エレミヤ書51章25節~44節
25節:全地を破壊する、破壊の山よ。見よ、わたしはおまえを敵とする。──主のことば──わたしはおまえに手を伸ばし、おまえを岩から突き落とし、おまえを焼けた山とする。
26節:だれもおまえから石を取って、要の石とする者はなく、礎の石とする者もない。おまえは永遠に荒れ果てた地となる。──主のことば。」
バビロンが山に例えられて、その力の凄さと共に、その呆気なく滅びる様が示されます。
・「破壊の山」・・「山」は象徴的には「王」、「王国」、「王座」を意味する。
※ここでは、患難時代の「反キリストの王国」を表現している。
・地球全体の破壊を示す。→エレミヤ時代のバビロンとは桁違いの破壊力。
・神はそんな破壊力ある山を突き落とし、焼いてしまう。神の御前には無力となる。
・だれもお前の石を礎の石としない。→中東では、古い石を礎石、要石とするのだが、それもできないほどに砕かれてしまう。
・焦げた山となり、荒地となる。
27節:この地に旗を掲げ、国々の中で角笛を鳴らせ。バビロンに向けて国々を聖別せよ。バビロンに向けて王国を召集せよ。アララテ、ミンニ、アシュケナズを。バビロンに向けて司令官を立て、群がるバッタのように、馬を上らせよ。
・脱穀する国々(北からのメディア人の王たち)に加えて、聖別の王国が示される。
①アララテ・・創8:4、Ⅱ列19:37、イザヤ37:38・・アルメニア人、かつては帝国。
※現在:アルメニア、イラン、東トルコの一部
②ミンニ(マネア、マナイ)・・イラン北西部ウルミエ湖付近のアララト王国の南東。
③アシュケナズ・・ヤフェテの子ゴメルの子の名。
※黒海の北からフランス北部、西ドイツのライン川周辺あたり。
・アルメニアはBC6世紀にメディア人に征服された。
・「司令官を立てて」と「バッタのよう」ということから、統率された大軍団と想像できる。
28節:バビロンを攻めるため国々を聖別せよ。メディアの王たち、その総督やすべての長官たち、その支配にある全土の民を。
・「聖別せよ」・・戦いに備えて軍隊を聖別→神の命令に従う戦い。
・メディアが他の国の指揮を執る。メディアは多くの人が聖別された者となる。
※反キリストの支配は全世界に及ぶが、反対勢力が存在している。→この時の人々の区分は、反ユダヤか、親ユダヤか。(マタイ25:31~ 羊と山羊)
※メディア人の王たちの国々には信者たちがいたと考えられる。
29節:地は震え、もだえる。主はご計画をバビロンに成し遂げ、バビロンの地を住む者もいない荒れ果てた地とされる。
30節:バビロンの勇士たちは戦いをやめ、砦の中に座り込む。彼らの力は干からびて、女たちのようになる。その住まいは焼かれ、かんぬきは砕かれる。
・神のバビロン破壊計画は完遂→バビロンは居住不可の荒地となる。
・勇士たちは無力化する。
・都市の門は完全に破壊され、焼かれてしまう。
31節:飛脚はほかの飛脚に走り次ぎ、使者もほかの使者に取り次いで、バビロンの王に告げて言う。「都は、くまなく攻め取られ、
32節:渡し場も取られ、湿地も火で焼かれ、戦士たちはおじ惑っています」と。
33節:イスラエルの神、万軍の主が、こう言われるからだ。「娘バビロンは、踏まれるときの打ち場のようだ。もうしばらくで、刈り入れの時が来る。
・バビロンの崩壊が、反キリストに報告される。走者→飛脚・・将来はどんなものか?
・報告内容→戦いにおける戦士の恐れる様子が報告される。
※沼地に潜む兵士をあぶり出すために放火がなされる光景。
反キリストはハルマゲドンにいる。これはハルマゲドンの戦いの第1段階。つまり、攻撃軍は、反キリストがバビロンに不在の間にバビロンを破壊した。→神の配剤である。
・脱穀場で打ち叩かれる麦の如きバビロン。
・「刈り入れの時」とは終末の時であり、バビロンの破壊の時である。
※神はバビロンの人々がいなくなるまで打ち砕かれることになると宣言されている。
将来、バビロンの人々は、神の逆鱗に触れるどれほどの悪事を行うのであろうか。
人間が決して踏み入れてはならない領域を超える悪事であろうと想像する。
34節:『バビロンの王ネブカドネツァルは、私を食い尽くし、私をかき乱して、空の器にした。竜のように私を吞み込み、私という美味で腹を満たし、私を洗い流した。』
イスラエルの民がネブカドネツァル王の罪を思い起こします。この王の罪が、将来の反キリストの罪と重なります。
・イスラエルの6つの被害が示される。
①ユダを貪るネブカドネツァル王・・ユダはバビロンの属国となる。
②ネブカドネツァル王によるエルサレムの破壊。他の都市の破壊も同様。
③「空にした」・・ユダヤ人を土地から追放した。
④ネブカドネツァル王は怪物のようにユダを吞み込んだ。
⑤美味で腹を満たした・・神殿の宝物、戦利品の奪取。
⑥ユダヤ人の捕囚
※これは、将来の反キリストが犯す罪を示している。
35節:シオンに住む者は言え。『私と私の肉親になされた暴虐が、バビロンに降りかかれ』と。エルサレムは言え。『私の血がカルデアの住民に注がれよ』と。」
36節:それゆえ、主はこう言われる。「見よ。わたしはあなたの訴えを取り上げ、あなたのために報復する。バビロンの海を干上がらせ、その泉を涸らす。
37節:バビロンは石くれの山、ジャッカルの住みかとなり、恐怖のもと、また嘲りの的となって、住む者はいなくなる。
38節:彼らはともに、若獅子のように吼え、獅子の子のようにうなる。
・イスラエルは復讐を呼びかける。これまでの迫害の罪がカルデア人に注がれよ!
・イスラエルの訴えに応える神。
・「海を干上がらせ、泉を枯らす」・・の表現は確実な復讐の決意を示す強調表現。→意味は、ユーフラテス川を枯渇させるという意味。復讐の起点となる。
・バビロンは神の裁きにより居住不可の土地となる。
※動物のような形をした悪霊の巣窟となり、荒地となる。エレ49:33、50:39
・バビロンは、若獅子や獅子の子のように唸り声を上げるが・・。
※外に向けて威嚇はするが・・
39節:彼らが苛立っているとき、わたしは彼らに宴会を開き、彼らを酔わせる。彼らは陽気になり、永遠の眠りについて、目覚めることはない。──主のことば──
40節:わたしは彼らを、子羊のように、また雄羊か雄やぎのように、屠り場に下らせる。
・この威嚇は見せかけによるものと分かる。
※バビロンの陥落は酔っているときに起こる。神がそのように導かれる。
※BC539年のバビロンに似る→決定的違いは、バビロンの人々が全員死ぬこと。
・雄山羊はリーダーを指す。全員が屠殺場へ引かれて行く光景。
※酔っているときのような状態で何もできない様→高慢と油断。
41節:ああ、バビロンは攻め取られ、全地の誉れであった者は捕らえられた。ああ、バビロンは国々の間で恐怖のもととなった。
42節:海がバビロンの上にのしかかり、波のざわめきにおおわれた。
・全地が称えたバビロン(Sheshach:暗号的名称)が、どうして捕えられたのか!
※同盟関係にある国々や集団の嘆き・・黙18:8~19
・「海」・・象徴的意味は軍隊、軍事侵略。波のごとく止まらない攻撃の光景。
43節:その町々は荒れ果てた地となり、その地は砂漠と荒れ地となり、だれも住まず、人の子が通りもしないところとなる。
44節:わたしはバビロンでベルを罰し、これが吞み込んだ物を吐き出させる。国々はもう、そこに流れ込むことはない。バビロンの城壁さえも倒れてしまった。
・人の住まない荒地となり、バビロンの主要な神ベルが神によって裁かれる。
※将来の偶像とは何であろうか。反キリストがまさに偶像。
・神は、バビロンが呑み込んだユダヤ人をはじめとする諸国を吐き出させる。
※同盟下、属国下にあった諸国は自らの土地に帰ることになる。エレ51:9参照。
・彼らはバビロンとの取引は不可。バビロンが完全に破壊されたから・・。
『私たちの地上の歩み』
・将来、バビロンは政治経済の中心となり、人々を管理下に置き、地上最大の富を手中にして我が物顔でいるに違いない。しかし、そんな世界にもその支配に反抗する勢力は存在する。
・未来の世界は、現在よりもさらにコンピュータ化が進み、AIが進展し、ロボットが進化して行く。ホワイトカラーはAIに仕事を奪われ、額に汗するブルーカラーもロボットに置き代わって行く。
・ 問題は世界を支配する上層部。様々な方法で全世界から富を集め、自分たちの欲望の充足だけを図るのだろう。富の充足は、益々心の欲望の実現を求めさせ、留まるところを知らない。
・ 私たちは、地上で何かを得ることに焦点を置くのではなく、地上にあって、見る事触れる事のできない恵みの神に信頼し、従い、未来の希望を確信した信仰者の歩みをしましょう。
「あらゆる恵みに満ちた神、すなわち、あなたがたをキリストにあって永遠の栄光の中に招き入れてくださった神ご自身が、あなたがたをしばらくの苦しみの後に回復させ、堅く立たせ、強くし、不動の者としてくださいます。」ペテロ第1 5章10節