ダニエル書10章14節~11章1節
14節:私は、終わりの日にあなたの民に起こることを分からせるために来た。その幻は来たるべき日を待たなくてはならないが。」
15節:彼が私にこのことを語っている間、私はうつむいて黙っていた。
天使は、目的を告げた。
「あなたの民に起こる終わりの日について理解させるために来た。」
9:22に似るが、更に詳しく理解させようとする意図が感じられる
「来たるべき日を待たなくてはならないが・・・。」来たるべき日→患難時代
患難時代まで、様々な歴史の展開があり、決して楽な道ではない。そのことを知っておくように!
あなたの民→イスラエルの民が患難を経て、最終勝利すること。(教会ではない)
最終勝利はするが、そこに至るまでにはまだ時間が掛かり、迫害が続くことも知り、また、伝えなさい。
ダニエルは、必死に立ち上がり、話を聞こうとするが力が続かない。
16節:ちょうどそのとき、人のような姿をした方が私の唇に触れた。それで私は口を開いて話し出し、私に向かって立っていた方に言った。「わが主よ。私はこの幻によって苦痛に襲われ、力を保てなくなりました。
17節:わが主のしもべが、どうしてわが主と話せるでしょう。私には、もはや力はなく、息も残っていません。」
18節:すると、人のように見える方が、再び私に触れて力づけてくれた。
19節:その方は言った。「特別に愛されている人よ、恐れるな。安心せよ。強くあれ。強くあれ。」その方が私にそう言ったとき、私は奮い立って言った。「わが主よ、お話しください。あなたは私を力づけてくださいましたから。」
天使は話すこともできないダニエルの唇に触れ、思いを話させた。
もう一人の天使がいるという事ではない。
この時ダニエルは、「わが主よ」という。
「わが主」は、原語では「アドニ」となっている。「アドナイ」なら神を指す。
・アドニは「神」を指すものではなく、「ご主人様」(Sir)という言葉である。
再び、天使はダニエルに触れ、力を与える。
ダニエルは奮い立ち、「わが主よ」ともう一度言う。
19節「神に特別に愛されている人よ」の言葉を聞いた時、ダニエルは恐れから平安へと変化した。
断食のダメージが徐々に改善され、心身共に回復し、話を聞く準備は整った!
20節:すると彼は言った。「私がなぜあなたのところに来たか、知っているか。今、私はペルシアの君と戦うために帰って行く。私が去ると、見よ、ギリシアの君がやって来る。
21節:しかし、真理の書に記されていることを、あなたに知らせよう。私とともに奮い立って、彼らに立ち向かう者は、あなたがたの君ミカエルのほかにはいない。
11章
1節:私はその彼を強くし、力づけるために、メディア人ダレイオスの元年に立ち上がった。」
時代、支配者の移り変わりの背後に、天使と堕天使の戦いがある事が語られる。(霊的戦い)
ダニエルのところに来た理由→真理の書に記されていることを知らせるため。
ここに来る前に、この天使がペルシアの堕天使と戦っていた。
そして、今はミカエルが加勢し、此処に来ているが、ダニエルに話した後、天使はペルシアに戻る。
後にギリシアの君に、対戦相手が変わることになる。異邦人の時の進展を示している。
既にダニエルは、バビロン→ペルシアという変化を体験している。
真理の書に記されているとおり!
「真理の書」には、過去、現在、未来の出来事が記されている。参考にされる本(資料)のようなもの。ダニエル書をはじめ、その一部が聖書に記されている。
このようにイスラエルのために堕天使と戦う者は天使長ミカエルである。
この天使は、かつてそのミカエルに加勢した。ダレイオスの元年(BC539年)、バビロンからペルシアに移った時である。
神の前での申し開き
クリスチャンとしての生き方
詳細な未来を語られ始めるダニエル。
これまでの様々な経験や預言から、彼に、神の確実な未来の成就を疑う余地はない。
彼の年齢は、もう最後の時が迫っている。
彼は、未来の確実性を完全に信じ切っていたから、いのちの続く限り神の仰せに従う姿勢を貫いた。
それは、死んだ後に神のもとで、申し開きすることを悟っていたからだと思えてなりません。
「ですから、私たちはそれぞれ自分について、神に申し開きをすることになります。」 ロマ14:12
ヘブ4:13、Ⅱコリ5:10、等
決して死んで終わりの人生ではありません。肉体は死んでも、新たに生き続ける意味をよく考えましょう。
神の御心を伝えてくれた預言者の思いを手本とし、クリスチャン人生の醍醐味を徹底的に味わいましょう。