エレミヤ書23章1節~15節

1節:「わざわいだ。わたしの牧場の群れを滅ぼし散らしている牧者たち──主のことば。」
2節:それゆえ、イスラエルの神、主は、私の民を牧する牧者たちについてこう言われる。「あなたがたはわたしの群れを散らし、これを追い散らして顧みなかった。見よ、わたしはあなたがたの悪しき行いを罰する──主のことば──。

・神の所有物である羊の群れを、愚かな指導者たちは滅ぼし、散らしてしまう。
※上層部の愚かさがその原因。義なる正しい牧者(指導者)が望まれる。
・指導者たちはイスラエルの民を神から離れさせ、民を顧みない自己中な行動をした。
・指導者の神に反する行為は罰せられることになる。

3節:しかしわたしは、わたしの群れの残りの者を、わたしが追い散らしたすべての地から集め、元の牧場に帰らせる。彼らは多くの子を生んで増える。

・神は、悪しき者の裁きの後、離散した残りの者たちを元の牧場に帰還させる。
・その地で子孫が増える。→イスラエルへの帰還、神殿再建。→近未来預言。

4節:わたしは彼らの上に牧者たちを立てて、彼らを牧させる。彼らは二度と恐れることなく、おびえることなく、失われることもない──主のことば。

・神は、牧者たちを立てる、と言われる。複数形であることから、近未来預言と分かる。
・「彼らはニ度と恐れず、おびえず、失われない。」→「二度と~ない」は、長い期間を表す。
※長い期間とは、バビロンからの解放後以降しばらくの間、ということ。

 

■イスラエルの最終帰還についての預言箇所 (苦難の後の国家再生⇒メシア的王国)
①申30:1~10(土地の契約)
②イザヤ11:11~12:6、27:12~13、43:5~7
③エレミヤ31:7~10
④エゼキエル11:14~18、 36:24

⑤アモス9:14~15
⑥ゼパニヤ3:18~20
⑦ゼカリヤ10:8~12
⑧新約 マタイ24:31、 マルコ13:27

5節:見よ、その時代が来る。──主のことば──そのとき、わたしはダビデに一つの正しい若枝を起こす。彼は王となって治め、栄えて、この地に公正と義を行う。

・「見よ、その時代が来る。」・・預言的未来表現。5回目の登場。(Total15回)
・「ダビデに・・」→ダビデの系図から、ダビデ契約を示唆する。
・「若枝」・・(ヘ)tzemach・・地面から直接成長する芽。→正しく義に根差した王。メシアを指す。(エレミヤ33:15~16、イザヤ11:1、ゼカリヤ3:8、6:12)

正しく義に根差した王とは、
・21~22章の王のようではない。
・ダビデ契約を実現する。
・正義の王として正義と公正を行う
・イザヤ11:1~2の預言の踏襲

6節:彼の時代にユダは救われ、イスラエルは安らかに住む。『主は私たちの義』。それが、彼の呼ばれる名である。

・この王はユダ、イスラエルを救う。→国家が安らかに住むことが出来る。
・「主は私たちの義」→「神よ、私たちの義よ」と人々は名づける。メシアと認める。

7節:それゆえ、見よ、その時代が来る──主のことば──。そのとき、もはや人々は『イスラエルの子らをエジプトの地から上らせた主は生きておられる』と言うことはなく、

・「見よ、その時代が来る」・・6回目の預言的未来表現。
・何千年もの間、出エジプトがユダヤの歴史の最高点だった。更に最高の日が来る。
・メシアによる、イスラエルの最終的な約束の地での再集結(最終帰還)。

8節:『イスラエルの家の末裔を、北の地や、彼らが散らされていたすべての地から上らせた主は、生きておられる』と言って、自分たちの土地に住むようになる。」

・第一段階・・バビロン(北の地)から、
・第二段階・・離散した地から→約束の地へ。
※正義の王の出現の預言→世界規模のユダヤ人の帰還の実現→メシア的王国。

9節:預言者たちについて──私の心は、うちに砕かれ、私の骨はみな震える。私は酔いどれのように、ぶどう酒に負けた男のようになった。主と、主の聖なることばのために。

・偽の預言者についての宣告が語られるが、その前に、エレミヤの心情が示される。
・エレミヤは主とそのことばによって、引き裂かれるという不平のことばを発する。
※神のことばによって、酔っぱらいのように圧倒されている。
・エレミヤの預言はほとんどが厳しい荒廃の預言。それを語ることは彼を引き裂く。

※吉田の考え
エレミヤは、神とそのことばを浴びるように身に受け、まるで酔っ払いのようになり、たとえどんな苦痛にあっても、黙っていられないほど神と一体化している。

10節:地が姦通する者で満ちているからだ。地はのろわれて喪に服し、荒野の牧場は乾ききる。彼らの走る道は悪で、その力は正しくないことに使われる。

・姦通者(偶像礼拝者)で満ちているイスラエル。
・「地は呪われて・・」→神の裁きの下で、土地は実を結ぶのを止めた。
・彼らの状態は、悪に逆らうのではなく、悪のために精一杯自分の力を使う姿勢。

11節:「実に、預言者も祭司も汚れている。わたしの家の中にも、わたしは彼らの悪を見出した。──主のことば──

・神は、神殿で神のために働く預言者、祭司も悪に染まり、汚れているのを確認した。

12節:それゆえ、彼らの道は、暗闇の中の滑りやすい場所のようになり、彼らは押しやられて、そこに倒れる。わたしが彼らにわざわいをもたらし、刑罰の年をもたらすからだ。──主のことば──

・彼らが大手を振って歩く道は、神によって滑りやすい道に変えられる。
※上層部の人たちは、良い年になる、安全だ、と偽の預言をしていた。
・彼らの預言を覆す刑罰の年、わざわいの年を与えて、それらを覆す。
※大捕囚、そして11年後の神殿破壊(決定的事実)を指している。

13節:サマリアの預言者たちの中に、わたしはごまかしを見た。彼らはバアルによって預言し、わたしの民イスラエルを迷わせた。

・「サマリヤ」は北イスラエルの首都。その地の(偽)預言者たち。
・神が見た「ごまかし」とは、イスラエルの民でありながら、バアルの預言をしていたこと。

14節:エルサレムの預言者たちの中に、わたしはおぞましいことを見た。彼らは姦通し、噓をついて歩き、悪を行う者どもの手を強くして、その悪から、だれも立ち返らせない。彼らはみな、わたしにはソドムのようであり、その住民はゴモラのようだ。」

・エルサレムの地の預言者たち。神が見た「おぞましいこと」とは、
・神の預言もないのに、嘘を言って、むしろ偶像に走る人々の手助けをする。
・偽預言者は、ソドム、住民はゴモラ。背信行動に等しい悪。→裁きは免れない。

15節:それゆえ、万軍の主は、預言者たちについてこう言われる。「見よ。わたしは彼らに、苦よもぎを食べさせ、毒の水を飲ませる。不敬虔がエルサレムの預言者たちから出て、全土に広がったからだ。」

・預言者の不敬虔さが民に伝播し、それが全土に広がった。原因は偽預言者。
・偽預言者は地を汚し、結果、神は苦よもぎ、毒水で苦しむ裁きを下す。

 

『愚者は繰り返す』
・北イスラエル王国は、偶像礼拝の罪を犯し、遂にはアッシリヤ帝国によって滅亡した。それを横目で見ていた南ユダ王国も、遂には偶像礼拝の罪から、バビロンに捕囚され神殿は破壊されてしまう。
・「歴史は繰り返す」といわれるが、この繰り返しは概ね愚かな行為を指している。それは人の人生とて同じこと。人間が自己中心的な思想を持った時から、愚かさを繰り返す歴史が始まった。
・自己を中心に据えている限り、愚かさは消えない。その中心の座に神を迎え入れてこそ、愚か者から賢者になれるということを悟る必要がある!
・自分の力でやり遂げようとすれば、その分の重荷を負い、それが消えることはない。先ずは、神を中心に迎え入れ、無価値な重荷を繰り返し負うことなく、神とともに真の道を歩みましょう!
「すべて疲れた人、重荷を負っている人はわたしのもとに来なさい。わたしがあなたがたを休ませてあげます。」マタイ11:28

2025年07月31日