エレミヤ書31章31節~34節

前回、メシア的王国の一端が示され、いよいよ新しい契約が示されます。心に書き
記される律法は、イスラエルの祝福であると共に、異邦人の救いにつながる契約です。

 

31節:見よ、その時代が来る──主のことば──。そのとき、わたしはイスラエルの家およびユダの家と、新しい契約を結ぶ。

・「見よ、その時代が来る。」・・遠未来的預言のことば。
・「新しい契約」・・神とイスラエル、ユダの両家で結ばれる、ユダヤ人の契約という宣言。
●聖書にある8つの契約
エデン契約、アダム契約、ノア契約→人類との契約
アブラハム契約、モーセ契約、ダビデ契約、土地の契約、新しい契約イスラエルとの契約 モーセ契約は条件付き契約。他の4つは無条件契約。

32節:その契約は、わたしが彼らの先祖の手を取って、エジプトの地から導き出した日に、彼らと結んだ契約のようではない。わたしは彼らの主であったのに、彼らはわたしの契約を破った──主のことば──。

・「その契約は・・契約のようではない。」・・モーセ契約とは異なるもの。
※この契約はすでに破られていることを示している。
※正義の基準は示されたが、破ったのはイスラエルの民。
ユダヤ人にそれを守る力量が不足。⇒守れる力が全員に与えられていなかった。

33節:これらの日の後に、わたしがイスラエルの家と結ぶ契約はこうである──主のことば──。わたしは、わたしの律法を彼らのただ中に置き、彼らの心にこれを書き記す。わたしは彼らの神となり、彼らはわたしの民となる。

・「これらの日の後に」・・
契約の締結はイエスの十字架で、イスラエルの適用は患難時代の終わりの時。
・「・・彼らの心に書き記す」・・守れる力の付与→全イスラエルの救いの実現。
※新しい契約は、人々の内に義の基準を満たし、守る力を与える再生の約束。
モーセの律法の義は守れなかった民の救いの約束である

34節:彼らはもはや、それぞれ隣人に、あるいはそれぞれ兄弟に、『主を知れ』と言って教えることはない。彼らがみな、身分の低い者から高い者まで、わたしを知るようになるからだ──主のことば──。わたしが彼らの不義を赦し、もはや彼らの罪を思い起こさないからだ。」

・ユダヤ人同士、主を知るように教える必要はなくなる。
・「身分の低い者から高い者まで・・」⇒「小さい者(若い)から大きい者(年寄り)まで」
※イスラエルの民全員の救いを示す。
・「知る」・・(ヘ)yada・・経験による知識、親密な個人的つながりからの知識。→民全員が救われることを意味している。パウロは、ローマ11:26~27で、新しい契約で、すべてのユダヤ人は救われると明言している。

こうして、イスラエルはみな救われるのです。「救い出すものがシオンから現れ、ヤコブから不敬虔を除き去る。これこそ、彼らと結ぶわたしの契約、すなわち、わたしが彼らの罪を取り除く時である」と書いてあるとおりです。ローマ11:26~27
・「不義、罪」・・ともに単数形→キリスト拒否の罪が完全に赦された。

 

■イザヤ書65:20の解説

「そこにはもう、数日しか生きない乳飲み子も、寿命を全うしない老人もいない。百歳で死ぬ者は若かったとされ百歳にならないで死ぬ者は、のろわれた者とされる。
そこにはもう、数日しか生きない乳飲み子も、寿命を全うしない老人もいない。
 ※長寿が当たり前の世界となる。→エデンの園の再現。
百歳で死ぬ者は若かったとされ
 ※長寿の世界において、百歳で死ぬのは「若死に」と言われる世界となる時代。
百歳にならないで死ぬ者は、のろわれた者とされる。
 ※百歳で死ぬ者が原語に忠実な訳。→未信者は死んでハデスへ行くということ。
 ※未信者は百歳までに信者となる猶予が与えられているということ。

■イザヤ書65:22を見ると・・
「・・わたしの民の寿命は、木の寿命に等しく、・・」とある。
・木の如き寿命が当然の世界であり、百歳は極めて若いということになる。
※決して子供ではない。長寿を全うできず、永遠のいのちを得られないということ。

■パウロの書簡とイザヤ書65:20から分かること。
・すべてのユダヤ人は、メシア的王国で救われる。
※ヘブル8:10~13において、「新しい契約」に言及していることに注目。
※エレ34節・・「不義、罪」はメシア拒否の罪。ユダヤの民は二度とこの罪を犯さない。
・メシア的王国では、入国した異邦人の子孫から未信者が出るということ。
■「新しい契約」とは、
・イスラエルの完全な国家再生をもたらす契約である。
・すべてのユダヤ人が主を知る状態となる。従って伝道は不要となる。
・ユダヤ人の不信者は存在しない。⇒ユダヤの民はメシア的王国において、新しく生まれた人々が救われた状態で生まれてくるのではなく、信じるに十分な年齢になるにつれて、信じるようになるということである。

『聖霊の力』
・「新しい契約」はエレミヤの預言書で示されたが、その契約は、神がイスラエルの民と交わされた。そしてその契約の保証は、イエス様の十字架の血による締結である。
・この契約は「聖霊」が与えられるという特徴がある。聖霊の内住の力は、キリストを徹底的に拒否する民全員を深く後悔させ、キリストを迎えるようにするものである。
・私たちは、すでに新しい契約の恩恵に与る者で、その日イスラエルの民に与えられるであろう聖霊を受けている。この聖霊は、古い者を新しい者に変える力があるお方である。
・その力を発揮する一番の秘訣は素直さ、謙虚さではないか。聖霊の内住を信じてみことばに素直な心で向かうとき、力が湧き上がり、変化が起きるのである。
「あなたがたは知らないのですか。あなたがたのからだは、あなたがたのうちにおられる、神から受けた聖霊の宮であり、あなたがたはもはや自分自身のものではありません。あなたがたは、代価を払って買い取られたのです。ですから、自分のからだをもって神の栄光を現しなさい。」コリント 第一 6:19~20   

    

 

2025年11月27日