ダニエル書12章5節~13節

天使は、終末預言をダニエルに与え、そして「この書を封じておけ。多くの者は知識を増そうと捜し回る」と命じて、預言を終えました。ここで二人の証人の天使が登場し、4人で話し合いが始まる。

5節:私ダニエルが見ていると、見よ、二人の人が立っていた。一人は川のこちら岸に、もう一人は川の向こう岸にいた。
6節:その一人が、川の水の上にいる、あの亜麻布の衣を着た人に言った。「この不思議なことは、いつになると終わるのですか。」

川の両岸に立っている二人の天使。この川は10:4から、ティグリス川であろう。
二人の天使の目的・・証人としての存在。(申17:6、19:15)
亜麻布を着た天使は、川の水の上にいる。
亜麻布を着た天使とダニエルの間に、二人の天使が入って来た。
天使の一人が、「この不思議の終わりはいつですか?」と亜麻布の天使に質問。
この質問は、特に11:36~12:4の内容。
迫害はいつまで続くのか?・・の思いがある。

7節:すると私は、川の水の上にいる、あの亜麻布の衣を着た人が語るのを聞いた。彼はその右手と左手を天に向けて上げ、永遠に生きる方にかけて誓った。「それは、一時と二時と半時である。聖なる民の力を打ち砕くことが終わるとき、これらすべてのことが成就する。」

亜麻布を着た天使がその質問に答える。
「両手を天に上げる」⇒誓うとき、通常は片手である。
「両手を天に上げる」は誓いの厳粛さを表す。「永遠に生きる方」→神。
「一時と二時と半時」→3年半。この3年半を通ってこの不思議(迫害)は終わるという事。
「打ち砕く」・・へブル語で「バラバラに砕く」の意味。
具体的には、①反キリストによるエルサレムとイスラエルの民の攻めがあり、②イスラエルの民の頑固さが粉々に打ち砕かれ、メシアを通して義を求めるようになる。ゼカリア12:10、14:1~21
「これらすべてのことが成就する。」→イスラエルが改心して、メシアが異邦人支配を粉砕する。

8節:私はこれを聞いたが、理解することができなかった。そこで私は尋ねた。「わが主よ、この終わりはどうなるのでしょう。」

8:15と同じ状況。この亜麻布の天使の言葉の意味が分からないダニエル。
このダニエルの質問は、「いつ」、とか、「どれぐらいの期間」などではない。
この期間の最後を締めくくるイベントは何か?という質問である。
この答えは8:23~25で語られている内容なので、天使は応答せずにいた。

9節:彼は言った。「ダニエルよ、行け。このことばは終わりの時まで秘められ、封じられているからだ。

これ以上の預言の言葉はない。だから保存して後代に繋いで行きなさい。
「終わりの時まで」・・DKNJの時、更に言えばメシア再臨のときまでの意。


10節:多くの者は身を清めて白くし、そうして錬られる。悪しき者どもは悪を行い、悪しき者どものだれも理解することがない。しかし、賢明な者たちは理解する。

賢明な者たち」・・信者を指す。DKNJには自分自身を清めて、純化し、錬られることになる。(厳しい迫害の中で)
「悪しき者ども」・・どこまでも神に敵対する者。 DKNJの最終局面でも、神の知恵を受けることはない。

11節:常供のささげ物が取り払われ、荒らす忌まわしいものが据えられる時から、千二百九十日がある。

1290日の意味 →3年半はヘブル的に1260日(360日換算)と考える。それに30日多い。
30日多い理由 ⇒破壊された神殿が回復するには、30日を要するということ。

「常供のささげ物が取り払われ、荒らす忌まわしいものが据えられる時」とは、大患難時代後半の始まりである。その時から神殿が回復するまでに、1290日かかる。


12節:幸いなことよ。忍んで待ち、千三百三十五日に達する者は。

1335日→1260日+75日。これはDKNJの終わりからメシア的王国(千年王国)までの移行期間。
つまり、神殿再建を含む移行期間を経て、メシア的王国が建て上げられるのである。
まさに、DKNJを耐え忍んで神に信頼した人は、幸いな人であると天使は語る。

 

75日の移行期間の出来事
①荒らす忌まわしいものの撤去  ダニエル12:11
②反キリスト、偽預言者を生きたまま火の池へ投入  黙示録19:20   
③サタンが深淵に投げ込まれる  黙示録20:1~3
④DKNJを生き残った異邦人の招集    ヨエル3:1~3、マタイ25:31~46
   反ユダヤ主義者は殺されて地獄へ  羊と山羊の選別 マタイ25:34~46b
⑤旧約聖書時代の聖徒の復活  イザヤ26:19、ダニエル12:2
⑥患難時代に死んだ聖徒たちの復活  黙20:4
⑦子羊の結婚の祝宴の開催  イザヤ25:6~8、マタイ22:1~14、黙19:9 

千年王国から新天新地の移行期間の出来事
・サタンの底知れぬ所からの解放
・サタンの裁き、滅び
・白い御座の裁き
・第2の死

13節:あなたは終わりまで歩み、休みに入れ。あなたは時の終わりに、あなたの割り当ての地に立つ。」

「終わりまで」・・これはダニエルの残りの寿命を指している。
死を迎えるまで、預言者としての道を歩みなさい。
「割り当ての地」・・ヘブル語で「ゴラル」・・相続を意味する。
「時の終わり」・・異邦人の時の終わりを指す。
ダニエルの復活は⑤の「旧約聖書時代の聖徒の復活」のタイミング。
その時彼は、肉の人生の報酬としての遺産(土地)を受けることになる。ハレルヤ!
ダニエルは、若くして捕囚民という人生を異国の王の元で過ごし、宦官であったかもしれない彼には、家族も子供もいなかったかもしれない。彼は謙虚に生き、イスラエルの行く末を案じ、悔いて祈り尽くした。そんな彼を、神は愛し、預言者として用いられ、未来の幸せを約束された。
私たちクリスチャンの未来も、信仰によって備えられていることを喜ばずにはいられません!ハレルヤ!

 

高齢なダニエルを支える思い

神殿再建に出かけたイスラエルの民は、周囲の妨害に会い、神殿再建が中断してしまう。
ダニエルは国の政治中枢におり、再建困難な状況は察していたことは想像に難くありません。
彼は、自分の人生よりも、イスラエルの民と神との和解を優先する者であったのです。
神は彼の心の動機を見ておられ、その純粋な姿勢に報いて、未来の預言を彼に託した。
高齢になっても萎えない思いは、神の子としての使命感があったからと考えます。
私たちは、個人的に神との繋がりを得て、自己中を無くして他を愛するという、ダニエルと同じ道を歩んでいるのではないでしょうか。
主を信じた者として、そうした神の期待にこれからも応答して、皆とスクラム組んで歩んで行きましょう。

 

正しく生きる方法
近年、反ユダヤ主義が世界を騒がしています。メディアなどが、テロを受けたイスラエルを悪者のように扱います。
その動きが国連でも鮮明です。
世の中は不正な道を正しい道と偽って、私たちを導いています。正論であるかのように!
このように、正しい情報を入手する事が、難しくなっている世の中の状況を認識しておく必要があります。
私たちは、聖書という神の価値観に立って、正しく生きる人生を目指します。
たとえばイスラエルに関しては、基本姿勢としてイスラエルを祝福します。明白なのは良いのですが、わかりにくいこともたくさんあります。だからこそ、学びを通して、ディボーションを通して、歩む道の軌道を修正することが大事だと思います。
判断や適用が間違っていても、主は何らかの方法で正しい道を示してくださり、教えてくださいます。

「狭い門から入りなさい。滅びに至る門は大きく、その道は広く、そこから入って行く者が多いのです。
いのちに至る門はなんと狭く、その道はなんと細いことでしょう。そして、見出す者はわずかです。」マタイ7:13~14

2024年09月12日