エステル記3章7節~4章4節

7節:クセルクセス王の第十二年の第一の月、すなわちニサンの月に、日と月を決めるためにハマンの前で、プル、すなわちくじが投げられた。くじは第十二の月、すなわちアダルの月に当たった。
8節:ハマンはクセルクセス王に言った。「王国のすべての州にいる諸民族の間に、散らされて離れ離れになっている一つの民族があります。彼らの法令はどの民族のものとも違っていて、王の法令を守っていません。彼らをそのままにさせておくことは、王のためになりません。

・ハマンはユダヤ人殲滅の時期をくじ、すなわち占いで決めた。(新共同:石、木片を用いたと説明がある)
・時はクセルクセス王の治世第12年の第1のニサンの月。くじにより第12のアダルの月が出た。
・11か月後であり、神の配剤であろうと思われる。
・早速、王に進言するハマン。
・どの州にも存在する民族がいて、彼らは独自の法を守り、王の法令には従わない。
・そのままにしておいてはいけません。

ハマンは真実を告げてはいない。独自の法とは神のことであること。また、クセルクセス王の法に従っているところもある。➡エステルの婚姻は、律法にではなく、王の法令に従っている!

9節:王様。もしよろしければ、彼らを滅ぼすようにと書いてください。私はその仕事をする者たちに銀一万タラントを量って渡します。そうして、それを王の宝物庫に納めさせましょう。」

・ユダヤ人殲滅の許可があれば、ハマンがその仕事の従事者に銀一万タラント(340t)支払うという。その銀は王の宝物庫に納められることとなる。新共同:「官吏たちに支払い、国庫に納めるようにします。」

10節:王は自分の手から指輪を外して、アガグ人ハメダタの子で、ユダヤ人の敵であるハマンにそれを渡した。
11節:王はハマンに言った。「その銀はおまえに与えられるようにしよう。また、その民族もその銀でおまえの好きなようにするがよい。」

・王の指輪を渡すということは、決定権をハマンに委ねたということ。
・ユダヤ人の敵であるハマン→新共同:ユダヤ人の迫害者、アガグ人ハマンに渡して・・
・納められた銀はすべてハマンのものとする。
・その民族はハマンの好きにすればよい!・・ユダヤ民族とは一言も言っていない!

神以外に膝をかがめない民族として、ユダヤ人は有名だったのではないか。
ハマンは敢えて、その名を出さなかったのではないかと思われる。

12節:そこで、第一の月の十三日に、王の書記官たちが召集され、ハマンが、王の太守、各州を治めている総督、各民族の首長たちに命じたことがすべて、各州にその文字で、各民族にはその言語で記された。それは、クセルクセスの名で書かれ、王の指輪で印が押された。

・第1のニサンの月の13日に王の書記官が招集され、王の太守、総督、首長に命じられた
  内容が、各州、各民族の言葉に翻訳され、王の印が押された。(勿論、ハマンが実施)
・法令として発布された。これはもう、取り消し不可である。


13節:書簡は急使によって王のすべての州へ送られた。それには、第十二の月、すなわちアダルの月の十三日の一日のうちに、若い者も年寄りも、子どもも女も、すべてのユダヤ人を根絶やしにし、殺害し、滅ぼし、彼らの家財をかすめ奪えとあった。
14節:各州に法令として発布される文書の写しが、この日の準備のために、すべての民族に公示された。

・急使・・当時の特急便。書簡(勅書)の内容は、第12のアダルの月の13日の1日中に、
  ユダヤ人の老若男女、子供など全員を殺害して滅ぼし、財産を奪え!というもの。
・この法令の写しが各民族に配られ、民族はその日に備え、準備を進める。

時の権力者の命となれば、まさに民族の絶滅を意味する法令!!
ユダヤの民は、「神の怒りはまだ収まらないのだろうか?捕囚という身分のなんと哀れなことか!」と思ったかもしれない。

15節:急使は王の命令によって急いで出て行った。この法令はスサの城でも発布された。このとき、王とハマンは酒を酌み交わしていたが、スサの都は混乱に陥った。

・スサの城で発布されたということは、モルデカイも殲滅の危機を認識した。
・スサ(要塞の城とも)の都が混乱する中、王とハマンは酒を酌み交わす。

 

現代に起こる反ユダヤ主義の実際

(飯山陽著 『ハマス・パレスチナ・イスラエル』より)
赤ちゃんを丸焼きにし、子供の腕を切断し死ぬまで放置し、妊婦の腹を裂き胎児を引きずり出して殺し、子供の見ている前で母親の乳房を切り取り、父親の目をくり抜き、女児から老女まで女という女を骨が折れるほどの強い力で凌辱し、民家に放火し一家全員を生きたまま焼き殺し、老若男女を問わず斬首し、遺体に唾を吐きかけ、遺体を車で引き回して歓声をあげた。(2023年10月7日のイスラエルに対するハマスのテロ)


4章
1節:モルデカイは、なされたすべてのことを知った。モルデカイは衣を引き裂き、粗布をまとい、灰をかぶり、大声で激しくわめき叫びながら都の真ん中に出て行った。
2節:そして王の門の前のところまで来た。王の門の中には、粗布をまとったままでは入ることができなかったのである。

・衣を引き裂き、粗布をまとい、灰をかぶり、泣きわめく。➡深い悲しみと神への嘆願を 表している。
・モルデカイの思い。➡自分の行為がきっかけになっていると思っている。自分だけが殺 されれば良いのに、民族殲滅となるとは!ハマンの支配下(捕囚民)にある事が残念!
モルデカイは悪くない。彼は信仰を貫いた。後は、神に頼る以外ないと考えるのは当然である!
・その状態で王の門の前まで来た(エステルに会いに来た)。⇦祈りの結果であろう

3節:王の命令とその法令が届いたどの州においても、ユダヤ人の間には大きな悲しみがあり、断食と泣き声と嘆きが起こり、多くの人たちは粗布をまとって灰の上に座った。

・どの州においても、ユダヤ人はその法令に悲しみ、断食と泣き声と粗布と、灰の上に座る。

当然、この知らせはユダ州エルサレムにも届いていた。そして悲しみに暮れた。
神殿はあったが、城壁は破れていた。エルサレムもこの時は大騒ぎとなっていただろう。

4節:エステルの侍女たちとその宦官たちが入って来て、彼女にこのことを告げたので、王妃は非常に痛み苦しんだ。彼女はモルデカイに衣服を送り、それを着せて、粗布を脱がせようとしたが、彼はそれを受け取らなかった。
・モルデカイの様子を聞いたエステルは、法令のことも併せて非常に痛み苦しんだ。
・エステルは、直接会えず、侍女、宦官に衣服を与えさせたがモルデカイは拒否する。
モルデカイは、エステルの身分を隠すためにも、信頼できる人物でなければ話すことができない。この時点でモルデカイは何らかの対策を考えついていたと思われる。
ここにその表現はないが、モルデカイは神に祈り、民族の殲滅を神が許されるはずがないと信じて、自分ができることを実行することを良しとした。
預言を見ても決して民は滅びない。キュロス王が出たし、帰還もできたのだ。
ならば自分ができることをやる!エステルが王妃となったのも、もしかしたら、神の導きかもしれない!

 

現代にも生きる預言

すでに、イザヤ書、エレミヤ書の預言が成就していることは、モルデカイも知っていたし、周知のことと思われる。

しかし、今回のように具体的な法令という形で、死刑宣告のような命令を言い渡されることは、相当に大きな動揺となる。
預言されているからといって、のんびりしていてはいけない!自分のできることを、精一杯やることが期待される。

旧約聖書の預言書は、近未来と遠未来の預言であり、新約聖書にも黙示録という預言書が巻末に与えらえている。それは希望である。
これらの預言書を信じることは、私たちの人生を新しい希望で満たしてくれる。
希望が与えられているからこそ、神の子として神に信頼し、キリスト者として相応しくその香りを放ち、自分の人生を歩んで見せましょう!

 

『私たちは、救われる人々の中でも、滅びる人々の中でも、神に献げられた芳しいキリストの香りなのです。』 Ⅱコリ2:15

2024年02月01日