ネヘミヤ記1章1節~11節

著者ネヘミヤについて

ネヘミヤの父はハカルヤ

父、本人共に情報は少ない。ネヘミヤの意味は「ヤハウェが慰めてくださった」。
血筋、家系等も不明。 ペルシア出身か(中川先生)。

ネヘミヤはアルタクセルクセス王の献酌官。

『献酌官』とは、王に酒を注ぎ、且つ毒見役を意味し、王の側付きとなるという信頼と、知識、知性、判断力、人格が求められた。
王に酒を注ぎ、且つ毒見役である『献酌官』は、とても重要で有力な特権階級であった。

王の後宮勤めから、宦官であったとの説もある。   

彼は指導者(総督)として、エルサレムで活動した。
エズラと同時期に活動
 ・総督ネヘミヤ、祭司エズラ
城壁の再建に着手
 ・城塞都市の建て上げ
 ・神の民の建て上げ

1節:ハカルヤの子ネヘミヤのことば。第二十年のキスレウの月に、私がスサの城にいたときのことであった。

第20年→アルタクセルクセス王時代の第20年。BC446年。
キスレウの月→11月下旬から12月上旬にかけての期間。
スサ→ペルシア王の冬の宮殿の地。
エズラはバビロンから来た。ルートが異なる。


2節:私の兄弟の一人ハナニが、ユダから来た数人の者と一緒にやって来た。私は、捕囚されずに残された逃れの者であるユダヤ人たちについて、またエルサレムのことについて、彼らに尋ねた。

3節:彼らは私に答えた。「あの州で捕囚を生き残った者たちは、大きな困難と恥辱の中にあります。そのうえ、エルサレムの城壁は崩され、その門は火で焼き払われたままです。」

同胞ハナニにエルサレムの状況、民の状況を尋ねた。
民の状況は大きな困難と恥辱の中にある。
エルサレムの城壁は崩され、門は焼かれたまま。
経済的基盤の脆弱さが原因か。


4節:このことばを聞いたとき、私は座り込んで泣き、数日の間嘆き悲しみ、断食して天の神の前に祈った。

エズラと同様泣き崩れるネヘミヤ。まるで喪に服するかのように。
嘆きと共に、断食が数日続いた。エズラ同様、個人的な断食と祈り。


5節:「ああ、天の神、主よ。大いなる恐るべき神よ。主を愛し、主の命令を守る者に対して、契約を守り、恵みを下さる方よ。

主を愛し、主の命令を守る者。→旧約の時代も、神への愛が前提となっている。
『契約を守る神』としている点に注目。


6節:どうか、あなたの耳を傾け、あなたの目を開いて、このしもべの祈りを開いてください。私は今、あなたのしもべイスラエルの子らのために、昼も夜も御前に祈り、私たちがあなたに対して犯した、イスラエルの子らの罪を告白しています。まことに、私も私の父の家も罪を犯しました。

謙虚な姿勢を示すネヘミヤ。彼もイスラエルの民の一員として祈っている。
過去の罪・・バビロン捕囚を筆頭に・・過去の罪深さを心から詫びている。
基本的には、偶像礼拝の罪が想定されていると考える。(神への謀反)


7節:私たちはあなたに対して非常に悪いことをして、あなたのしもべモーセにお命じになった、命令も掟も定めも守りませんでした。

8節:どうか、あなたのしもべモーセにお命じになったことばを思い起こしてください。『あなたがたが信頼を裏切るなら、わたしはあなたがたを諸国の民の間に散らす。

9節:あなたがたがわたしに立ち返り、わたしの命令を守り行うなら、たとえ、あなたがたのうちの散らされた者が天の果てにいても、わたしは彼らをそこから集め、わたしの名を住まわせるためにわたしが選んだ場所に連れて来る。』

遡る事、モーセの律法の時代にまで行き着くネヘミヤ。
命令、掟、定めを守れなかった罪深さ。しかし、あなたはその時、モーセにこう言われました!
信頼を裏切るなら民を散らす。(裁き)
そこから神に立ち返り、命令を守るならば、民を集め、連れ帰る。
『わたしの名を住まわせるためにわたしが選んだ場所』→エルサレム。


10節:これらの者たちこそ、あなたがその偉大な力と力強い御手をもって贖い出された、あなたのしもべ、あなたの民です。

今、エルサレムに連れ帰った民こそあなたのしもべ、あなたの民です。
それは、あなたの契約が実現したことを表すものであり、神の民にとっては幸いなことです。


11節:ああ、主よ。どうかこのしもべの祈りと、喜んであなたの名を恐れるあなたのしもべたちの祈りに耳を傾けてください。どうか今日、このしもべに幸いを見させ、この人の前で、あわれみを受けさせてくださいますように。」そのとき、私は王の献酌官であった

今こうして祈っている私の願いを聞いてください。私もエルサレムに連れ帰ってください。
『この人の前で』→王の御前で、その許しが出ますように。
 新共同:「私の願いをかなえ、この人の憐れみを受けることができるようにしてください。」
ネヘミヤは、王の献酌官であったため、こうした祈りになっている。

 神に対して、また王に対して十分な忠誠心が明確である。

エペソ6:6~7
ご機嫌取りのような、うわべだけの仕え方ではなく、キリストのしもべとして心から神のみこころを行い、人にではなく主に仕えるように、喜んで仕えなさい。
こういう人物が、信頼できるリーダーの器である

2023年09月02日