ミカ4章1節~5章1節

1節:その終わりの日、の家の山は、山々のかしらとして堅く立ち、もろもろの丘よりも高くそびえ立つ。そこへもろもろの民が流れて来る。

2節:多くの国々が来て言う。「さあ、の山、ヤコブの神の家に上ろう。主はご自分の道を私たちに教えてくださる。私たちはその道筋を進もう。」それは、シオンからみおしえが、エルサレムからのことばが出るからだ。

3節:主は多くの民族の間をさばき、遠く離れた強い国々に判決を下す。彼らはその剣を鋤に、その槍を鎌に打ち直す。国は国に向かって剣を上げず、もう戦うことを学ばない。

この個所と同じ内容の預言がイザヤ2:2~4にある。

同時期に、二人の預言者に同じ預言が与えられている。微妙な違いはあるが、神が、聴取者に対して、この預言の重要性を示す意図であったと考える。

1節:その終わりの日(その日の終わり)・・とは、メシア的王国の成就を指す。ミカは、初めにメシア的王国の成就を示している。遠未来の預言である。
「主の家の山」・・エルサレムが一番高い位置となる。それは、大患難時代に、天変地異が起こり、地形が変わり、エルサレムが一番高い山となるという意味。
更に、統治する機構(再臨のイエスの統治)があることを示している。
もろもろの民‥大患難時代を通り過ぎた異邦人たちが、そこに流れて来る。新共同訳では、大河のように民(異邦人)が流れて来る、としている。
2節:大挙して異邦人の民がエルサレムに訪れるのは何故か?目的は?
「ご自分の道を私たちに教えてくださる」・・これは主が直接、その異邦人の民に指導されるということ。彼らは、メシアを受け入れはしたが、肉の命を持った異邦人である。メシア的王国での生き方を直接彼らに指導される。
大患難時代を経た異邦人たちは、その時、実際の神を見て、心底、喜びに満ちる。
エルサレムから神のことばが出るということは、エルサレムが全世界の中心的存在となり、それは神中心の世界(神による統治世界)を示す。
神の価値観が世界に浸透して行く!

3節:主は多くの民族、国々を管理され、問題を処理され、これまでの争いはなくなる。
従って、彼らに武器は必要なくなる。その武器や、武器を造る知恵は第一次産業に    回り、食料の不足はなく、それを奪い合う争いも起こらない。

4節:彼らはみな、それぞれ自分のぶどうの木の下や、いちじくの木の下に座るようになり、彼らを脅かす者はいない。まことに万軍のの御口が告げる。

経済は潤沢に回り、安定した食料事情の元、各国民が「平和」の名のもとに生活する。
これは主が約束してくださるメシア的王国のことである。


5節:まことに、すべての民族は、それぞれ自分たちの神の名によって歩む。しかし、私たちは、世々限りなく、私たちの神、の御名によって歩む。

そんな王国において、異邦人は自分たちの神(都合)で歩む者も出て来るが、イスラエルの民は、いつまでもこの神の約束を信頼して歩むのだ!

メシア的王国では、イスラエル人はだれも神を裏切らない

6節:「その日―のことば― わたしは足を引きずる者を集め、追いやられた者、また、わたしが苦しめた者を呼び集める。

7節:わたしは足を引きずる者を、残りの者とし、遠くへ移された者を、強い国民とする。であるわたしが、シオンの山で、今よりとこしえまで、彼らの王となる。

その日・・とは、大患難時代を指す。(詳細に見ればメシア再臨を指す)
足を引きずる者・・迫害を受けた者と共にヤコブ(足に支障)、つまりユダヤ人を指す。
離散しているイスラエルの民の残れる者を強い国民とする。主が彼らの王となって 永遠に統治する。それは、神が約束された御国の成就を意味している。


8節:あなたは、羊の群れのやぐら、娘シオンの丘。あなたには、あのかつての主権、娘エルサレムの王国が戻って来る。」

羊の群れのやぐら・・原文では「ミグダル・エデル」で、ベツレヘム(近郊)のこと

(創35:19~21)参照
娘シオンの丘・・エルサレム

メシア的王国の時、この両地は栄光の地となる

9節:今、なぜあなたは大声で叫ぶのか。あなたのうちに王がいないのか。あなたの助言者は滅び失せたのか。それで、子を産む女のような激しい痛みがあなたをとらえたのか。

目線は大患難時代の後半期に移っている。(産みの苦しみ・・一般的に大患難時代を指す)
大声で叫ぶのは何故か?出産の痛みに似た激しい痛みの原因は何か?

王がいない!  助言者がいない!(中川先生:議官、新共同訳:参議
政策の失敗により、信頼できる上層指導部の存在(感)が無くなる。
リーダーコンプレックスの影響もあり、イスラエルの民は指標を失う。この事が、真の救い主の求めへと繋がることになるのではないか。

10節:娘シオンよ。子を産む女のように、身もだえして、もがき回れ。今、あなたは町を出て野に宿り、バビロンまで行く。そこで、あなたは助け出される。そこで、があなたを敵の手から贖い出される。

イスラエルの民は虐殺され、更に連行、捕囚されて行く。
その地は、バビロン(黙示録:大きな都バビロン)。当時の世界の中心地。
多くの異邦人国家がユダ・イスラエルを攻める。

町、家々は荒らされ、婦女は犯され、町の半分の人が捕囚されるが、半分は残る。➡ゼカ12:2~5、ゼカ14:1~2 
その時、主がイスラエルの民を敵の手から守られる

10節~5章1節にかけて、ハルマゲドンの戦いの状況が語られている

11節:今、多くの国々があなたに敵対して集まり、そして言う。「シオンは汚されるがよい。われわれはこの目でじっとそれを見ていよう」と。

異邦人諸国が反キリストの号令の下、メギドの平原(イズレエルの谷)に集結し、イスラエルに攻め上る。→シオンが、滅びと言う恥辱を受ける目撃者となるために。

12節:しかし彼らはの御思いを知らず、その御計らいに気づかない。主は、打ち場の麦束のように彼らを集められたのだ。

その異邦人諸国は神の最終的なご計画に気付いていない。結局、異邦人諸国の集結は、神の裁きのためである。


13節:「娘シオンよ、さあ、脱穀せよ。わたしが、あなたの角を鉄とし、あなたのひづめを青銅 とする。あなたは多くの国民を粉々に砕き、彼らの不正な利得をのために、彼らの財宝を全地の主のために聖絶する。」

異邦人諸国にたいして果敢に戦いに応じるイスラエル。神はイスラエルを励まし、神の民はその存在意義を示そうとして戦うのだが・・。
ミカの時代は、神の民としての意味が重要。


5章

1節:今、軍勢をなす娘よ、勢ぞろいせよ。包囲網が私たちに対して設けられた。彼らは、イスラエルをさばく者の頬を杖で打つ。

しかし、残念なことにイスラエルの軍は、完全に包囲されてしまい、敗戦する。
敵がイスラエルの管理者の頬を杖で打つ。→古代中近東の勝利を意味する象徴的行為。

ハルマゲドンの戦い(大患難時代)において、最終的に名ばかりの神の民が生き残ることはないことが示されている重要な預言である。

2022年09月22日