ダニエル書9章27節

患難時代の開始

・ガブリエルは、69週とその後の隙間時間について、ダニエルに預言した。(ダニエルが理解したかどうかは不明)
・メシアの初臨とその処刑という衝撃的なイメージが、ダニエルを混乱させただろう。
・そして、残りの1週について預言を受けるダニエル

『彼は1週の間、』
「彼は」・・反キリストを指す。前節の「次に来る君主」。
「1週の間」・・70週の最後の1週、つまり7年間
『多くの者と堅い契約を結び、』
反キリストは、7年間の堅い(堅実な)契約を締結する。強制されて締結する契約とは限らない。
契約はイスラエルのリーダーの多数と締結。反対する人たちもいたということ。

 

 

1⃣患難時代の起点

字義どおりに解釈すれば、反キリストと7年間の契約を締結した時が起点。
起点を「携挙」とする説があるが、根拠は全くない。携挙は隙間時間に起こる御業。
「携挙」が起こった時点で、地上に教会(普遍的教会のメンバー)は存在しない。

2⃣ 最終の1週(7年間)の3つの目的

①ユダヤ人の頑固な意思の改変 (ダニ12:7 打ち砕かれて、イエスを受け入れる)
②世界的なリバイバル (黙7:9~14 教会員がゼロ~として、増える様、割合)
③邪悪の壊滅と悪人の裁き。(イザヤ13:9~11)

<69週と70週のギャップ>

隙間時間の存在は、メシア再臨に繋がる重要なインターバルであり、新たな啓示が示され、展開して行く期間である。【恵みの時代】

 

『1週の間、・・契約』
契約内容は軍事侵略からの解放と思われる。しかし、後に破棄される契約。
『半週の間、いけにえとささげ物をやめさせる。』
7年間が2分される。後半に差し掛かり、反キリストは神殿の中央に立つ。
悪魔(サタン)の代理である反キリストが神殿(宗教)を支配。荒らすの意味。
この後半の3年半(一時と二時と半時、42か月、1260日)はイスラエルの苦難の時。
反キリストは、イスラエルとの契約を無視し、武力で奉納制度を廃止する。(黙11:1~2)
これは、第3神殿がすでに立っていることを示していると考えられる
『忌まわしいものの翼の上に、』
「翼」・・カナフ(へブル語)は、翼、極端。広がる影響、神殿の頂点を指す。
反キリストの存在が神殿の頂点にあり、全体に極端な影響が広がる。
第3神殿の上に反キリストが立つということ。神殿の中ではなく外側をイメージ。この頃もなれば、この場面が全世界の人々の目に一瞬に映る。
忌まわしい考えのそのトップに、反キリストが君臨する!それは神殿の頂点に座すこと。
『荒らす者が現れる。』
この時、反キリストは自らが神であることを宣言する。(黙13:14~15、Ⅱテサ2:3~4)
ユダヤ人の前例無き迫害の始まり
『そしてついには、定められた破滅が、荒らす者の上に降りかかる。』
「そしてついには」・・kalah(へブル語)は、完了、終末。

決められていた破滅が反キリストの上に降りかかり、すべて完了する。
「定められた」・・charatz(へブル語)は、切る、決定する。
苦難の期間は7年間で確実に終了する。
定められた破滅→神の怒りが荒れ果てた人(人々)に注がれる。
神の怒り(裁き)→二つの側面
●患難期の後半のユダヤ人は、神の裁きに会う
●最後に再臨のメシアに裁かれる反キリスト
患難時代の7年間はイスラエルにとって前例のない苦難の時である。
「上に降りかかる」・・メシアの地上再臨により、悪の上に神の裁きが一気に下る様が想像できる。

 

終末預言と神の御心 

神の目線で、ダニエルに示された預言の意味を考えてみる。
明らかに、神はイスラエルをはじめとする人類を、ある方向へ導くことを決められていることが分かる。
ある方向→神の主権国家である千年王国、新天新地という神の栄光の未来!
アダムに示された原福音(創3:15)の一部とダニエルへの預言との関連を見ると、「悪魔の子孫と女の子孫の敵意」や、「頭を打つ、かかとを打つ」は、隙間時間と最後の1週の裁きと重なる!
栄光の勝利は定められていて、そこにいたるプロセスを、神は必要に応じて人に啓示しておられる。
神は、メシア的王国に向かう文脈に沿って、人々に啓示を与え、導いておられる。
その啓示をきちんと受け入れることが、神の期待に正しく応答する人生の歩み!

 

偽物を見極める力!

  教会メンバーの繋がり
イエス様は、地上に初臨されたとき、普通の人として来られた。
患難時代になれば、偽物の救い主、反キリストが現れる。
間違いなく、彼は人を魅了する姿で現れ、人の耳障りの良い言葉を話す。
異邦人は諸手を挙げて彼を讃え、イスラエルの民は崇めはしないが、相当の信頼を置くこととなる。
人は情報操作、印象操作に簡単に騙されて行く現実!肩書き、レッテルは要注意!
最終的には、反キリストの扇動で、異邦人は平気でイスラエルの民を殲滅する方向へと突き進む。
悪の働きが抑えられているこの時代(Ⅱテサ2:6~7)においても、神、真理にたどり着くのは至難の業。
真理を見出すために私たちが、真贋を見極める力を、互いに繋がりをもって、高めることが重要です。
神の啓示を知り、心を正しく神に向け真理を実践して、これからも教会を通して共にクリスチャン人生を歩んで行きましょう!

2024年07月12日