アモス4章

1節:このことばを聞け。サマリアの山にいるバシャンの雌牛どもよ。おまえたちは弱い者を虐げ、貧しい者を迫害し、自分の主人に「何か持って来て、飲ませよ」と言っている。

「このことばを聞け。」・・神の叱責。バシャンの雌牛どもとは、肥沃な高原の平地(ゴラン高原)に育つ肥えた牛。サマリヤ、つまり北イスラエルの上層部の婦人たちを比喩している。夫に弱者から奪い取るよう言って、贅沢をせびっている。


2節:神である主は、ご自分の聖にかけて誓われる。「見よ、その時代がおまえたちに来る。おまえたちは釣り針にかけて引き上げられる。最後の一人までが、銛で突かれる。

その時代・・アッシリヤ捕囚の時。全員釣り針にかけられ、全員銛でつかれ、縄にかけられる様は、まさにアッシリヤ捕囚を表現している。

 

3節:おまえたちは、城壁の破れ口からそれぞれまっすぐに出て行き、ハルモンに放り出される。―主のことば。

ハルモンとは、ヘルモン山?詳細は不明。捕囚され、散らされるの意味。

 

4節:ベテルに行って背け。ギルガルに行って、ますます背け。朝ごとにあなたがたのいけにえを献げよ。三日ごとに十分の一を献げるがよい。

5節:感謝のささげ物として、種入りのパンを焼き、進んで献げるものを布告し、ふれ知らせるがよい。イスラエルの子らよ、あなたがたはそうすることを好んでいる。―神である主のことば。

ベテル、ギルガルで偶像を拝めばよい!益々拝め!まるで律法に従っているように見えるが、一体何を拝んでいるのか?いったい誰に捧げているのか?
その自己中心的な捧げものをあなたは喜んでやっている。

確かに、その宗教心(行い)はとても熱心である。問題は、その対象が的外れになっていること。的外れは気付かぬうちに罪を生む。

6節:わたしは、あなたがたのすべての町で、あなたがたの歯を汚さず、すべての場所で、パンを欠乏させた。それでも、あなたがたはわたしのもとに帰って来なかった。

―主のことば―

全地域的な飢饉を起こし、歯が汚れることもないほどに食料を不足させた。その時、神に悔い改めて、神に信頼し委ねる信仰に帰ってほしかったのに・・。

 

7節:わたしはまた、刈り入れまでなお三か月あるのに、あなたがたに雨をとどめた。ある町には雨を降らせ、ほかの町には雨を降らせなかった。ある畑には雨が降ったが、雨の降らなかった畑は乾ききった。

8節:二、三の町は水を飲むために、よろめきながら一つの町に行った。しかし、満ち足りることはなかった。それでも、あなたがたはわたしのもとに帰って来なかった―主のことば。

干ばつを与えたが、6節同様、神に帰って来ることはなかった。
完全なる干ばつにはされなかったところに、神の愛がある。


9節:わたしは立ち枯れと黒穂病で、あなたがたを打った。あなたがたの果樹園とぶどう畑、いちじくの木とオリーブの木が増えても、嚙みいなごが食い荒らした。それでも、あなたがたはわたしのもとに帰って来なかった。―主のことば―

農作物に、黒穂病や噛みいなごによって大被害を与えたが、神に帰らない。


10節:わたしは、エジプトにしたように、疫病をあなたがたに送った。剣であなたがたの若者を殺し、あなたがたの馬を奪い去った。あなたがたの陣営に悪臭を上らせ、あなたがたの鼻をつくようにした。それでも、あなたがたはわたしのもとに帰って来なかった。―主のことば―

とうとう、エジプトのように疫病を送り、また戦で大損害を与えた。死体の悪臭は鼻をつくほどだったのに、神には帰らなかった。


11節:わたしは、あなたがたをくつがえした。神がソドムとゴモラをくつがえしたように。あなたがたは、炎の中から取り出された燃えさしのようになった。それでも、あなたがたはわたしのもとに帰って来なかった。―主のことば。

ソドム、ゴモラのように炎に包み、あなたは燃えさしのようになりつつ助かったのに、神に帰ることはなかった。


12節:それゆえイスラエルよ、わたしはあなたにこのようにする。わたしがあなたにこうするから、イスラエルよ、あなたの神に会う備えをせよ。

もう、神のリミッターは切れてしまった。それ故、このようにする。イスラエルよ、覚悟せよ!それは、アッシリヤ捕囚。ここで、「あなたの神に会う備えをせよ」と命じていることに注目! 新共同訳では、「自分の神と出会う備えをせよ」となっている。

これは、神の期待の表明ともとれる。アッシリヤ捕囚は裁きであるが、将来において、真の悔い改めによって神と出会う道を備えるから、その準備をしなさい!

13節:見よ、山々を形造り、風を創造した方。その御思いが何であるかを人間に告げる方。暁と暗闇を造り、地の高き所を歩まれる方。その名は万軍の神、主。

「その御思いが何であるかを人間に告げる方。」とは・・
神の目的は栄光の証明、成就である。そこには、人間の栄化も含まれている。そのような目的を持たれる神はほかに存在しない!
新共同訳では、「見よ、神は山々を造り 風を創造し その計画を人に告げ 暗闇を変えて曙とし 地の聖なる高台を踏み越えられる。 その御名は万軍の神なる主。」  

創造主のご計画は栄光の成就!人を信仰に導き、悪を裁き、真の平安を成し遂げ、栄光を成就する。

2022年01月03日