エズラ記1章1節~6節
著者エズラについて
名前の意味は、『助け』。
彼は非常に忠実な、神の働き人である。
大祭司アロンの血筋で、大祭司ヒルキヤの子孫である(7:1~5)
ヒルキヤは、ヨシヤ王の時代、神殿にてモーセの律法を発見した人物。宗教改革に貢献。
仕事は、祭司であり、学者(律法の教師)。彼は第二回帰還時の有力指導者。
エズラ記の著者であり、歴代誌の著者とも言われる。(ユダヤの伝承)その働きは大きい。
・歴代誌Ⅱの後半のクロス王の件と、エズラ記の書き出しの件がほぼ同一。
彼の任務:神殿再建中の民は、ハガイ、ゼカリヤという預言者に励まされ、神殿が再建され民も立ち上がるも、その信仰は急速に堕落。エズラは彼らに律法を教え、異教徒との交わりを厳しく禁じ、民の信仰心を導いた。
エズラ記について
執筆年代は、BC440年頃。
6章と7章の間には、56~7年のインターバルがあるとされる。
・1章~6章→帰還から神殿完成まで
・7章~10章→帰還民へのエズラの働きについて
エズラ記とネヘミヤ記について
一時、この二書が、一つの書とされていた。その時の書名は『エズラ』であった(1448年までのヘブル語聖書)。その後、ふたつに分離され現在の形となった。それぞれに著者が明記されているなどの理由から、元は別々であったと考えられる。
1節:ペルシアの王キュロスの第一年に、エレミヤによって告げられた主のことばが成就するために、主はペルシアの王キュロスの霊を奮い立たせた。王は王国中に通達を出し、また文書にもした。
キュロス王の第1年→BC538年
エレミヤによって告げられた主のことば→エレ25:11、29:10の預言(バビロン捕囚から70年後の帰還)
神が主導されてキュロス王を動かし、神の預言が成就する。
キュロス王については、ハガイ書の事前情報(ハガイ書1章1節)を参照してください!
2節:「ペルシアの王キュロスは言う。『天の神、主は、地のすべての王国を私にお与えくださった。この方が、ユダにあるエルサレムに、ご自分のために宮を建てるよう私を任命された。
神がキュロス王を通してエルサレムの神殿建設を指示された。
3節:あなたがた、だれでも主の民に属する者には、その神がともにいてくださるように。その者はユダにあるエルサレムに上り、イスラエルの神、主の宮を建てるようにせよ。この方はエルサレムにおられる神である。
エルサレムにて、主と共に、イスラエルの民は主の神殿を建てるように!
4節:あとに残る者たちはみな、その者を支援するようにせよ。その者がどこに寄留しているにしても、その場所から、その土地の人々が、エルサレムにある神の宮のために進んで献げるものに加え、銀、金、財貨、家畜をもってその者を支援せよ。』」
後に残る者→帰還に参加しない民、また、近隣諸国に在住の民。
残る者には、支援の命令が発せられていた。
神殿再建の支援と、神殿再建に携わる人々への支援が命じられた。
5節:そこで、ユダとベニヤミンの一族のかしらたち、祭司たち、レビ人たちは立ち上がった。エルサレムにある主の宮を建てるために上って行くように、神が彼ら全員の霊を奮い立たせたのである。
6節:彼らの周りの人々はみな、銀の器、金、財貨、家畜、選りすぐりの品々、そのほか進んで献げるあらゆる物をもって彼らを力づけた。
その命令を受けて、ユダとベニヤミンの一族のかしら、祭司、レビ人が立ち上がった。
彼らが神によって奮い立ち、神殿再建に臨む人を集めた。
残る人々も、自主的に金、銀、財貨などをささげて、大いにサポートした。
自主的な支援は、幕屋の建設の時の状況に似る