ゼカリヤ1章1節~6節

ゼカリヤの人物像

ゼカリヤは、イドの子であるベレクヤの子。
若い頃に神にみことばを語られた預言者。
エズラ記(5:1、6:14)ではイドの子、と記されている。            
→若い時、父と死別し、イドに育てられたとも推察されている。

 

*以下は不確定ですが、興味深い内容なので挙げておきます。

ネヘミヤ記(12:6)ではイド族の頭なる祭司ゼカリヤと同一人物の可能性あり。
ネヘミヤ記(12:4)にある第一回帰還者名簿のイドが祖父となる。
本書では預言者となっているが、ネヘミヤ(12:16)でも祭司となっており、本書の3-4章や7章3-7などから、祭司であったとも推察される。


ゼカリヤの名前は、「【主】は覚えている」の意味。
興味深いのは父と祖父の名の意味。
父ベレクヤは「【主】は祝福する」で、祖父は「彼の時」の意味。
「【主】は覚えておられ、その時(彼の時)が来たら、【主】は祝福される」となる。


彼は、エゼキエルやダニエルに似て、幻を見る預言者と呼ばれている。

「夢」と「幻」の違いについて中川先生の説明は、⇒寝て見るのが「夢」、目が覚めている時に見るのが「幻」、とのことです。興味深いですね。

幻は、一日も過ぎないうちに忘れるようなものではなく、明確に記憶されるもの。
彼の活動期間は50年(前520~前470)と言われている。(中川先生クレイより)


時代背景

当時の総督はシェアルティエルの子ゼルバベル。大祭司はヨシュア。
ダレイオス第2年に、ハガイに続きゼカリヤに預言があった。
当時、シナゴーグ(会堂)は盛んに建てられていたが、霊的には不十分であった。
ハガイの7月の預言は、民が、神殿の規模が過去と違うことを理由に、再建工事を 中断していることについて、神は、DKNJとMTOを語り、民の心を未来に向けられた。
次にゼカリヤに初めて預言があり、それは8月であった。過去をよく考え、過去と現在の預言者のことばに耳を傾け、悔い改めることを求めている
次に、ハガイは9月の預言で、民全員に悔い改めを求め、過去をよく考え、神に気付けと言い、更に、もう一度DKNJを告げて、総督と民全員を励ました。
ハガイの活動は短期間で終わるが、預言の働きが、ハガイからゼカリヤに繋がっているのがよくわかる。発信元は神お一人!二人の預言者の連動は珍しい!


1節:ダレイオスの第二年、第八の月に、イドの子ベレクヤの子、預言者ゼカリヤに、次のようなのことばがあった。

2節:「はあなたがたの先祖に激しく怒った。

ダレイオスの第2年、8月に、ゼカリヤにあった主の預言。
「主があなたがたの先祖に対して、激しく怒った」という過去がある。それはバビロン捕囚。バビロン捕囚は矯正的裁きである。


3節:あなたは人々に言え。『万軍のはこう言われる。わたしに帰れ。 ―万軍ののことば― そうすれば、わたしもあなたがたに帰る。 ―万軍のは言われる。』

ハガイへの7月の預言は、気落ちする民を励ます内容だった。

ゼカリヤへの8月の預言は、「神に帰れ。そうすれば、神もあなたがたに帰る。」という悔い改めと気づきの促しである。この後、9月にもハガイに預言し、民に悔い改めを促された。

 

4節:あなたがたの先祖のようであってはならない。先の預言者たちは彼らに叫んで言った。『万軍のはこう言われる。あなたがたは悪の道と悪しきわざから立ち返れ。』しかし、彼らはわたしに聞かず、わたしに耳を傾けもしなかった。 ―のことば―

かつて、先の預言者たちはあなたの先祖に、神のことばを語っていた。

悪の道から、万軍の主に立ち返れ!と言っても、彼らは、神の元へは帰らず、耳も傾けなかった

5節:あなたがたの先祖たちは、今どこにいるのか。預言者たちは永遠に生きるだろうか。

先祖たちは既に滅んだか、捕囚の状態。預言者たちも死んだか、殺された状態。

結局、近い先祖たちは住まいを失くし、捕囚されている。預言者は死んだが、彼らの預言はすべて実現し、自分たちは捕囚となっている。神のことばは必ず成就すると、身に染みている先祖たちが目に浮かぶ。

6節:しかし、わたしのしもべである預言者たちにわたしが命じた、わたしのことばと掟は、あなたがたの先祖に追い迫ったではないか。それで彼らは立ち返って言ったのだ。

『万軍のは、私たちの生き方と行いに応じて、私たちにしようと考えたことをそのとおりになさった』と。」

彼ら先祖たちは神に立ち返って、真剣に語った。
「万軍の主は、私たちの生き方と行いに応じて、私たちにしようと考えたことをそのとおりになさった。」
彼らは神の実在を体験した。神は見ておられ、神の民として相応しくなければ促しをされ、それでも無視するなら、必ず矯正的裁きがあるということを。
ハガイ書で繰り返された、「よく考えよ」のことばが心に浮かぶ!
過去を見て、先祖の堕落の道を歩まず、神に信頼することが最重要課題!
こうした切り口から、民に対する霊的覚醒(未来を見る目線)を促される神


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重要なことは、神と民(人間)との正しい関係の認識である。
イスラエルの民が先祖の過ちに帰ることなく、新しい心で主に信頼して歩むように、神は民を導かれている。(それが根底にあるサタンとの戦い)
私たちも、過去の古い自分に帰ることなく、新たな神の子として、力強く歩む。神の教えは、いつの時代も同じであり、この思いに確実に応答することが神の子。
私たちも日々、霊的覚醒について意識しよう。それが聖書の示す重要な教えの一つ!

2022年12月23日