ミカ7章11節~20節

11節~13節まで「」はないが神のみことば


11節:あなたの石垣を建て直す日、その日、国境が広げられる。

バビロン捕囚後の神殿再建と思われがちだが、16~17節に結びつかない!
このことばは、メシア的王国を指す。DKNJ以後の回復、拡張を示している
この11節に至る「DKNJ」の部分が、まだ表現されていない。(イザヤ28:14~22に記載がある)

12節:その日、アッシリアとエジプトの町々から、エジプトから大河まで、海から海まで、山から山まで、あなたのところに人々がやって来る。

この個所と同じ表現をする箇所がイザヤ書にある。イザヤ11:11~16
離散していたイスラエルの民が集められ、その地に住まう。(人々とはイスラエルの民)
イザヤ27:13、ホセ11:11、ゼカ10:11~12

13節:しかし、その地は、そこに住む者たちのゆえに、彼らの行いの実によって荒れ果てる。

しかし、その地は、・・・→しかしその前に、その地は、・・・と言う意味合い。

11~12節でメシア的王国の成就を、神は示された。そして13節で、そこに至るまでの状況つまり、10節の「敵を泥のように踏みつける」事態であることを示していると見る。
彼らの行いの実とは、イスラエルの民の罪。
メシア的王国が立つ前に、イスラエルの罪により、地上のすべてが荒廃する。
イスラエルの罪のせいであり、そのことについて、既にミカは9節で述べている。

14節:どうか、あなたの杖で、あなたの民を、あなたのゆずりの群れを牧してください。彼らは林の中、果樹園の中に、ひとり離れて住んでいます。どうか、彼らが昔の日のように、バシャンとギルアデで草をはむようにしてください。

林の中、果樹園の中、と言う表現は、メシア的王国の建つ以前、イスラエルの民は離散の状態であることを示している。離散したイスラエルの民を、あなたが集め、牧してください。あの繁栄していた時のように。どうか彼らが、豊かな土地で豊かに育まれますように、という意味。
この時ミカは、かつてのイスラエルの繁栄の時、ダビデ、ソロモンの時のように、北から(バシャン)から南(ギルアデ)まで、つまり、土地の回復と約束の地を見ている。


15節:「あなたがエジプトの地から出た日のように、わたしは奇しいわざを彼らに見せる。」

あなたが・・神に信頼する者たち、残れる真の信仰者たち。
彼らに・・異邦諸国(異邦人たち)に神は、御業を示される。
その御業は、出エジプトの時の如く、支配されていた国から解放されるように、全てにおいて、不思議なわざを示される。
イスラエルの民は、神に立ち返る。(イエス様に信頼する生き方に変わる)


16節:諸国の民は見て、自分たちのすべての力を恥じ、手を口に当て、彼らの耳は聞こえなくなります。

あなたの神は何処にいるのか?と嘲った諸国の民(反ユダヤ主義者たち)は、大いなる恥を見る。
あまりの事実の凄さに、何も言えなくなる状態。
彼らの耳は聞こえなくなる。・・と言う裁きか?


17節:彼らは、蛇のように、地を這うもののように土をなめ、震えながら自分たちの洞穴から出て来ます。そして、私たちの神、のみもとで、おじ惑い、あなたを恐れます。

裁きを恐れる異邦人諸国。蛇(サタン)に従っていたことを暗示しているようだ。
真の神の存在を知ったとき、悔いと悲しさ、虚しさに襲われる。マタイ25:31~34

18節:あなたのような神が、ほかにあるでしょうか。あなたは咎を除き、ご自分のゆずりである残りの者のために、背きを見過ごしてくださる神。いつまでも怒り続けることはありません。神は、恵みを喜ばれるからです。

ミカの名前の意味は?・・・「ミカイヤ」の短縮形で、「誰が【主】のようであろうか」
「あなたのような神が、ほかにあるでしょうか。」・・は、自分の名前と掛けている。
これは、言葉遊びと言うよりも、ミカの人生を掛けて証しているミカの思い!
ミカの人柄が見えてくる。
エジプト脱出後、モーセも出15:11で語っている。真の信仰者を目指そう!
神は必ず最後に、神の民として、残れる者を祝福される。決して怒り続けない神!
私たちの神は、恵みを与えることを喜ばれる神!

19節:もう一度、私たちをあわれみ、私たちの咎を踏みつけて、すべての罪を海の深みに投げ込んでください。

10節で「敵は…踏みつけられる」とあり、また15節で神が語られた「あなたがエジプトの地から・・・」のことばの背景にある、エジプト軍が海の底に沈んだ大事件を思いつつ、全てはイスラエルの民の回心のためであることをミカは知ったうえで、神に祈っている。

敵を倒すというよりも、裁きを通して、イスラエルの民が、神の期待に応え、神の民、

真の信仰者として立ち返ることが最も重要。
ミカは契約の存在を認識している

20節:昔、私たちの父祖たちに誓われたように、ヤコブにまことを、アブラハムに恵みをお与えください。

ミカは、神のご人格も、そしてその御心(ご計画)をも、よく把握していた。
神は約束を守られるお方。ヤコブに約束され、そしてアブラハムに契約を示された。
出エジプトはアブラハム契約の結果であり、最終的にはDKNJ後に、その契約が果たされることになる。すべての契約が、そのときに成就するということ。
ミカは、心の底から、真の恵みがイスラエルの民に与えられることを祈ってやまない。

ミカはメシア的王国が来ることを見せられ、その到来を確信している。
私たちの信仰は、こうした預言者たちの証言、そして新約の使徒たちの証言に信頼し、

神を100%信頼する。

2022年11月01日