ダニエル書12章1節~4節

天使の預言は反キリストの預言に展開し、いよいよ最終段階へ入る。11章~12章と章分けされているが、実際は繋がって語られていることを覚えておく必要がある。

 

1節:その時、あなたの国の人々を守る大いなる君ミカエルが立ち上がる。国が始まって以来その時まで、かつてなかったほどの苦難の時が来る。しかしその時、あなたの民で、あの書に記されている者はみな救われる。

(この個所は前節から続いている内容)
11章45節で反キリストは死んだが!その時!・・・という感じであろう。患難時代の後半の始まり。
黙示録12:7~12に内容が示されている。
「大いなる君ミカエルが立ち上がる。」・・大天使ミカエルはイスラエル国の守護天使
天上にて・・大天使ミカエル軍とサタン軍の戦いが始まる。ミカエルが勝利しサタンは地上に落とされる。
地上にて・・これは地球でのサタンの監禁を意味する。サタンはその期間が3年半だと知っている。サタンは怒り、 死んだ反キリストを蘇らせ、彼に超自然的な力を与えて地上を支配させようする。
天上ではサタンが落ちて喜ぶが、地上では大変な災いの始まりとなる。DKNJ後半の災い。

黙示録12:15~16が示す内容
・ 蛇、竜はサタンを表し、女はイスラエルを表す。大水は軍隊、軍事行動を指す。⇒この攻撃を阻止するのが大天使ミカエルの働き
・ 反キリストを死から蘇らせ、力を与えてエルサレムを占領させる。
・ 更に逃げるユダヤ人を追わせる。→ユダヤ人と神との関係を断ち切るため。

「かつてなかったほどの苦難」・・この後半の3年半のサタン、反キリストの攻撃はユダヤの民にとって激烈!

ルカ12:48「・・多くを与えられた者は多くを求められる。・・」・・多くの罰が与えられる
「あの書」・・いのちの書を指す。書に記される資格のあるユダヤの選民たちは皆救われるという意味。
患難時代の後半は前例にない迫害が起こる。反キリストがユダヤ人の殲滅を図る。
それを阻止するのは大天使ミカエル。しかし、その迫害は史上最大の迫害。
その大患難時代で生き残る者は、いのちの書に名が記されている者で、彼らはメシアを信じる者である。(ゼカ12:10)

 

患難時代の前半期から後半期に移行する時点(中間)で発生する出来事

・反キリストの死
・天上でのミカエル軍とサタン軍の争い。
・ミカエル軍の勝利→サタンが地上に落とされる。(監禁)
・サタンは反キリストを蘇らせ、超自然的力を与える。
・10国中の3国(エジプト、シリア、イラク)を攻め、イスラエルを攻めて神殿に入り、荒らす忌むべき者となる。
・反キリストは、二人の預言者を殺す。
・後半の3年半、反キリストは世界の独裁的支配者となる。

2節:ちりの大地の中に眠っている者のうち、多くの者が目を覚ます。ある者は永遠のいのちに、ある者は恥辱と、永遠の嫌悪に。
「多くの者」・・ヘブル語「ラビム」は、イスラエルを対象としてその中の多くの者という意味。×「大群衆、すべて」
「眠っている」・・死の婉曲表現。「大地の中」・・塵の中。
「目覚め」・・ヘブル語「キッツ」・・目覚めは復活を説明するときに用いられる言葉。(詩3:5、イザ26:19など)
続く文章から、2種類の復活が示されている。どちらかに分けられる。(人類全員も同じこと)
2種類の「永遠」

・ ある者は「永遠のいのち」
・ ある者は「恥辱と永遠の嫌悪(軽蔑、忌まわしい)」
2種類の「ある者」
①義なるイスラエルの聖徒 
②イスラエルの不義なる人

3節:賢明な者たちは大空の輝きのように輝き、多くの者を義に導いた者は、世々限りなく、星のようになる。

「賢明な者たち」・・復活した義なる聖徒たち。メシア的王国に生きる人々。
「大空の輝き」・・大空とは「広がり」を意味し、ここではシャカイナグローリーという神の栄光。
「多くの者を義に導いた者」・・DKNJの14万4千人は、特に多くの者を義人とする。愛の労働とその報酬。
彼らは後に特別な地位を与えられることになる。

4節:ダニエルよ。あなたは終わりの時まで、このことばを秘めておき、この書を封じておけ。多くの者は知識を増そうと捜し回る。」

「終わりの時まで」・・患難時代まで
DKNJまで、この書が保存されている必要がある。
「秘めておき、封じておけ」・・封じておけ、とは封印しておけ、保存しておけということ。
封じておく対象は、10章から12章の内容を指している。
封じる理由は、理解するには多くのギャップがあるから。これは、神が意図したギャップである。(ダニ12:9)
将来、このギャップを埋める啓示が必要である。それが新約の黙示録。
・ ダニエルに対して「秘めておけ」
・ ヨハネに対して「(黙示録を)封じてはなりません」 黙示録22:10
秘めておく理由は、ダニエル書が患難時代を生きる人々への情報(励まし)となるから。
「捜し回る」・・この表現は「知識」の探求を意味している。
この知識とは、終末の具体的な知識という意味。
つまり、10~12章の答えを必死に探究することで知識、理解が増す。しかしそこには大きなギャプがあり、更に深い理解は、新約聖書の黙示録を待たねばならない。
フルクテンバーム博士
「多くの人が終末の知識を求め奔走します。ダニエル書が保存されていたことにより、彼らはダニエル書にその情報を見つけます。ダニエル書を読むことは終末の情報を増し加えることに繋がります。」
ここで天使の預言は一段落する。つまり、預言の提示はここまでという事。

 

『ダニエルよ、かようにユダヤの民の苦境はまだまだ続くのだ。あなたと後の人々のために終末の最後の勝利について少し話したが、今はここまでだ。この内容はしばらく封印、保存しておくように!』と神が語っているように思えました。

 

『2種類の復活』

キリストを信じる人、神の領域にある人は死んで後、必ず栄光の身体に甦り、第1の復活を体験します。
神の領域にいない人達も、第2の復活を体験します。それは、1000年間のメシア的王国終了時に開かれるキリストによる「白い御座の裁き」の時です。
その復活は、永遠の裁きを受けるための復活であり、罰を受けるために身体を受けるという事。
裁きによって下される罰は、彼らを、光のない、希望のない、永遠の苦しみの世界へと落とします。
このように、全て人間は肉の命を落としても、その人生が永遠に終わることが無いことに気付くべきです。
神は聖書を通して、復活、永遠のいのちの存在を明言しています。
永遠の人生を、何処でどのように生きるかが、人として生まれてきたことの最重要課題。
神の領域にいることを喜び、未来を見据えた人生を、これからも共に歩んで行きましょう。

 

知られている私たちの祈りと心
ダニエルは獅子の穴事件を経験し、必死に祈り、罪深きイスラエルの罪の解放を、心から神に願いました。それが断食となったのではないでしょうか。
高齢でありながら、断食の祈りへと至った彼の思いは、真の悔い改めと、執り成しの心と、神への憐みに対する純粋な期待からだったのではないでしょうか。(全幅の信頼)
神はダニエルの祈りを聞き、何度も終末の預言を知らせましたが、改めて、まだまだ続くイスラエルの苦難の歴史を垣間見せ、預言を残すことの働きに従事させたと思われます。
このように神は、神に信頼する者のどんな祈りも漏らすことなく聞き取っておられ、その心を知っておられます。
更に、今我々には「聖霊」が内住され、その祈りも心も明確に神に届いていると考えて、全幅の信頼を置くべきです。
「何も思い煩わないで、あらゆる場合に、感謝をもってささげる祈りと願いによって、あなたがたの願い事を神に知っていただきなさい。そうすれば、すべての理解を超えた神の平安が、あなたがたの心と思いをキリスト・イエスにあって守ってくれます。」ピリピ4:6~7

 

2024年09月06日