ヨナ2章1節~10節
1節:ヨナは魚の腹の中から、自分の神、主に祈った。
この祈りは、2節~9節までの一連の出来事があった後の祈りである。
いったん死んだヨナが、主のあわれみによりたましいが肉体と合体し、復活して息を吹き返し、そして祈ったということ。
配置を考えれば、9節と10節の間にある方がわかりやすい。
2節:「苦しみの中から、私は主に叫びました。すると主は、私に答えてくださいました。よみの腹から私が叫び求めると、あなたは私の声を聞いてくださいました。
「私が苦しみの中から主に叫ぶと、主は答えてくださった。」
どこで叫んだかと言うと、よみの腹の中・・・・つまり、シオールと言うところ。
1節で魚の腹の中と言っているが、ヨナのたましいは、シオールへと向かって落ちていったことを示す。つまり、ヨナは海に沈み、確実に肉体的に死んでいるということ。肉体は滅ぶが、霊は滅びないと言うこと!
そこまで落ちて、叫んだ時、主はヨナの声を聴いてくださったと言っている。
これは、ヨナにとって、神の御力を受けたとんでもない経験ゆえに、冒頭にこの文章が書かれたのではないか!「経緯はこうです。」と言って次節に続いて行く。
3節:あなたは私を深いところに、海の真中に投げ込まれました。潮の流れが私を囲み、あなたの波、あなたの大波がみな、私の上を越えて行きました。
「あなたは私を・・・」。実際には船員が海にヨナを放り投げたが、ヨナは神のなさったことと認識。これは、明確に、神は自分だけを対象にしていると認識している。
放り込まれたのは海の真中。そして潮の流れ、大波が逆巻き、自分の上を越えて行く状態で、息もできず、海中に沈むのに時間はいらない。
「ああ、もう駄目だ!ここで死ぬんだ!」と、ヨナは確信した。
ヨナは覚悟していたにも拘らず、その時、自分の無力さを知り、神の偉大さを知る。
自然をも支配される神の怒りに触れ、私は心の底からこの神を恐れている!
4節:私は言いました。『私は御目の前から追われました。ただ、もう一度、私はあなたの聖なる宮を仰ぎ見たいのです。』
こうして、死を目の前にして、彼は思った。自分は裁かれる者となってしまった。偉大なる神から逃れることはできないうえに、こうして裁かれることになってしまう。
ヨナは叫んだ。「ただ、もう一度、私はあなたの聖なる宮を仰ぎ見たいのです。私は心から神を愛しています~!主よ!」→ 栄光をたたえたい!
5節:水は私を取り巻き、喉にまで至り、大いなる水が私を囲み、海草は頭に絡みつきました。
6節:私は山々の根元まで下り、地のかんぬきは、私のうしろで永遠に下ろされました。
しかし、私の神、主よ。あなたは私のいのちを滅びの穴から引き上げてくださいました。
潮がのどに達する。息ができない!海に沈み、海藻が頭に絡む状態。
山々の根元・・海底に到達。
地のかんぬき(シオール)は、私のうしろで永遠に下ろされました。・・・肉体が死に、たましいが永遠の死へ。たましいはシオールに行き、肉体は死んで、魚の腹の中。
しかし、私の神、主は私を引き上げてくださった! → 4節の祈りが神に届いた!?
滅びの穴からヨナが復活した!!神の奇蹟が起きた。
7節:私のたましいが私のうちで衰え果てたとき、私は主を思い出しました。私の祈りはあなたに、あなたの聖なる宮に届きました。
この状態は、肉体とたましいが一つとなって回復した状態である。(魚の腹の中で意識が戻った)
私のたましいがよみに行ったとき、私は主を思い出し祈ると、その祈りは聖なる宮、すなわち神の御前に届き、私は神の恵みによりこの地に戻ることができた。
8節:空しい偶像に心を留める者は、自分への恵みを捨て去ります。
偶像を拝む者に、この恵みは与えられない。異邦人はこの恵みを捨て去るが・・・、
このことばに秘められた、ヨナの気持ちはどういう感覚だろうか?
死を前にして、ヨナの、神の民としての思いは素晴らしい信仰心であるが、一方、異邦人に対しては、軽視するような思いが根底にあるように見える
9節:しかし私は、感謝の声をあげて、あなたにいけにえを献げ、私の誓いを果たします。救いは主のものです。」
異邦人は求めないが、私はこの恵みを求めます!
感謝して、いけにえを捧げて、誓いを果たします。(誓願)
救いは主のもの。神、あなた以外に本物の神はない!
ヨナは、あの船員たちの深い仕事に対する姿勢や隣人愛に気付いていただろうか。
実は、船員たちも上陸後、へブルの神にいけにえを捧げ、誓願を立てていた。
予想外の命がけの経験から、船員たちはへブルの神を信じる者となった。
10節:主は魚に命じて、ヨナを陸地に吐き出させた。
主は魚に命じて、吐き出させた。この時、港町は大騒ぎとなった!!
魚の口から人が出てきたという目撃情報、または証言があっただろう。
この人は、3日前に難破しそうになった船に乗船していたへブル人の預言者。この預言者の言うとおりにしたら、嵐が静まり、皆が救われたと、船長、船員たちが証言している。
彼らはヨナが死んだと思っていた。しかし、・・神はこの預言者を生かし、どうしても用いようとされているようだ。話を聞くと、一度死んだが、神により復活したと言う。すごい預言者だ!そして、彼が託された預言は・・「ニネべの崩壊の日が近づいていることをニネベに告げよ!」