エレミヤ書11章18節~12章4節

18節:「主が私に知らせてくださったので、私はそれを知りました。それからあなたは、彼らのわざを私に見せてくださいました。
19節:私は、屠り場に引かれて行く、おとなしい子羊のようでした。彼らが私に敵対して計略をめぐらしていたことを、私は知りませんでした。『木を実とともに滅ぼそう。彼を生ける者の地から断って、その名が二度と思い出されないようにしよう』と。

・神はエレミヤに、エレミヤに対する陰謀(殺害計画)を知らされた。
・「見せた」という事から、エレミヤの殺害計画中の現場映像を見せたのだろう。
・彼はそんな計画がある事に全く気付かず、知らなければ簡単に罠にはまっていた。
・「屠り場に引かれて行く、おとなしい子羊のように」・・・・イエス様を思わせる。
・エレミヤの殺害は、彼の存在と共に、彼の働きとその結果を葬る事。神の否定を意味する言動と姿勢。

20節:しかし、正しいさばきをし、心とその奥にあるものを試す万軍の主よ。あなたが彼らに復讐するのを私は見るでしょう。私があなたに、私の訴えを打ち明けたからです。」

・エレミヤは、神の絶対的主権を認め、また、必ず悪を裁かれることを確信する。
・エレミヤの訴えとは、神の義を貫くための裁きが下ること。
・エレミヤは、復讐を最優先して求めてはいない。(聖徒としての正しい姿勢)

21節:それゆえ、主はアナトテの人々について、こう言われる。「彼らはあなたのいのちを狙い、『主の名によって預言するな。われわれの手にかかって、あなたが死なないように』と言っている。

・エレミヤを殺害しようとしたのは、アナトテの人々であることが分かる。
・アナトテ→エレミヤの生まれ故郷。親族縁者、幼なじみなどが住む、祭司の町。
・神が、アナトテの人々のことばをエレミヤに教える。
「主の名によって預言するな!さもなくば、おまえは我々に殺されることになる」
・アナトテは祭司の町。祭司が神のことばを否定。祭司の心が神に向いていない。

22節:それゆえ──万軍の主はこう言われる──見よ、わたしは彼らを罰する。若い男は剣で死に、彼らの息子、娘は飢えで死に、

・神によるアナトテの裁き
 ①剣による若い男の裁き→戦争、侵略(バビロン)
 ②飢饉による息子、娘の裁き→戦争、侵略後の荒廃
 ⇒一族の存続がとても厳しくなる

23節:彼らには残る者がいなくなる。わたしがアナトテの人々にわざわいを下し、刑罰の年をもたらすからだ。」

・「残る者がいなくなる」・・アナトテの全員が滅ぶという事ではない。
エズラ2:23にアナトテの帰還者数が記されている。
・この言葉の対象は、エレミヤ殺害計画者たちとその家族ではないかと考えられる。
※私見・・殺害計画した偽祭司たちの集団であろう。

 

12章

話題は一変します。エレミヤは、敢えて神に質問を投げかけます。
1節:「主よ。私があなたと論じても、あなたのほうが正しいのです。それでも、私はさばきについてあなたにお聞きしたいのです。なぜ、悪者の道が栄え、裏切りを働く者がみな安らかなのですか。

1/a節(主よ、私が・・・・お聞きしたいのです。)
・エレミヤは、神が公正な方だと認識しているが、それでも敢えて神に尋ねる。
・エレミヤは、神の裁きが理不尽ではないかという疑問を持った。
1/b節(なぜ、・・・・安らかなのですか。)
・全部で3つの質問。先ず、エレミヤが感じる二つの矛盾が質問される。(不満)
 ①邪悪なものが繁栄している現実。
 ②酷い裏切り者が安らかに生活している現実。
 ⇒イスラエルの上層部の人々を指している:ヨブ21:7~

 ⇒それに対する応答:詩編37:1~4

2節:あなたが彼らを植え、彼らは根を張り、伸びて実を結びました。あなたは、彼らの口には近いのですが、彼らの心の奥からは遠く離れておられます。

・エレミヤが感じる3番目の矛盾の提示。
 ③主権者(神)ご自身が、邪悪な者たちの繁栄を赦している。
上層部の人々の実態⇒・彼らは富み、豊かになっている。外見は神の民を装う(口には近い)が、中身は異質(心の奥からは遠く離れている)。

エレミヤが、こうした厳しい糾弾を神に投げかけたきっかけは、11章後半に示された陰謀の存在を知った事ではないか。(フルクテンバーム博士による)

3節:主よ。あなたは私を知り、私を見て、あなたに対する私の心を試されます。どうか彼らを、屠られる羊のように引きずり出し、殺戮の日のために取り分けてください。

3/a節(主よ・・私を・・試されます。)
・エレミヤの義なる心を提示している。
・「神がわたしを試しても、私の義に問題はない。」
・11章後半の出来事に絡む思い。
・「なぜ、義なる私が命を狙われ、不義なる者が豊かで、平安なのか?」
3/b節(どうか彼らを、・・・・取り分けてください。)
・邪悪なる上層部の人々を引きずり出し、さばいてください。そうすべき、という思い。
・神に信頼しない者こそが、苦しむべきとエレミヤは考えている。
神の目線から見る人間の本当の苦しみとは、肉体の死後、裁かれて送られる永遠の苦しみの世界。地上での苦しみではない。

4節:いつまで、この地は喪に服し、すべての畑の青草は枯れているのでしょうか。そこに住む者たちの悪のために、家畜も鳥も取り去られています。人々は『神はわれわれの最期を見ない』と言っています。」

4/a節(いつまで、この地は喪に服し、・・・・取り去られています)

・イスラエルの地が生産性を失い、イスラエルの民は苦しさの中にある。
  ※朝貢のための厳しい取り立て。自然の影響や、周辺国からの攻撃など。
・「そこに住む者たち」→上層指導部
・上層部の邪悪さが国家、土地の荒廃となっている。
・エレミヤは何時まで放っておかれるのか・・と神を糾弾する。
・「家畜も鳥も取りさられている」→周辺国からの攻撃か。
4/b節(人々は、・・・・最後を見ない』と言っています」)
・「人々」とは、上層部の人々。
・神が私たちの人生を左右することは無い!と上層部の人々が言っている。
 →預言の成就が自分たちの時代に起こることは無い!
・私たちには、神の存在は無関係!これは神を無視している言葉。
・この言葉はエレミヤの預言のことばへの応答でもある。神のことばの完全無視。
常に神に従う姿勢を示すエレミヤだが、預言者である自分を殺害しようとする計画を知り、義憤に満ちた思いで神を糾弾している。

エレミヤは死を恐れているのではない。あくまでも神の義の実現を求めるエレミヤの、イスラエルの民に対する怒りの表明である。

『人の最重要課題』
・ エレミヤは自分への陰謀を知らされた。アナトテの人々が神の言葉を無にしようとすることに驚いた。彼らの神の否定は、エレミヤにとってはあり得ないこと。
・ 預言者は命の危険がある事を、エレミヤは百も承知。神の従事者は、神に永遠のいのちの存在を示されていたか、働きを通して自然に感じていたものと推測する。
・私たちは聖書を通して永遠のいのちを知り、その人生をすでに歩んでいる。この人生は、神と共に歩む人生であり、地上の人生とは異質である。
・我々にとって死は恐れるものではない。肉体という制約から抜け出すプロセスである。人は消えず復活する。だからこそ、神と共に歩む人生が、人間の最重要課題である。
今の世で富んでいる人たちに命じなさい。高慢にならず、頼りにならない富にではなく、
むしろ、私たちにすべての物を豊かに与えて楽しませてくださる神に望みを置き、善を行い、立派な行いに富み、惜しみなく施し、喜んで分け与え、来たるべき世において立派な土台となるものを自分自身のために蓄え、まことのいのちを得るように命じなさい。

テモテ第一 6:17~19

2025年02月28日