エズラ記6章8節~22節

8節:私は、さらに、この神の宮を建てるために、あなたがたがこれらユダヤ人の長老たちにどうすべきか、命令を下す。王の収益としてのユーフラテス川西方の地の貢ぎ物の中から、その費用を間違いなくそれらの者たちに支払って、滞らぬようにせよ。

9節:また、その必要とする物、すなわち、天の神に献げる全焼のささげ物のための雄牛、雄羊、子羊、また小麦、塩、ぶどう酒、油を、エルサレムにいる祭司たちの求めに応じて、毎日怠りなく彼らに与えよ。

キュロス王の命令に加えて、ダレイオス王の命令が下される。
神の宮の建設費用を、総督タテナイほか、知事たちは、自分たちが徴収した税金の中から滞りなく支払う事!

更にいけにえとして捧げる雄牛、雄羊、子羊、また、小麦、塩、ぶどう酒、油などを毎日滞りなくエルサレムの祭司の希望通りに与える事!
ハガイの預言により、民は神殿再建を最優先としたとき、こうして、更なる経済的な支援が神によってもたらされた。神に従うことで、神の導きを感じることが出来る
私たちの生活も、いつの間にか神を優先せず、後回しにしていないか確認しよう!
折角の神の祝福の循環を、自分でシャットアウトすることが無いように!

10節:こうして彼らが天の神に芳ばしい香りを献げ、王と王子たちの長寿を祈るようにせよ。

ダレイオス王は、キュロス王にあやかり、自らと自分の子どもの長寿を祈らせた。
つまり、提供される費用、ささげものは、そのためのいけにえであったと考えられる。

 

11節:私は命令を下す。だれであれ、この法令を犯す者があれば、その家から梁を引き抜き、その者をその上にはりつけにしなければならない。このことのゆえに、その家はごみの山としなければならない。

12節:エルサレムに御名を住まわせられた神が、この命令を変更してエルサレムにあるこの神の宮を破壊しようと手を下す王や民をみな、投げ倒されますように。私ダレイオスはここに命令を下す。間違いなくこれを守れ。」

更なる命令は、この法令を守らない者への処罰。
お家断絶(梁を引き抜きその上にはりつけ、ゴミとされる)。
ダレイオス王は、神に対して、神殿再建の妨害者への裁きを祈っている。
この命令書も、文書として残されたであろう。以降は、告訴状にて上申するしかない。

神はダレイオス王をも、用いられた。


13節:ダレイオス王がこう書き送ったので、ユーフラテス川西方の総督タテナイと、シェタル・ボゼナイと、その同僚たちは、間違いなくこれを行った。

14節:ユダヤ人の長老たちは、預言者ハガイとイドの子ゼカリヤの預言を通し、建築を行って成功した。彼らはイスラエルの神の命令により、またキュロスとダレイオスと、ペルシアの王アルタクセルクセスの命令によって、建築を終えた。

15節:こうして、この宮はダレイオス王の治世の第六年、アダルの月の三日に完成した。

総督タテナイ、シェタル・ボゼナイ、その知事たちは、王の命令を受け、その命令を忠実に実行した。
かつての敵であったが、彼らも間接的に神殿建築に携わる者となった。(箴言16:7)
ハガイ、ゼカリヤの預言に導かれ、長老をはじめ、人々が覚醒し、神殿は完成した。
最終的には、キュロス王を通して発せられた神の命令は、ダレイオス王、続くアルタクセルクセス王の時代を経て、神殿と城壁が完成した。(注:アルタクセルクス王時代も、告訴状による妨害あり)
神殿完成はダレイオス王の第6年(BC515年)のアダル(12番目の月)の月(2~3月)の3日。
第一神殿崩壊(BC586年)から起算すると、70年が経過。


16節:イスラエルの子ら、すなわち、祭司、レビ人、そのほかの捕囚から帰って来た人たちは、喜びをもってこの神の宮の奉献式を祝った。

17節:彼らはこの神の宮の奉献式のために、雄牛百頭、雄羊二百匹、子羊四百匹を献げた。また、イスラエルの部族の数にしたがって、全イスラエルのために罪のきよめのささげ物として、雄やぎ十二匹を献げた。

祭司、レビ人を中心に帰還の人々は奉献式を祝った。
紆余曲折あったが、この23年間を振り返り、心から喜んだであろう
奉献式のささげものは、雄牛100頭、雄羊200匹、子羊400匹。
それにしても、ソロモン王の時代(1列8:63)と較べると、相当に貧弱。
民も決して豊かではない
罪のきよめのささげものは、雄やぎ12匹がささげられた。

先祖の罪、すなわち12部族が想定されていると考えられる。過去の罪を悔い改めている。
過去を反省し、神の民として律法を守ろうという意識が強く働いているのが分かる。

18節:また彼らは、エルサレムでの神への奉仕のため、祭司をその区分にしたがって、レビ人をその組にしたがってそれぞれ任命した。モーセの書に記されているとおりである。

モーセの律法に従い、祭司、レビ人を組みに応じて任命した。
モーセの書に記されている通りに従い、二度と悲劇が無いように!


19節:捕囚から帰って来た人々は、第一の月の十四日に過越を祝った。

ここから表記がアラム語からヘブル語に戻ります)
帰還民による過越の祭りの開催。第1の月の14日。→捕囚後初の過越の祭り。

 

20節:祭司とレビ人たちは一人残らず身をきよめて、みなきよくなっていたので、捕囚から帰って来たすべての人々のため、彼らの同胞の祭司たちのため、また彼ら自身のために、過越のいけにえを屠った。

清めの儀式を済ませた祭司、レビ人たちは、民や同胞のためにいけにえを屠った。
過越の祭り・・出エジプトの記念、神の偉大なわざ、奴隷(罪)からの解放。
神の導きを知り、過去の神のわざを思い起こし、神の民としての喜びに満ちていた。

この祭りはキリストの型であるとも言われている

21節:捕囚から帰って来たイスラエル人はこれを食べた。イスラエルの神、主を求めて、その地の異邦の民の汚れから離れて彼らに加わった者たちもみなそうした。

バビロン捕囚からの帰還民は皆これを食べた!
『主を求めて、その地の異邦の民の汚れから離れて彼らに加わった者たち』・・??
これは誰を指すのか?異邦人か?イスラエル人か?


22節:そして彼らは七日間、喜びをもって種なしパンの祭りを守った。これは、主が彼らを喜ばせ、またアッシリアの王の心を彼らに向けて、イスラエルの神である神の宮の工事にあたって、彼らを力づけるようにされたからである。

過越の祭り→種なしパンの祭りへ!(荒野生活の記念)。申16:1~8参照。
アッシリヤの王→現在、アッシリヤに居る王たち。キュロス~ダレイオス
人々は、合計8日間、明らかに神の導きに感謝と感動を覚え、喜び祝い、感謝した。
これは神の励まし、導きであり、また預言者たちの働きである。

ゼカリヤ書4:6「彼は私にこう答えた。これは、ゼルバベルへの主のことばだ。
権力によらず、能力によらず、わたしの霊によって』と、万軍の主は言われる。」

2023年07月13日