エレミヤ書51章1節~24節

1節:主はこう言われる。「見よ。わたしはバビロンに対し、レブ・カマイの住民に対して、滅ぼす者の霊を奮い立たせ、
2節:他国人たちをバビロンに送る。彼らはこれを吹き散らし、その地を滅ぼす。彼らは、わざわいの日に、四方からこれを攻める。」

・「レブ・カマイ」・・カルデアを意味する。バビロンの別称。暗号的名称。
・神はバビロンに破壊的な風を送ると宣言。 →2節:「吹き散らし」。
・この軍事行動は、強い風に例えられている。
・あらゆる方向からの強烈な風で、都市も土地も壊滅的となる様子。

3節:射手には弓を引かせるな。よろいを着けて立ち上がらせるな。そこの若い男たちを惜しむな。その全軍を聖絶せよ。
4節:刺し殺された者たちが、カルデア人の地に、突き刺された者たちが、その通りに倒れる。

・英訳NKJV・・「バビロンに向かって射手に弓を引かせ、鎧を着けて立ち上がらせよ」。
※両訳とも、バビロンに反撃の機会を与えるな!一気に滅ぼせ!聖絶せよ!
・バビロンの地では、殺された者たちの死体が散乱している。

5節:しかし、イスラエルもユダも、その神、万軍の主に見捨てられることはない。彼らはイスラエルの聖なる方から離れ、彼らの地は罪過で満ちていたが。

・神は困難にあるイスラエルを見捨てないことを示す。
・「見捨てられる」・・(ヘ)alman 未婚者→これは「寡婦(死別)、やもめ」とは異なる。
※「イスラエルは寡婦、未亡人ではない」の意。
※現在は離婚状態だが、見捨てられてはいない、ということ。ユダも同様。
※イスラエルとユダは、神の妻としての地位は変わらないが、罪が無いということではない。
アブラハム契約に基づく、神のイスラエルに対する思いが示されている

6節:バビロンの中から逃げ、それぞれ自分自身を救え。バビロンの咎のために絶ち滅ぼされるな。これは、主の復讐の時、主がこれに報いをなさるからだ。

〈神から3つの指示〉→神の復讐の時が来たら。

①ユダヤ人はバビロンから逃げよ。
②自らのいのちを救え。
③バビロンと共に死ぬな、逃げよ。


7節:バビロンは主の手にある金の杯。すべての国々はこれに酔い、国々はそのぶどう酒を飲む。それゆえ、国々は正気を失う。
8節:バビロンは、たちまち倒れて砕かれる。バビロンのために泣き叫べ。その痛みのために乳香を取れ。もしかしたら、癒やされるかもしれない。

・神ははじめに、バビロンを諸国の裁きのために用いる。
・諸国が、金の杯のぶどう酒を飲み、正気を失う。→正しさを失い、バビロンに従う諸国。
・そのバビロンが突然倒れる。→金の杯の破壊→傷に乳香を塗る者がいれば塗れ!
※乳香を塗る可能性のある3つの外国人グループが浮かぶ。①王(政治関係、上層指導部)②商人③輸送業者→黙示録18:9~19参照

9節:私たちはバビロンを癒やそうとした。だが、それは癒やされなかった。私たちはこれを見捨てて、それぞれ自分の土地へ帰ろう。バビロンへのさばきが、天に達し、大空まで上ったからだ。

・その3グループの応答。
・バビロンの傷は致命的。バビロンへの審判が示され、神の裁きの兆しと分かり恐れる。
・自分たちの国に帰ろうと言い出す。

10節:主は私たちの義を明らかにされた。さあ、私たちはシオンで、私たちの神、主のみわざを語ろう。

・ユダヤ人の応答(反応)
・バビロンは諸国を裁く器だったが、神の民虐待の罰を受け、破壊される。
・バビロンに住むユダヤ人は、神の命令に従ってエルサレムに行き、神の働きを語る。
エルサレムに神の審判を告げる、バビロンに住んでいたユダヤ人は、御子を信じる聖徒であろうか、それともエレミヤ書を信じる民であろうか。バビロンを攻めた者たちは聖別された者が多いと思われるが、果たしてバビロンに住むユダヤ人はどうであろうか?

11節:矢を研ぎ、小盾を取れ。主はメディア人の王たちの霊を奮い立たせられる。御思いは、バビロンを滅ぼすこと。それは主の復讐、ご自分の神殿の復讐だからである。

・バビロン攻撃者への戦闘準備の指示。飛び道具は必須。
※これまで攻撃軍の具体的な提示はなかったが、ここで示される。
・「メディア人の王たち」→ダニエル書では、バビロン征服の中心はペルシア(キュロス王)。 エレミヤは明らかにメディア人のみ言及。ゆえに、 50、51章は預言的未来の文脈である。
※イザヤ13:17→(13~14章は大患難時代のバビロン預言) →「メディア人は、バビロンの攻撃で富への欲望に駆られることはない」という内容。→BC539年のバビロン征服ではなく、預言的未来を指している(遠未来預言)
・バビロン破壊の目的は神の復讐、神殿の復讐である。エレ50:28

12節:バビロンの城壁に向かって旗を掲げよ。見張りを強くし、番兵を立て、伏兵を備えよ。主は計画を練って、バビロンの住民について語ったことを実行されるからだ。
13節:大水のほとりに住む、財宝に富む者よ。おまえの最期、おまえの寿命が尽きる時が来た。

・バビロン攻撃の準備の指示。武器の準備。バビロン攻撃の描写・・神のご計画の実現。
・過去のバビロンはユーフラテス川辺に建つ。将来のバビロンも同じ状況であろう。
・「寿命が尽きる」・・(ヘ)besa 「暴力によって得られる利益の限界が来る」の意。
※バビロンの利益の略奪、搾取は限界。その富はバビロンを守れない。諸国からの攻撃。
※ゼカリヤ5:5~11 エパ桝(経済の象徴)・・鉛の重り・・偽りの計測による経済大国。

14節:万軍の主はご自分にかけて誓われた。「わたしは必ず、バッタの大群のような人々でおまえを満たす。彼らはおまえに対して叫び声をあげる。」

・「万軍の主の誓い」・・バビロンを攻める人々で満たし、攻撃軍の勝利。バビロンは滅亡。
※古代メディアは現在の、イラン北西部、アゼルバイジャン、クルディスタンの一部、更に ロシアの南部とアフガニスタンに及んでいた可能性。将来はメディアが中心となる。
※この国の王たちが、多くの国々の軍隊を指揮して、バビロンを攻撃する。

15節:主は、御力をもって地を造り、知恵をもって世界を堅く据え、英知をもって天を張られた。
16節:主の御声に、天では水のざわめきが起こる。主は地の果てから雲を上らせ、雨のために稲妻を造り、ご自分の倉から風を出される。
17節:すべての人間は愚かで無知だ。すべての金細工人は、彫像のために恥を見る。その鋳た像は偽りで、その中には息がない。
18節:それは空しいもの、物笑いの種だ。刑罰の時に、それらは滅びる。

・神の全知全能性を示す。二つの特徴を提示。
・神の創造の力、絶対的主権。
・偶像礼拝の愚かさ。バビロンの裁きの原因の一つ。
15~19節は、エレ10:12~16とほぼ同じ内容で、イスラエルの神の偉大さが、偶像礼拝の愚かさと対比して示されている。

19節:ヤコブの受ける分は、このようなものではない。主は万物を造る方。イスラエルは主のゆずりの民。その御名は万軍の主。

・「ヤコブの受ける分」とは、ヤコブの神。民数記18:20、詩篇119:57。偶像とは異なる。偶像から得られるものは「無」。
・神は先住し、永遠で唯一無二。イスラエルは神の相続者であり、真の神の民。

20節:「あなたはわたしの鉄槌、戦いの道具だ。わたしはあなたによって国々を砕き、あなたによって諸王国を滅ぼす。
21節:あなたによって馬も騎手も砕き、あなたによって戦車も御者も砕き、
22節:あなたによって男も女も砕き、あなたによって年寄りも幼い者も砕き、あなたによって若い男も若い女も砕き、
23節:あなたによって牧者も群れも砕き、あなたによって農夫もくびきを負う牛も砕き、あなたによって総督や長官たちも砕く。

・神はバビロンを諸国への裁きの道具として用いる。
・諸国の軍隊の粉砕。
・年齢、性別、職業、また地位的区別もなく粉砕。

24節:わたしはバビロンとカルデアの全住民に対し、彼らがシオンで行ったすべての悪に、あなたがたの目の前で報復する。──主のことば──

・鉄槌なるバビロンは、彼らのシオンへの悪・罪により、神に砕かれる。(エレ50:23~)
※金の杯が破壊されたのと同様に!

20節から23節は、神がバビロンを「諸国を裁く鉄槌」として用いたことが、24節でバビロンなる鉄槌が、神の民イスラエルへの悪に対して裁かれることが示されます。

 

『弱さの中に主あり』
・神はエレミヤを用いて、バビロンの将来の破滅を何度も何度も預言します。しかし、一方で神は、その時代には捕囚したバビロンに従うことを人々に命じています。27章28章がそれです。
・しかし、偽預言者たちは当時の王をけしかけ、バビロンに反抗させます。エレミヤはそれを断じるのですが、一方で50、51章の預言が示されていました。直近の預言ではなかったということです。
・ エレミヤを通して神は、人々に忍耐と反省を求められ、同時に、明確な未来の夢を示されました。神は、失望に負ける事なく、この神に信頼することを最優先してほしいと期待されています。
・ 神を信じる者として、中途半端で終わるような信仰はやめましょう。神の期待に応じて、わずかでも歩みを進める者でありましょう。それが、この地上に生きる信仰者であると思います。
「しかし主は、『私の恵みはあなたに十分である。わたしの力は弱さのうちに完全に現れるからである』と言われました。ですから私は、キリストの力が私をおおうために、むしろ大いに喜んで自分の弱さを誇りましょう。ですから私は、キリストのゆえに、弱さ、侮辱、苦悩、迫害、困難を喜んでいます。というのは、わたしが弱い時にこそ、私は強いからです。」コリント第2 12章9~10節 

2026年08月07日