エレミヤ書10章1節~16節

1節:イスラエルの家よ、主があなたがたに語られたことばを聞け。
2節:「主はこう言われる。諸国の道を見習うな。天のしるしにうろたえるな。諸国がそれらにうろたえても。

・偶像礼拝の実態が、5節まで風刺のように示されます。
・「諸国の道」・・偶像礼拝
・「天のしるし」・・占星術
偶像礼拝と占星術には密接な関係があった。
神の民は、神のもとに天体があると考える→すべては神の創造

3節:国々の民の慣わしは空しいからだ。それは、林から切り出された木、木工が、なたで作った物にすぎない。
4節:それは銀と金で飾られ、釘や槌で、ぐらつかないよう打ち付けられる。
5節:それは、きゅうり畑のかかしのようで、ものも言えず、歩けないので、運んでやらなければならない。そんなものを恐れるな。害になることも益になることもしないからだ。」

・死んだ木が、木工により加工される。→金銀細工で飾られ、釘で固定される。
・まるできゅうり畑のかかし。人の手が要る。害も益もない無用の長物。
・イザヤ書・・40:18~20、41:7、46:5~7など似た表現が多い。

6節:主よ、あなたに並ぶものはありません。あなたは大いなる方。あなたの御名は、力ある大いなるものです。
7節:国々の王である方、あなたを恐れない者がいるでしょうか。そのことは、あなたにとっては当然のことです。まことに、国々のすべての知恵ある者の中にも、そのすべての王国の中にも、あなたに並ぶものはありません。

・神と偶像が対比して語られます。結論は神の偉大さ。
・この個所は、神の尊厳が語られます。
・唯一の存在。その御名に力がある。賛美でもあることば。
・「国々の王である方」・・神を指す。創造主なる神ならば、それは当然のこと。
・彼らが、唯一本物の神を恐れるのは当然。
・知恵ある者がいても、神の知恵には、到底及ぶものではない。
これこそが、神。唯一無二の絶対的存在である。

8節:彼らはみな間抜けであり、愚かなことをする。空しい神々の訓戒──それは木にすぎない。
9節:銀箔はタルシシュから、金はウファズから運ばれる。これは木工と金細工人の手のわざ。これらの衣は青色と紫色、すべて名匠の作。

・この個所は、偶像が人工物であることが語られます。
・偶像礼拝者は、木に過ぎないものに訓戒を求めるという愚行(間抜け)をする。
・金銀の細工、青や紫の衣などすべて職人、名匠の技による作品である。
※タルシシュ・・正確な場所は不明。スペインのタルテッソと思われる。
 (金、銀、象牙、鉄、錫、鉛などを扱う港。Ⅰ列王記10:22、エゼキエル27:12)
※ウファズ・・場所は不明だが、イスラエルの東と思われる
世界のどこでも、偶像は同じである。作品として鑑賞するものと考える。

10節:しかし、主はまことの神、生ける神、とこしえの王。その御怒りに地は震え、その憤りに国々は耐えられない。

・偶像との対比。
・永遠に生きる神。
・神が真に怒るとき、地は震え、国々は恐れる。
偶像は死んだ木片。地を揺らすこともできない。
神の怒りは地球を揺らし、国々を崩壊させる。
諸国は耐えられず、成す術もない。
大患難時代を指している内容と想像する。

11節:「あなたがたは、彼らにこう言え。『天と地を造らなかった神々は、地からも、この天の下からも滅びる』と。」

・ここで、偶像の末路を示される神。フルクテンバーム博士は、「歌、詩」と言う。
・原語では、この節だけアラム語。更に文法的に交錯法で書かれている。

 

何故、この個所だけアラム語で書かれたのか?

・アラム語・・当時の共通語。アッシリヤ、バビロンで用いられ、世界に普及。
・イスラエルでは、エリート(上層部)、都市部、商業活動で波及していた。
・文脈から・・
① 9章の最終節は「すべての国々の処罰」、 10節の最終文は「憤りに国々は
 耐えられない」であり、神はそんな偶像礼拝者に対し、当時の共通語で、偶像に
 頼る者の末路を突きつけている。(偶像礼拝者への気付きの促し)
②異邦人化したイスラエルの上層部や商人に対しての注意喚起。
③近い将来、偶像礼拝者に捕囚された民への「希望、拠り所」の言葉となる。
※捕囚後のダニエル書においては、2章から7章までアラム語で書かれている。

12節:主は、御力をもって地を造り、知恵をもって世界を堅く据え、英知をもって天を張られた。

・神は、①御力、②知恵、③英知をもって世界、宇宙を創造された。
・偶像にはこれらの能力は皆無。従って、創造は不可能。

13節:主の御声に、天では水のざわめきが起こる。主は地の果てから雲を上らせ、雨のために稲妻を造り、ご自分の倉から風を出される。

・自然現象をコントロールされる神。
・天に水蒸気を集め、雲、そして稲妻、雨、風を発生させる。
・偶像にはそんな力はない。(バアル神の無力さを指摘か)

14節:すべての人間は愚かで無知だ。すべての金細工人は、偶像のために恥を見る。その鋳た像は偽りで、その中には息がない。

・「愚かで」・・(ヘ)馬鹿になる、粗野な、野蛮な・・の意味。
        (英)良識のない、無分別な
・「人間はすべて、神を知らず、知恵を欠いている。」
・金細工人は息をしない偽物を造り、その無力さに恥をかくことになる。

15節:それは空しいもの、物笑いの種だ。刑罰の時に、それらは滅びる。

・偶像は無価値、無意味な、単なる作品。空しいものである。
・「刑罰の時」・・最終的な大患難時代を指す。
・11節の言葉通り、偶像は神によって滅びる!

16節:ヤコブの受ける分はこのようなものではない。主は万物を造る方。イスラエルは主のゆずりの民。その御名は万軍の主である。

・神の永遠なる存在の再認識。
・神に選ばれたヤコブ(イスラエル)は偶像のように滅ぶことは無い!
・生きている創造主なる神が選んだ民だから!
・「分」・・とは、与えられるもの、恩恵を指す。
・「ゆずりの民」・・相続する民:「嗣業(シギョウ)」(キリスト教用語・・ゆずりを受けるの意味)
イスラエルは神から相続を受ける部族として契約され、神はそれを絶対に守られる。
・イスラエルと契約する神は、「万軍の主」と言う名で、すべての国々の神の上に君臨する絶大なる存在!

 

『神を最優先する心』
・神が絶対的主権者であり、完全であるがゆえに、神に全幅の信頼を置くことが出来る。
・しかし、地上の生活は、神とのこうした関係を破壊するように働く。だからこそ、葛藤が生まれ、その中で神を選択する生き方を模索し、愛の実践者として成長して行く。
・ややもすると私たちは、こうした葛藤を避け、エレミヤ時代の民のように、地上の事を優先しすぎて、神との関わりを軽んじてしまってはいないだろうか?(葛藤があるのが当然!)
・何をするにも神に祈り、感謝する。礼拝を喜び、神にその時間を捧げる思いを持つ。皆で一致して、みことばに感謝し、みことばを愛し、みことばに従う子達を、主は喜ばれます。
「しかし今は、罪から解放されて神の奴隷となり、聖潔に至る実を得ています。その行き着くところは永遠のいのちです。」 ローマ 6章22節

2025年01月30日