エレミヤ書1章1節~3節 後半

ヨシヤ王の家族
・ヨシヤ王
長男・・ヨナハン(王位継承せず)
次男・・エホヤキム(エリヤキム)・・・息子エホヤキン
三男・・ゼデキヤ
四男・・エホアハズ(シャルム)

 

王位継承
ヨシヤ→エホアハズ(四男)→エホヤキム(次男)→エホヤキン(孫)→ゼデキヤ(三男)
ヨシヤ王以外いずれの王も神に反する王であった!


王家について

ヨシヤ王(BC640/641~BC609)(Ⅱ列22:1~23:30、Ⅱ歴34:1~35:27)
マナセ王(祖父)ユダ史上最悪王神の裁き(バビロン捕囚)を決定づけた!→アモン王(父)悪王→ヨシヤ王(8歳~)

ヨシヤ王は善王として活躍
・荒廃した神殿を回復。その最中のBC622に神殿で申命記が発見された。
・彼の回復はイスラエル北部に及び、数々の偶像を解体した。
・ちなみに、BC628~神の国としての復興を目指した。この翌年BC627にエレミヤが預言者として召された。

エホアハズ王、別名シャルム(BC609~3ヵ月間)(Ⅱ列23:31~35、Ⅰ歴3:15、Ⅱ歴36:1~4)
 23歳で即位するも、エジプトのネコ王に廃位されエジプトにて追放・監禁されて死亡。

 

エホヤキム王(BC609~BC598)(Ⅱ列23:36~24:7、Ⅱ歴36:5~8)
・BC605年、バビロンがエジプトを征服。
・その時エホヤキム王はバビロンに捕囚される。(ダニエルと同じ第一次捕囚)
・エホヤキムはエルサレムに戻されたがバビロンに朝貢するようになる。
・この期間中にエレミヤはバビロン捕囚を神の裁きと考え、悔い改めを説く。

 

・エホヤキム王はエレミヤの巻物を読ませ、その警告を無視し、巻物を火にくべた。(エレ36:23~24)
・更にもう一人の預言者ウリヤの暗殺を命じ、エジプトで捉えて殺害した。(エレ26:20~30)
・エレミヤは神の命によりもう一度巻物を書き直した。神はエホヤキム王を裁かれた。(エレ36:27~29)

 

・エホヤキム王の裁きは、バビロンへの朝貢を止めたときに成就。
・ネブカドネツァル王はエルサレムを包囲し、エホヤキムは殺された。(エレ22:19、36:30)
・エホヤキム王は殺されその遺体は城壁の上に投げ出された。(史家ヨセフスによる)

エホヤキン王、別名エコンヤ(BC597~在位3ヵ月)(Ⅱ列24:8~16、Ⅱ歴36:9~10)

・BC597年にネブカドネツァル王に降伏。(マナセ王の罪の結果)
・エホヤキン、家族、宮廷関係者は捕囚されて投獄。
・一万人が捕囚。(第二次捕囚)エゼキエルも含まれていた。(Ⅱ列24:14~16、エゼ1:1~2)

・ネブカドネツァル王は、最貧民を残して捕囚し、神殿も襲撃、強奪。(Ⅱ列24:13~14、Ⅱ歴36:10)
・エホヤキンは捕囚から37年後、バビロンで、ある程度の自由を与えられた。

 

・エレミヤは、エホヤキンの死を預言し、更に神の呪いを預言した。(エレ22:24~30)
・この呪いにより、ダビデの子としてのメシアに影響を与えた。(肉体的繋がりがなくなる)
エホヤキンは神に呪われ、彼らの子孫からは直接的にメシアは生まれない。ダビデの流れではあるが、イエスは聖霊によって、マリアを通して地上に生まれたのである。

ゼデキヤ王、(BC597~BC586)(Ⅱ列24:17~25:7、Ⅱ歴36:11~21)ユダ最後の王。
・元の名はマタンヤ(またはマタヌヤ)。即位時にネブカドネツァル王に改名させられた。
・神に頼らず、エジプトの軍事力により頼み、その結果バビロンに打たれ第三次捕囚となる。

・王は捉えられて、息子たちの処刑を目の前で目撃し、すぐに両目をえぐり取られ盲目となった。
・エレミヤはこの王について、広範囲に扱っている。(偽預言者に翻弄される王の姿)

 

知事ゲダルヤ、(BC586~2ヵ月間)(Ⅱ列24:17~25:7、Ⅱ歴36:11~21)
・アヒカムの子、シャファンの孫。アヒカム(エレミヤの保護:エレ26:24など)、シャファン(Ⅱ列22:3~14)
・エルサレム陥落後のユダの総督に任命される。
・エレミヤもゲダルヤのもとに居るためミツパに行く。(エレ40:6)
・ユダの人々に平和に暮らすよう促したが、2ヵ月後、アンモン人たちに殺害される。(Ⅱ列25:25)
この時エレミヤは誘拐され、彼の意に反してエジプトに連行されることになる。(エレ43:1~7)

時代背景(捕囚の歴史

BC605年   カルケミシュの戦い。バビロンがエジプトに勝利し覇権を握る。イスラエ        ル第一次捕囚される。

BC602~1年  エホヤキム王がバビロンに反抗

BC597年   エホヤキム王死亡。エホヤキンが王となるがバビロンに降伏。
        第二次捕囚1万人。ゼデキヤ王が即位。

BC588年   ゼデキヤ王のバビロン反抗により、バビロンがエルサレム包囲。

BC587年   エルサレム包囲の解除・・・包囲の再開。

BC586年   ゼデキヤとその息子の捕囚。第三次捕囚。ゲダルヤが知事。
       エレミヤがエジプトへ行かされる。第四次捕囚
BC562年   ネブカドネツァル王の死
BC561年   ネブカドネツァル王の息子エビル・メロダクがエホヤキン王を解放。

 

エレミヤの預言 

支配者 西暦 エレミヤ書の該当章
ヨシヤ王 BC627
1、2~6
エホアハズ王
BC609
なし
エホヤキム王
BC608
BC605
BC604
BC600
BC599
BC598
BC597
26
25、35(?)、36、45、46:1~12
18~19
13、14
15~17
7~10(?)、11~12、47~49
22~23、24、29
ゼデキヤ王 BC596
BC593
BC589
BC588
BC587
BC586
BC585
30~31
27、28、50~51
34
33
21、32、37、39、38
39、52、40~41、43~44
46:13~18

 

エレミヤの預言の年表(要約版)

支配者 エレミヤ書の該当する章
ヨシヤ王 (BC640~609)  1~7章
エホアハズ王  (BC609)  なし
エホヤキム王 (BC609~598)    11章~17章,22~23章.25~26章,35~36章45~48章
エホヤキン王  (BC597) 31章15~27節
ゼデキヤ王 (BC597~586) 21~22章、24章、27~34章、47~51章
知事ゲダルヤ (BC586)  40~44章
追加記録 (エレミヤ不記載) 52章

 

エレミヤの預言の年表(詳細版

支配者
在位
エレミヤ書の該当する節
ヨシヤ王  BC640~609
1:1~19、2:1~3:5、3:6~6:30、7:1~10:25
エホアハズ王 BC609
なし

エホヤキム王 
BC609~598
11:1~13:14、14:1~15:21、16:1~17:27、22:1~30、23:1~40、25:1~38、26:1~24、35:1~19、36:1~32、45:1~5、46:1~28、47:1~7、48:1~47
エホヤキン王 BC597
31:15~27
ゼデキヤ王 BC597~586
21:1~22:30、24:1~20、27:1~22、
28:1~17、29:1~32、30:1~31:40、
32:1~44、33:1~26、34:1~22、37:1~21、38:1~28、39:1~18、49:1~39、50:1~51:64
知事ゲダルヤ BC586
40:1~42:22、43:1~44:30
追加記録   52:1~34(エレミヤが語ったものではない)

 

旧約聖書とエレミヤ書の関係
・エレミヤ書は、Ⅱ歴代誌(35:25、36:12、36:21~22)と、ダニエル書(9:2)に言及あり。
・いずれも、70年間の捕囚預言の成就と、その速やかな終了を語っている。

 

新約聖書とエレミヤ書の関係
・新約聖書では、エレミヤ書が41回引用されている。(例:マタイ2:17、27:9など)
・とくに黙示録に多く引用されている。(黙14:8、18:2、18:4、18:8、18:21)

 

エレミヤ書のテーマ
・マナセ王の罪の結果によるバビロン捕囚が差し迫ったという破壊の預言。
⇒悔い改めと神への回帰を諭すが、効果なし。

エレミヤ書のテーマはユダに対する不可避な裁きの宣言である!

 

正しい価値判断
・ヨシヤ王は神に回帰したが、それが人々には行き届かず、エレミヤが神の裁きを預言す
るも、人々は神の民の心を忘れ、その結果最悪の気付きの促しである捕囚を経験します。
・現代の日本を見るに、悲しいかな平和に導くはずの上層部の人たちは、先ずは自分の懐を温めることが優先しているように見えてなりません。
・結局のところ、イスラエルの歴史が示すように、たとえ良い人が出て来ても一時の慰めのごとく時は過ぎ、自己中心な世界が世の中を支配して行くのが現実です。
・神は自己中を捨てろと諭され、世は自己中を貫けと導く。この簡単な善悪の真理が受け入れられないのは、死という肉体的終末のとらえ方の違いであろうと思います。
・クリスチャンは永遠に生きるか死ぬかという価値判断をします。そして私たちは、永遠のいのちが本当の財産であり、価値であると胸を張って答える神の子なのです。

ハレルヤ!
「自分のいのちを愛する者はそれを失い、この世で自分のいのちを憎む者は、それを保って永遠のいのちに至ります。」 ヨハネ12章25節

2024年10月11日