エレミヤ書18章13節~23節

13節:それゆえ、主はこう言われる。「さあ、国々の中で尋ねてみよ。だれか、こんなことを聞いたことがあるだろうか。おとめイスラエルは、実におぞましいことを行った。

・「さあ、国々の中で尋ねてみよ。・・」→「国々」は異邦人諸国を指す。
※偶像ではあれ、異邦人でも己の神を拝み続けるもので、他の神と入れ替えることなどない。
・異邦人もあきれるイスラエルのおぞましき神への背信を周囲にさらしている。
※イスラエルの立地は周囲の注目を受ける交通の要衝。
※神の国としての良い見本であるはずが、心変わりして偶像を拝むおぞましい見本となっている。
・「おとめイスラエル」の表現は、モーセ契約締結(BC1445年頃)後、早い段階でこのような状態になっていたことを示す。

12節で示された「自分の計画に従って・・」という民の行動が示されている

14節:レバノンの雪は、野の岩から消え去るだろうか。ほかの国から流れて来る冷たい水は、涸れることがあるだろうか。

・「レバノンの雪」・・ヘルモン山を指す。年間を通じて雪に覆われる。海抜2800m。
※年中、水が豊富。レバノン山脈の南端にある山。
・「他の国からの冷たい水」・・地下水で、枯れることがないもの。
※自然を見ると秩序は保たれている。自然な流れになっている。
※しかしイスラエルの民は独自のやり方で、不自然な道を歩んでいる。


15節:それなのに、わたしの民はわたしを忘れ、空しいものに犠牲を供える。それらは、わたしの民をその道、いにしえの道でつまずかせ、小道に、まだ整えられていない道に行かせ、
16節:彼らの地を恐怖のもととし、永久に嘲りの的とする。そこを通り過ぎる者はみな、呆気にとられて頭を振る。

・異邦人もしない不自然な行為。→不自然な道(偶像)に信頼する行為。
・偶像は彼らを小道へと導き、永久に恥を見させる。神の怒りを買う。
・「頭を振る」・・救いようがないと呆れる様子。
・周辺の民は、そのおぞましさに、救いようがない!と思う。

17節:東風のように、わたしは彼らを敵の前で散らす。彼らの災難の日に、わたしは彼らに背を向け、顔を向けない。」

・「東風」・・5~10月の間に、ヨルダン砂漠、アラビア砂漠から吹く激しい熱風。
※数時間で15~20℃上昇する。神の厳しい裁きを象徴するもの。
・この場合は、大規模なバビロン捕囚、神殿破壊を指す。13章24節でも語られた。13章は、BC600年、4年後のことである
・「・・彼らに背を向け、顔を向けない」・・神の助けは、一切ない事を示す。

18節:彼らは言った。「さあ、私たちは策をめぐらしてエレミヤを倒そう。祭司から律法が、知恵のある者から助言が、預言者からことばが滅び失せることはないはずだから。さあ、舌で彼を打ち、彼のすべてのことばに耳を傾けることがないようにしよう。」

・「彼ら」・・偽預言者たち、偽祭司たちを指す。
・エレミヤへの陰謀が明らかになる。彼らは、陰謀に3つの望みを託す。
①偽祭司たち・・自分たちの律法が守られること。
※当時は、自分たちの思いで律法を変更することが習慣化
②偽知恵者たち・・禁止されている法律を許可すること。
※「法律の再解釈」と言って、自己中の虚言を吐いていた。
③偽預言者たち・・耳障りの良い、肯定的な偽預言を語ること。
※詐欺的行為に他ならない。
・エレミヤを中傷し、彼のことばを聞かずに済むようにしようとする!殺害を意図!

19節:「主よ、私に耳を傾け、私と争う者の声を聞いてください。
20節:善に悪をもって報いてよいでしょうか。まことに彼らは、私のいのちを取ろうとして穴を掘りました。私が御前に立って、彼らへのあなたの憤りをやめていただくために、彼らについて良いことを語ったことを、思い起こしてください。

・私の声と彼らの声を聞いて、正しく裁いてください。勿論、エレミヤが正しい!
エレミヤは、偽預言者たちのために、神の怒りが鎮まるよう祈った
・「善に悪で報いることがあって良いのでしょうか?」
偽預言者たちは、そんなエレミヤに罠を仕掛け、殺害を計画した。
・殺害計画が明確になった。
※12章でエレミヤの殺害に関することばがあったが、それはBC598年、6年後のことである。

21節:それゆえ、彼らの子らを飢饉に渡し、彼らを剣で殺してください。妻たちは子を失い、また、やもめになり、夫たちは虐殺されて死に、若い男たちは戦いで剣に殺されますように。

・エレミヤは、彼らに対する神の正しい裁きを嘆願する。
・エレミヤの殺害計画は、神への反抗姿勢。

22節:突然、あなたが略奪隊に彼らを襲わせるとき、彼らの家から悲鳴が聞こえます。彼らは私を捕らえようとして穴を掘り、私の足もとに罠を設けたからです。

・略奪隊の急襲で、彼らは悲鳴を上げる結果となる。
・その原因は、エレミヤの殺害計画、すなわち神への反抗心である。

23節:主よ、あなたはみなご存じです。私を殺そうとする彼らのはかりごとを。どうか彼らの咎を赦さず、彼らの罪を御前からぬぐい去らないでください。彼らを御前で打ち倒し、御怒りの時に、彼らに報いてください。」

・エレミヤは神が全てをご存知であることを認識している。
※特に、心という目に見えない部分を神はよくご存知である。
※エレミヤは人々のために働いていた。(公正・・隣人愛)
・神の御怒りは、彼らに報いとなって現れる。

イスラエルは裁かれることになるが、特に悪いのは上層指導部の人々。彼らの舵取りで、
国は良くも悪くもなる。神に背を向けた指導者たちに、神の御心にかなう舵取りはできない。

 

『歴史の展開者』
・エレミヤは、神の裁きが目前である事を察し、切羽詰まる思いで預言を伝え、指導していたでしょう。しかし、肝心の上層部には届かず、一般人の耳も上層部に傾き、暖簾に手押し状態。
・現状の日本、また世界は、どう見ても良い方向には進んでおらず、その原因の一つが、神の教えに反するリーダーたちのミスリードと言えます。常に世界はこの問題を抱えています。
・まるで世は、自分たちが世界を展開しているかのような振る舞い。その歴史の終末には、バビロン捕囚をはるかに上回る、イエス様による大患難時代という厳しい裁きが計画されています。
・世がどんなに私たちを翻弄しても、真の歴史の展開者をしっかりと見上げましょう。混沌とした世であるからこそ、聖であり義であり、何処までも愛に溢れたイエス様の存在を示して行きましょう。
第七の御使いがラッパを吹いた。すると大きな声が天に起こって、こう言った。『この世の王国は、私たちの主と、そのキリストのものとなった。主は世々限りなく支配される。』 黙示録11章15節

2025年06月12日