エレミヤ書45章~46章12節

前回で、ユダ、エルサレムとエジプト難民に対するエレミヤの預言活動は終了。45章では、エレミヤの書記官バルクに向けた預言が示されます。

1節:ユダの王、ヨシヤの子エホヤキムの第四年に、ネリヤの子バルクが、エレミヤの口述によってこれらのことばを書物に書いたとき、預言者エレミヤが彼に語ったことばは、こうである。

・エホヤキム王の第4年~・・BC605~BC604年。
※エレ36章以降の出来事。捕囚70年の預言、エホヤキム王の巻物焼却事件があった。
※神はエレミヤに預言し、更にバルク個人にも預言を与えた。

2節:「バルクよ、イスラエルの神、主は、あなたについてこう言われる。
3節:『あなたは言った。ああ、私はわざわいだ。主は私の痛みに悲しみを加えられた。私は嘆きで疲れ果て、憩いを見出せない、と。』」

・エレミヤのユダを裁く預言がバルクを苦しめた。(彼の年齢は30代と推察)
※エレミヤはバルクに巻物を書かせ、それが王に届けられ、王は激怒し、それを焼いた。二人は身を隠し、主に守られ、二度目の巻物を書いた。バルクがこのような思いになったのが一度目か二度目の時かは不明。

4節:「エレミヤよ、あなたは彼にこう言え。『主はこう言われる。見よ。わたしは自分が建てたものを自分で壊し、わたしが植えたものを自分で引き抜く。この全土をそうする。

・嘆くバルクへの神のことば。→神のみこころの提示。
・神はイスラエルを築き、そしてそれを破壊する。その裁きは全国民にくだる。

5節:あなたは、自分のために大きなことを求めるのか。求めるな。見よ。わたしがすべての肉なる者に、わざわいを下そうとしているからだ──主のことば──。しかしわたしは、あなたが行くどこででも、あなたのいのちを戦勝品としてあなたに与える。』」

・バルクは何か自分にとって大きなことを求めていた。神はそれを不適切と指摘する。

以下はフルクテンバウム博士の見解
※彼の兄は、セラヤ(エレ51:59・・宿営の長)であり、王宮の高位職。
※バルクは書記としての地位的昇進を期待していた可能性がある
※エレミヤに忠誠を尽くせば、その望みは消える。そんな思いを捨てよ!と神は戒める。
※神の裁きは、目の前のわざわいのみならず、将来の全世界の裁きを示している。
・神に従うなら、いのちを戦利品として与える。→自然死で人生を終えられる約束。同時に、永遠のいのちも保証される。

・自分の欲望を満たすための偉大なことを求めるのではなく、神のみこころを察し、神のみこころが実現するために従う心を持つことが、最終的な祝福へとつながる。
<タルムードの記録>
バルクはバビロンに連行されて、その後重要な職務に就き活動。彼の上位の弟子は書記エズラであったとの記録がある。
<この時のバルクの予想年齢・・聖書に記述がないので>
当時の書記官は、教育修了が20代前半で、実務責任が20代後半からとされていたようで、更に、兄セラヤが宿営の長という高位にいたことから40代前後と考えれば、およそ30台前後と考えられる。エレミヤは当時47~52歳であった。

46章
1節:諸国の民について、預言者エレミヤにあった主のことば。

・諸国の民に関する預言が示される。
※エレミヤ1:5「国々への預言者として・・」→諸国への預言活動も含まれていた。

2節:エジプトについて、すなわちユーフラテス河畔のカルケミシュにいたエジプトの王ファラオ・ネコの軍勢について。ユダの王、ヨシヤの子エホヤキムの第四年に、バビロンの王ネブカドネツァルがこれを打ち破った。

・エホヤキム王の第4年・・BC605年・・・(カルケミシュの戦いがあった)
エジプトのネコ王はカルケミシュでバビロンのネブカドネツァルに敗北。バビロン時代へ。

3節:「盾と大盾を整えて、戦いに向かえ。
4節:騎兵たちよ、馬に鞍をつけて乗れ。かぶとを着けて配置につけ。槍を磨き、よろいをまとえ。

・周到に戦いの準備をしているエジプト。
・徹底した戦闘準備をするエジプト軍は、勝利以外は考えていない状態。

5節:何ということか、この有様は。彼らはおじ惑い、うしろに退く。勇士たちは打たれ、うしろも振り向かずに逃げ去る。恐怖が取り囲んでいる。──主のことば──

・実際に戦うと、エジプト軍はパニック状態となり、恐怖に駆られ逃げ惑うビジョン。
・「何ということか、この有様は」・・エレミヤのことば・・呆気ない敗れ方に驚く。
※ここでエジプトが敗戦すると、バビロンがユダに攻めてくると、エレミヤは案じた。

6節:足の速い者も逃げられない。勇士たちも逃れられない。北の方、ユーフラテス川のほとりで、彼らはつまずき倒れる。

・エレミヤの預言は、エジプト兵の脱走路が断たれ、ユーフラテス川の川岸で兵士たちが倒れている状態を示している。

7節:ナイル川のように湧き上がり、奔流のように逆巻くこの者はだれか。
8節:エジプトは、ナイル川のように湧き上がり、奔流のように逆巻く。彼は言う。『湧き上がって地をおおい、町も住民も滅ぼそう。』

・ナイル川の夏の氾濫が周囲を飲み込むように、エジプト軍は巨大な激流に思えた
・ネコ軍は膨大な兵士を誇り、都市も人々も壊滅させる準備が整っていると思えた。
※兵士の数の優位性を強調している。

9節:馬よ、進め。戦車よ、走れ。勇士たちは出陣せよ。盾を取るクシュ人、プテ人、弓を引くルデ人よ。

・エジプトの同盟軍が示されている。
※クシュ人・・エチオピア、プテ人・・ソマリア、ルデ・・リディア(北アフリカ)
※まさに大軍団のネコ軍。

10節:その日は、万軍の神、主の日、敵に復讐する復讐の日。剣は食らって満ち足り、彼らの血に酔う。北の地、ユーフラテス川のほとりでは、万軍の神、主に、いけにえが献げられる。

・エジプトが敗北する日は、すなわち裁きの日、復讐の日となる。
・ユーフラテス川のほとりのエジプト兵の死体はすべて神への大きないけにえとなった。
※いくらエジプトに勝利の確信があろうと、カルケミシュの戦いは、神による采配であったということ。

11節:おとめである娘エジプトよ、ギルアデに上って乳香を取れ。多くの薬を用いても無駄だ。おまえには癒やしがない。

・エジプト人が追った傷は、致命的である。
・ギルアデを産地とする薬膏でもなければ、その傷は癒されない。(聖書地図4、F6)
・乙女が侵略者に蹂躙されるように、エジプトはバビロンにボロボロにされる。

12節:国々は、おまえの恥辱のことを聞く。おまえの哀れな叫び声は地に満ちる。勇士が勇士につまずき、ともに倒れるからだ。」

・癒される薬もなく、哀れな叫び声が大地を満たす。世界中がエジプトの恥を見る。
・「勇士が勇士につまずき、・・」→次々に死んでゆく兵士たちの光景が浮かぶ。
※バビロン帝国の行く手を阻む勢力は、ここですべて排除された。

 

『新しい道・・新しい心の在り方
・バルクは、出世や世の価値を握りしめていたが、エレミヤの預言に信頼し、それを神の御手に替えた。それは神の戒め、教えである。その結果、彼のいのちは守られることになる。
・エジプトは、意気揚々と自信満々で戦に赴いたが、カルケミシュの戦いで、神の復讐がエジプトに及び、バビロンに大敗を喫する。どんなに自分を強くしても、神の御心一つで滅んでしまう。
・神の御手を握るとは、自己中を手放し、神中心とすること。自分の握力が弱っても、神は私たちの手を握り続けて下さる。神の御手を握る生き方は、永遠のいのちの人生に与るということ。
・皆さんは、自分の歩んでいる道が新しい道になっていることを認識していますか?新しい道とは神の期待にフォーカスするという新しい心の持ち方。神に従う新しい道を、共に前進しましょう。
こういうわけで、あなたがたはキリストとともによみがえらされたのなら、上にあるものを求めなさい。そこでは、キリストが神の右の座に着いておられます。上にあるものを思いなさい。地にあるものを思ってはなりません。」コロサイ 3章1~2節 

2026年05月10日