エズラ記5章1節~6章7節
1節:さて、預言者ハガイとイドの子ゼカリヤという二人の預言者は、ユダとエルサレムにいるユダヤ人に対して、自分たちの上におられるイスラエルの神の御名によって預言した。
2節:そこでシェアルティエルの子ゼルバベルと、エホツァダクの子ヨシュアは立ち上がり、エルサレムにある神の宮を建て始めた。神の預言者たちが一緒にいて、彼らを助けた。
ハガイ、ゼカリヤによる預言・・・これは神の励ましのことば
神の民としてのアイデンティティと、目的意識の回復
再建中断の原因は二つある。
①エズラ記では、外部の敵の妨害を指している。
②ハガイ書では、民が世に流される、自己中心的思考を指摘。
神が望まれていたのは⇒神以外のものを恐れず、神に信頼して、神の民のすばらしさを全人類に示すこと。神が備えている未来に目を向け、この世に目を奪われないこと!
この時の民の堕落の状態は酷く、まさに悪魔の勝利に傾くような状態だった!
神は憐れみを持って、預言者を派遣された!
3節:そのような時期に、ユーフラテス川西方の総督タテナイと、シェタル・ボゼナイと、その同僚たちが彼らのところにやって来て、こう言った。「この宮を建て、この城壁を修復せよとの命令をだれがあなたがたに下したのか。」
4節:そしてまた、「この建物を建てている者たちの名は何というのか」と尋ねた。
妨害に来た敵。新たに始まった神殿再建の様子を見て、妨害する考え。
ユーフラテス川西方の総督タテナイ、シェタル・ボゼナイ、他(ペルシャの膝元)
(ペルシア帝国内のシリヤ・パレスチナ地区の行政官、総督)
神殿建設や城壁修復は、そもそも誰の命令で、首謀者は誰か!
こうして、妨害しようとするが、この時はいつもと勝手が違った⇒神が介入していた!
5節:しかし、ユダヤ人の長老たちの上には彼らの神の目が注がれていたので、このことがダレイオスに報告されて、さらにこのことについての返事の手紙が来るまで、彼らの工事を中止させることができなかった。
神がユダヤの長老たちを守っておられた。
ダレイオス王に現状が報告され、その指示を待たなければ動けない状態。
神がそのように、敵の考えを導かれたのであろう。
6節:ユーフラテス川西方の総督タテナイと、シェタル・ボゼナイと、その同僚のユーフラテス川西方にいる知事たちが、ダレイオス王に送った書状の写しは次のとおりである。
7節:彼らが王に送った報告には次のように書かれていた。「ダレイオス王に全き平安がありますように。
総督タテナイほかが、ダレイオス王に送った書状の内容が示される。
8節:王にお知らせいたします。私たちはユダ州に行き、あの大いなる神の宮に行ってみましたが、それは大きな石で建てられていて、壁には木材が組まれていました。その工事は彼らの手で着々と進められ、順調に行われています。
9節:そこで、私たちはその長老たちに尋ねて、彼らに次のように言いました。『この宮を建て、この城壁を修復せよとの命令をだれがあなたがたに下したのか。』
10節:私たちはまた、あなたにお知らせするために彼らにその名を尋ねました。それは、彼らの先頭に立っている者の名を書き記すためでした。
ユダ州を回り、神殿再建現場に行くと、着々と進行中であった。
その長老に、「神殿建設は誰の命令か?また首謀者は誰か?」と尋ねた。
現場の首謀者の名を報告したかったので尋ねた。
11節:すると、彼らは次のように私たちに返事をしました。『私たちこそは天と地の神のしもべであり、ずっと昔から建っていた宮を建て直しているのです。それはイスラエルの大王が建てて、完成させたものです。
12節:しかし、私たちの先祖が天の神を怒らせたので、神は彼らを、カルデア人であるバビロンの王ネブカドネツァルの手に渡されました。彼はこの宮を破壊し、民を捕らえてバビロンに移したのです。
13節:しかし、バビロンの王キュロスの第一年に、キュロス王はこの神の宮を建て直すよう命令を下しました。
神のしもべなる民(アイデンティティ)であり、かつて大王が立てた神殿を再建中。
先祖が神に怒りを受け、バビロンのネブカドネツァル王に捕囚され、神殿は破壊された。
ペルシャのキュロス王がその第一年に、私たちの神の神殿再建を命じた。
14節:キュロス王はまた、ネブカドネツァルがエルサレムの神殿から持ち出して、バビロンの神殿に運んで行った神の宮の金や銀の器を、バビロンの神殿から取り出し、自分が総督に任命したシェシュバツァルという名の者にそれを渡しました。
15節:そして、シェシュバツァルに、これらの器を携えて行ってエルサレムの神殿に納め、神の宮を元の場所に建て直せと言いました。
キュロス王の手厚いバックアップを語るイスラエルの民。
ネブカドネツァル王が持ち出した神殿の金銀の器をユダヤ人総督シェシュバツァルに返し、携えさせ神殿再建を命じた。
16節:そこで、このシェシュバツァルは来て、エルサレムの神の宮の礎を据えました。その時から今に至るまで建築が続いていますが、まだ完成していません。』
キュロス王の発令がBC538年。現在がダレイオス王の第2年・・BC520年。
18年の月日が流れ、この命令を知る者がペルシアの中枢にいなかった。
礎は据えられたが、神殿の建設は現在進行中である。
ハガイやゼカリヤの働きにより、神殿建設が始まっていた。
民の心は、堂々として変わっていた。
17節:ですから、王様、もしもよろしければ、エルサレムにある神の宮を建てるために、キュロス王からの命令が下ったのが事実かどうか、あのバビロンにある王室書庫をお調べください。そして、このことについての王のご判断を私たちにお伝えください。」
総督タテナイほかは、ダレイオス王にエルサレム神殿の再建命令が、キュロス王から下ったかどうか、過去の文献(王室書庫・・巻物)の調査を依頼。
さらに、その結果に基づいて、今後どうすべきかを命じてほしい。
闇雲に、エルサレムを攻めるという事をせず、王に調査を依頼できる見識のあるリーダーであると見る。それは神が配置された人物であると考える。
6章
1節:それでダレイオス王は命令を下し、重要文書を納めてあるバビロンの文書保管所を調べさせたところ、
2節:メディア州の城の中のエクバタナで一つの巻物が見つかった。その中に次のように書かれていた。「記録。
ダレイオス王は調査指示。初めにバビロンの文書保管所を調べたがなかった。しかし、メディア州の高地エクバタナ(キュロス王の避暑地)の城内に保管されていた巻物が見つかった。(エクバタナ⇒現:イランの町、ハマダンを指す)
3節:キュロス王の第一年にキュロス王は命令を下した。エルサレムにある神の宮、いけにえが献げられる宮を建て、その礎を定めよ。宮の高さは六十キュビト、その幅も六十キュビト。
4節:大きな石の層は三段。木材の層は一段とする。その費用は王家から支払われる。
5節:また、ネブカドネツァルがエルサレムの神殿から持ち出して、バビロンに運んで来た神の宮の金や銀の器は返し、エルサレムの神殿に運んで元の場所に戻す。こうして、それらを神の宮に納める。」
キュロス王の命令において、規模の指定は一体何を示すのか?
宮の高さ、幅ともに60キュビト(約30m)
石段は3段、木材の層は1段。費用は全て王家から支払われる。
ネブカドネツァル王が持ち出した神殿の金銀の器は、すべて神の宮に戻す。
6節:王は次のように命じた。「それゆえ、今、ユーフラテス川西方の総督タテナイと、シェタル・ボゼナイと、その同僚たちでユーフラテス川西方の地にいる知事たちよ。そこから遠ざかれ。
7節:この神の宮の工事をそのままやらせておけ。ユダヤ人の総督とユダヤ人の長老たちに、この神の宮を元の場所に建てさせよ。
これを知ったダレイオス王は、総督タテナイとその同僚の知事たちに、妨害することを止めさせ、神殿建設を継続させた。
3章7節において、資材調達のための許可が与えられていたが、費用まで王家の負担により神殿再建は指示されていたという事実!
神殿の土台までは造られたが、民の心は自分たちの生活安定に向いていた。
ここに、ハガイ、ゼカリヤの預言によって民は神が導く道を歩み始めた。
人生の目的が何であるかを思い出し、神の民として生きる意味を見出した!
神は、民を励ますと共に、神殿建設が進むように、様々なところで働かれる。
民が神の神殿再建に集中できるように、神が守って下さっているという事実!
神の働きは、神に信頼する生き方を選ばない限り、気付くことができない。
主が導いてくださることを教えているみことば
詩篇37:5、詩編55:22、箴言16:3