授与を実施。
・「王の栄誉を得た者は、このようなことがなされる!」と触れて回った。
殺そうと思ったモルデカイを馬に乗せ、その馬を引いて回ることはとてつもなく腹立たしいこと。
想定では、自分が馬に乗り、褒め称えられるはずであった!⇒この屈辱は耐えがたし!
・モルデカイは日常へ。ハマンは悲痛な面持ちで家に直行!
中川先生は、この二人の行動を対比させて解説されている。
モルデカイは、決して有頂天にならず、この世の評価に左右されないが、ハマンはその逆であり、この世の価値観を意識していたがために、失意のどん底に落ちてゆく。
神に信頼し、神を恐れる姿勢、クリスチャンとしてのあるべき姿をいつも心に描いておくことが重要である。

13節:ハマンは自分の身に起こったことの一部始終を、妻ゼレシュと彼のすべての友人たちに話した。すると、知恵のある者たちと妻ゼレシュは彼に言った。「あなたはモルデカイに敗れかけていますが、このモルデカイがユダヤ民族の一人であるなら、あなたはもう彼に勝つことはできません。必ずやあなたは敗れるでしょう。」
14節:彼らがまだハマンと話しているうちに、王の宦官たちがやって来て、ハマンを急がせて、エステルの設けた宴会に連れて行った。

・帰宅するや否や、妻や昨日から滞在している友人たちに、一部始終を話す。
・そのうちの知恵ある者と妻の意見。(歴史を知る者という意味ととる→吉田案)
・「モルデカイは、今、あなたの次に位置する者となった。
・しかし、彼がユダヤ人であるゆえにあなたはもう、彼に勝つことはできない。」
アマレク人がユダヤ人に打たれていることを知る者の言葉と思われる。
よって、知恵ある者(歴史を知る者)と言ったのだろう。(吉田案)
もう諦めよ!という意味か、または早くモルデカイを殺せ!の意味か。⇒新共同の解説は後者
・ハマンたちがそんな話をしているときに、王の宦官たちが来る。
・エステルの宴会出席を急き立て、連れて行った。何の手も打てないうちに!


下心なき隣人愛(謙遜の効果)

自己評価が最高潮に達していたハマンは、王の質問に対し、自分が最も良いと思われる褒美を考え、下心満載で王に進言した。(箴言29:20 軽率に話をする人を見たか。彼よりも愚かな者のほうが、まだ望みがある。)

こうした自己評価が、王の質問を自分勝手に解釈し、その結果、自分が最大の屈辱を受けることになる。
この世にはこうした落とし穴が、いくつも隠れていて、いつ足を取られるかわからない状態である。

 

謙遜は、自分に得があるような行動とは感じられない。しかし、謙遜は知らぬところでその人の信頼性を増し、それこそが大きな力になる。
クリスチャンは神の教えに従順に従うことで、周囲に対して謙遜な態度が実践され、その結果、目に見えない信頼の力が蓄えられる。
下心のような動機で謙遜に振舞うのではなく、神の御心に従う純粋な気持ちで隣人を愛し、その結果として謙遜が培われる人生を歩もう!

『何を見張るよりも、あなたの心を見守れ。いのちの泉はこれから湧く。』箴言4:23

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